パラリンピアンがやってきた! 名古屋市で実施しました
公開日:2017年1月17日
2016年12月15日、リオパラリンピック陸上4×100mリレーで日本初の銅メダルを獲得した、陸上界のホープ・佐藤圭太選手(トヨタ自動車)が、名古屋市の東桜小学校を訪問しました。佐藤選手のプロフィールは、こちらをご参照ください
義足を間近に見る体験~走りに驚嘆
名古屋市の中心部、栄駅からも近い、名古屋市立東桜小学校。全校児童308人が、11時35分体育館に集合しました。
銅メダルを首からさげた佐藤圭太選手が、みんなの真ん中を歩いてくると羨望のまなざし。自己紹介のあと、「夢に向かって」というタイトルで講演が始まりました。
サッカーに熱中していた少年時代、中3でユーイング肉腫と診断され、右足膝下を失うことになったこと。他人の目が気になって義足を隠していたものの、ある日パラリンピック選手と出会い、その堂々とした姿を見て「義足は恥ずかしいことではなく、自分の個性なんだ」「自分もパラリンピック選手みたいにかっこよくなりたい」と陸上を志し、メダル獲得までにいたったこと。さらに目の前で義足を外し、膝下がないことを見せてくれたことは子どもたちに大きな刺激となりました。
そして競技用義足をつけて、ダッシュ!その軽やかさにみんな感動しました。 その後、代表の子が義足をつける体験も。 子どもたちからは「どうやったら早く走れますか?」など質問があがり、佐藤選手は「視線をゴールに向かって真っ直ぐ向けること」と、すぐに実戦で使えるコツを伝えました。 「義足はいくらしますか?」という質問には、「普通のもので5万円、特殊な競技用は50万円」と答えて、みんなびっくりしていました。
昼休みには6年生の教室で一緒に給食を食べ、テレビゲームの話など、意外な共通の話題で盛り上がりました。
走るっておもしろい~陸上体験
午後1時半からは、芝生の運動場で佐藤選手による「陸上教室」。柔軟体操のあとは、リズムに合わせて動く、頭を使って指示とは反対に動く、など体の動きをほぐしていきます。そしてまっすぐに立つ、前を見る、天と地に向かって腕を動かすなど速く走るコツを教えてくれました。
そして一緒にランニング、代表選手+先生と競走、最後は全員でリレーで盛り上がりました。 みんなに「がんばれ!」と大声で声援を送る佐藤選手。みんなからは「結婚しているんですか?」という質問も出て、すっかり佐藤選手のファンになりました。
義足体験に驚く子どもたち
午後2時半からは、今回同行した義肢装具士の第一人者・臼井二美男さんによる義足体験。希望者のみが対象でしたが、5~6年生のほぼ全員が参加しました。大中小3組の体験用義足をひとつずつ、全員がつけて歩いてみます。
友だちに支えられ、ふらふら進む子どもたち。最後、担任の先生たちは両足に義足をつけ、子どもたちに応援されながら歩きました。
子どもたちの感想
「今まで義足など障害のある人は『かわいそう』と思っていたけれど、今日佐藤選手を見て『かっこいい』と思えるようになりました」(小6・女子)
「教えてもらった『姿勢よく腕をふって走る』をやると、速く走ることができてうれしかったです」(小5・男子)
「義足をはいて走るのは大変でした。佐藤選手は速く走るまでに6年もかかったので、すごいなと思いました」(小5・女子)
選手プロフィール
佐藤 圭太(さとう けいた)選手 静岡県藤枝市出身、25歳
小学4年生からサッカーに熱中。中学生の時、『ユーイング肉腫』で右足の膝から下を切断。焼津中央高校入学と同時に陸上部に所属。同じ静岡県出身山本篤さん(北京・リオパラリンピックの走り幅跳び銀メダリスト)と出会い、パラリンピックを目指す。中京大学体育科学部卒業。
2012年ロンドンパラリンピック
100m、200m(T44)出場、4×100mリレー(T42-47)4位
2016年リオパラリンピック
100m(T44)出場、4×100mリレー(T42-47)3位(日本初の銅メダル) 自己ベストは100m11秒77、200m23秒85