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今回ご紹介するのは、希望の園(三重・松阪市)の早川 拓馬さんの作品です。

キュレーターは、福祉実験ユニット・ヘラルボニーの松田文登さんです。

作者……早川拓馬(はやかわ・たくま)さん

 

キュレーターより《松田 文登さん》

‟熱狂“という才能は、やがて新たな創造性を生む。

電車×アイドルが融合する、早川拓馬のカオスな幻想世界。

キャンバスという殺風景の大地を、狂気的と言っていいほどの密度で縦横無尽に繋ぐ電車。それらは直線的で、小気味良いリズムと豊かな色彩を作品にもたらす。その中には、時に乗客として、時には無数の車体をも呑みこむ大きな存在として、彼の‟推し“のアイドルをはじめとする人間達の姿が描かれる。カラフルなサイリウム煌めく夢のようなライブステージと、孤独な人々が連なり、機械的に通勤先へと向かう灰色のホーム。その両方のイメージを想起させるこの世界観は、まるで現代社会の縮図である。

電車とアイドルをこよなく愛し、その高い熱量を作品に注ぎ込む「希望の園」の作家・早川拓馬さん。早川さんの創作の歴史は長く、10歳の頃からアトリエ「HUMAN・ELEMENT」にて絵を描き始め、幼少より国内外の展覧会・コンクールに多数出品し、多くの賞を受賞している。

そんな早川さんの圧倒的な原画作品群を、岩手県盛岡市に拠を構える「HERALBONY GALLERY」で11月13日より披露する。初期の作品から現在の創作表現を確立するに至るまでの変遷を辿る展示だ。今回は、その展示作品の一部を、当記事にて一足早く紹介したい。「トレイン書店」(2014)

まだ電車と人間がそれぞれ別の存在として描かれていた頃の作品。濁りのなく、明度の高い清々しい色合いも特徴的だ。画面越しのアイドルに会える夢ような瞬間に、大好きな電車を走らせる、「愛」をそのまま詰め込んだような作品である。

企画展のテーマアートである本作は、F100号の超大作。エキスポは「博覧会」という意味の単語だ。文字通りアイドルトレイン作品の集大成とも言える。人物と電車の区別をつけることも簡単ではなく、ただその熱量と密度に圧倒される。

電車は、アイドルは、夢を仮託して走る存在だ。あそこまで行ってみたい、あの人のようになってみたい、その夢を自分の代わりに実現してくれる。もちろん「線路は続くよどこまでも」なんていうのは夢物語であって、現実世界では必ず終着駅なるものが存在する。人生にもいつか終わりが来る。電車も、アイドルも、彼らに願う私たちも、等しく同様に終わる。

しかし、それが一体何だというのだろう。早川作品では人間が電車になれるのだから、私たちはこれからも何にだってなれる。作家自身もこれから進化し続けるだろう。終着駅を中継点に変えて、軽やかな足取りで未来へ進んでいく。

どこにも行けないと塞ぎ込みそうになる日常の中で、これからもきっとどこへだって行けると体現して見せている。

早川拓馬の現出させる世界へ、特別列車が間もなく発車する。終点に辿り着くまで、決して目を逸らさないでほしい。

「早川拓馬展」は、HERALBONY GALLERY(岩手県盛岡市開運橋通2-38@HOMEDLUXビル4階)にて、2021年11月13日土曜日から、2021年12月26日日曜日まで開催されます。
休館日や開館時間などはヘラルボニーのホームページでご確認ください。

プロフィール

松田 文登(まつだ・ふみと)

株式会社ヘラルボニー代表取締役副社長。チーフ・オペレーティング・オフィサー。大手ゼネコンで被災地の再建に従事、その後、双子の松田崇弥と共に、へラルボニー設立。自社事業の実行計画及び営業を統括するヘラルボニーのマネージメント担当。岩手在住。双子の兄。日本を変える30歳未満の30人「Forbes 30 UNDER 30 JAPAN」受賞。日本オープンイノベーション大賞「環境大臣賞」受賞。

 


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