1960年(昭和35年)8月31日
耳で聞く読書・テープライブラリー
NHK厚生文化事業団が誕生しました。
この年、放送開始35周年を迎えたNHKは、職員に記念事業の提案を募り、その結果「社会福祉事業団の設立」が決定されました。
こうして、事業団は、放送ではできなかった直接的な社会福祉の実践を行うようになりました。
発足当初から手がけた主な事業は、NHKの公開番組への障害児の招待や、番組出演者による福祉施設への慰問でした。
番組のテープやフィルムの無料貸し出し(ライブラリー)は、施設で生活する高齢者や障害者の貴重な楽しみとして喜ばれました。
無医地区への巡回診療も、創立期の主要な活動の一つでした。
何時間もかけて診療車で山間部へ赴いたり、船で離島へ渡ったりして、無料で住民の診療や健康相談にあたりました。
公開番組への招待
離島への巡回診療
水害被災地への巡回診療
1961年(昭和36年)
「NHK歳末たすけあい」の共催に加わり、義援金の受け付けを始めました。
福祉への関心や寄付への意識が高まりつつあり、「たすけあい運動」がようやく定着し始めた時期でした。
「NHK歳末たすけあい」ポスター
1963年(昭和38年)
「ラジオ特殊学級」「テレビろう学校」などNHKの福祉番組の手引きとなるパンフレットの作成と配布を始めました。
パンフレットの利用者からは、専門家の話を聞く機会を求める声が多く寄せられました。そこで事業団は、個別相談会や、番組出演者による講演会を開催しました。
個別相談会
福祉番組 |
1965年(昭和40年)
肢体不自由児・者に野外スポーツを楽しんでもらおうと、冬のキャンプを始めました。
そのきっかけは、前年の東京オリンピックに続いて開催されたパラリンピックでした。
肢体不自由児雪上キャンプ
1966年(昭和41年)
知的障害のある人たちへの理解を広げるために、「精神薄弱者(児)福祉実践記録」を創設しました。
現在では、「NHK障害福祉賞」と名称を変えて、障害者やその支援者の体験作文を募集しています。
これまでの応募数は、8614編に上ります。
入選作品集
1970年(昭和45年)
発達に遅れのある子どもとその親を対象とした「言語障害児療育指導会」を開始しました。その後「母と子の療育キャンプ」として、35年間にわたって開催しました。
第1回言語障害児療育指導会