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今回ご紹介するのは、「シブヤフォント」です。
キュレーターは磯村歩さん(一般社団法人シブヤフォント)です。

キュレーターより 《磯村 歩さん》

シブヤフォントとは、東京・渋谷でくらし・はたらく障がいのある人の描いた文字や数字を、渋谷でまなぶ学生がフォントやパターンとしてデザインした渋谷区公認のパブリックデータです。さまざまなモノやコトに使われることで、より多くの人に渋谷を好きになってほしい、シティプライドを感じてほしい、そして障がいのある人の活動を知ってほしい。そうした願いをシブヤフォントに託しています。

2016年、渋谷区長の「渋谷土産を作ろう」という呼びかけの下、同区の障がい者支援事業所と桑沢デザイン研究所の学生による連携で生まれたアイデアが「障がいのある人の文字をフォント化する」でした。

当時、障がい者支援事業所で製造している菓子折、手織製品を渋谷土産にすべきとの声もありましたが、本事業に参画する障がい者支援事業所の「フォントならば、より多くの人に使ってもらえる」「福祉の世界で生まれたものをもっと社会に広げたい」という思い、そしてフォントならば、直接 渋谷土産にはならなくとも、その利用が広がる中でいずれ企業採用につながるはずだと考えました。2年目からは、より企業の商品採用を促すべく、障がいのある人のイラスト等が縦横につながるようにデザインした総柄パターンもラインナップに加えていきました。

以降の活動を通じて約40社以上の企業に採用され、278万円/年(2019年度)を障がいのある人への工賃として還元することができました。そして2020年には東京都の都内62区市町村の特産品を各1点ずつ選定する「TOKYO GIFTS 62」にシブヤフォント商品が選定されるなど、名実ともに渋谷区を代表する土産と育っています。

シブヤフォントの特徴 多様な用途を想定した魅力的なラインナップ

公開しているフォント・パターンは、渋谷土産としての商品採用を促すため、渋谷名所をアレンジしたユニークなパターン(ex 招き猫のようなハチ公、スクランブル交差点に現れた巨人)、そしてファッションへの採用を想定したアーティスティックな総柄パターン、さらにポスター等のキャッチコピーに使いやすい特徴的なフォントなど多様な用途を想定したラインナップとしています。毎年、新データを制作し、2021年度には371種(フォント41種、パターン330種)となりました。

シブヤフォントの特徴 公式ホームページで誰でもダウンロード可能

より多くの方々にシブヤフォントの魅力を体験してもらうため、フォントの個人利用に関しては、シブヤフォント公式サイトで無料ダウンロードできるようにしています。また、パターンの個人利用は、ポストカード大の採用には十分な解像度のデータをワンコインでダウンロードできるようにしています。(商用利用は別途契約し、高解像度データを提供)そして、同データを“渋谷区公認”とすることで、渋谷の理念である「ダイバーシティ&インクルージョン」に共感を広げ、渋谷を応援するシティプライドの醸成にも寄与していると考えています。

シブヤフォント 公式サイト https://www.shibuyafont.jp ※事業団のサイトを離れます

シブヤフォントの特徴 障がいのある人の可能性とデザインを学ぶ学生のコラボレーション

障がい者支援事業所においては、アート制作が新たな仕事となっているのと同時に、普段の作業ではなかなか能力が発揮できなかった人が、アートによって新たな可能性を見出すことにつながっています。定型の作業ができるかどうかで判断される仕事とは異なり、個性的だからこそ評価されるアートの世界。それが学生の手によってブラッシュアップされ、商品に生まれ変わる。とても大きな自己肯定感の向上と自信につながるものだと思います。

また学生にとっても授業では得られない実社会での大いなる学びとなっています。普段は学内で閉じたデザインの学びも、シブヤフォントはさまざまな関係者と共同で進めます。また最後には企業にプレゼンし、優秀なフォントやパターンには企業賞を授与いただきます。こうした学外での社会人との共同プロセスは、学生が大きく成長する貴重な機会となるはずです。そして、商品化されたフォント・パターンは就職活動におけるアピール材料になっています。


プロフィール

磯村 歩(いそむら・あゆむ)

一般社団法人シブヤフォント 共同代表、株式会社フクフクプラス 共同代表、専門学校桑沢デザイン研究所 非常勤教員/外部評価委員

1989年 金沢美術工芸大学卒業、同年富士フイルムに入社しデザインに従事。2006年より同社ユーザビリティデザイングループ長に就任しデザイン部門の重要戦略を推進。退職後デンマークに留学し、ソーシャルインクルージョンの先駆的な取り組みを学ぶ。帰国後、株式会社フクフクプラス設立。2021年4月 一般社団法人シブヤフォント代表理事就任。著書「ユニバーサルプレゼンテーション 感じるプレゼン」


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