義足のキュートな女の子を描く、須川 まきこ HEARTS & ARTS VOL.9
公開日:2020年12月16日
今回ご紹介するのは、アーティストの須川 まきこさん。
キュレーターは中谷 日出さん(美術家、アートディレクター)です。
須川 まきこ(すがわ・まきこ)さんとは……
須川さんが描くのは、義足や、体の一部が欠けた女の子たち。
繊細な線と緻密な画面構成で描かれる彼女たちは、エロティックで可愛らしく、とても魅力的です。2012年のローマで展覧会をするなど、海外からも注目されています。
須川さんは、2004年に悪性血管肉腫で左膝下を切断しました。
当時は「青天の霹靂だった」とのこと。入院中、絵を描くという行為に救われたとおっしゃっていました。そのときの体験が、いまの絵につながっているのだそうです。
また、モデル、衣装デザイナーとしての顔も持っています。写真は、数々のコスチューム画。
さらに、「切断ヴィーナスショー」という美しく義足を着こなす女性たちのファッションショーのプロジェクトにも参加。そのプロジェクトから生まれたチャリティーカレンダー写真がこちらです。
表現も活動の場も、どんどん広げていく須川さん、今後の活動に期待せずにはいられません。
アーティスト プロフィール
須川 まきこ(すがわ・まきこ)
アーティスト。イラストレーター
和歌山県生まれ。
京都造形芸術短期大学専攻科卒業。2012年ローマと東京で個展を開催。
ほかにも国内外の企画展示会に多数参加。著書には、画集「Melting」「Lace Queen」、絵本「ニーとメメ」がある。モデルや衣装デザインなど、イラストレーターの他にも活動は多岐にわたる。
キュレーター プロフィール
中谷 日出(なかや・ひで)
東京国際工科専門職大学教授、京都大学大学院特任教授。東京芸術大学大学院美術研究科修了。元NHK解説委員でIT、芸術、メディア分野を担当した。大学では「企画発想法」や「コミュニケーションと記号論」などを担当。アイデアのつくり方やイメージの伝え方の最先端を探究することをライフワークとする。ウェブTV「木曜新美術館」を主宰。介護や支援にかかわる人に向けた専門誌のスーパーバイザーも務める。