2024年11月6日に、埼玉県の坂戸市立大家小学校で「交流教室パラリンピアンがやってきた!」を開催しました。

今回の競技は、「車いすバスケットボール」。ゲストには、パリ2024パラリンピック に出場した大津美穂(おおつ みほ)選手、東京2020パラリンピック で銀メダルを獲得した川原凜(かわはら りん)選手、1996年のアトランタ大会から3大会連続でパラリンピックに出場した三宅克己(みやけ かつみ)選手をお招きしました。

まずは、選手たちによるデモンストレーションです。生まれた時から体幹機能に障害がある大津選手と、同じく、生まれた時から脊髄の病気で重い障害のある川原選手が、車いすをぶつけ合いながらの迫力あるボールの奪い合いやシュートを見せてくれました。数々の“スーパープレー”に、子どもたちから大きな歓声があがりました。

そして子どもたちも車いすバスケ用の車いすを乗車体験!
事前に車いすバスケについてしっかり予習をしてきてくれていた子どもたち。初めて乗る競技用の車いすをおそるおそる漕ぎ始めていましたが、選手たちから乗り方を教えてもらうとすぐに上手になりました。座ったまま、上半身の力だけで打つシュートはとても難しいのですが、ゴールを決める児童も現れ、みんなで大いに盛り上がりました。

そして、三宅選手の司会のもと行った講演では選手の皆さんからこんなお話しがありました。

三宅選手
「大津選手は、パリパラリンピック前に大きな怪我をしたよね。その時はどんな気持ちだった?」
大津選手
「今年の1月に骨折しちゃって8月のパラリンピックに出られるかわからなくなったり…。いろいろ苦しいことがあって、あきらめたら楽になると考えるくらい悩んだこともありました。でも私はもともと負けず嫌いで、東京2020パラリンピックに出られなかったときの悔しい気持ちや、家族や周りの人の支えもあってそれを乗り越えられて、パリでパラリンピックに出場する夢が叶いました。みんなにも、何事もあきらめずにがんばってほしいなって、すごく思ってます」

三宅選手
「共生社会っていう面でもお話し聞いてみようか。川原選手も車いすバスケの試合でいろんな国に行った経験があると思うけど、どこの国のバリアフリーが一番良かった?」
川原選手
「ドイツですね。すごくバリアフリーも先進的だし、障害のある方へのフラットな考え方を持ってる人が多かったと思います。車いすだから助けてあげよう、じゃなくて、困ってるから当たり前に助けよう、って行動する人が多かったです。でもね、日本の人もみんなやさしいですね。バスとか電車とか乗るときも助けてくれるし、日本もサイコーです!」
三宅選手
「ほんとそうですよね。日本の人も、外国の人と目が合うとニコっとするし、障害がある人に対しても無視はしないよね。各国で、パラリンピックが終わった後って、開催した街の人たちが、障害のある人や海外の人に対して普通に接することができるようになったっていう話、よく聞くんだよね。
みんなもね、そんなふうに困ってる人を見かけたときのコツなんだけど、『大丈夫ですか?』って聞くと、聞いた相手もつい『大丈夫』って言ってしまいがちなので、『なにか手伝うことありますか?』っていうふうに聞き方を変えるだけで、相手は助けてもらいやすくなるんですよ」

何事もあきらめず自分の夢を大切にしてがんばってほしい。
そして、障害のある人、それだけでなく、今自分の目の前にいる困っている人を助けてあげられる人であってほしい。
そんな選手たちの思いに、子どもたちは一生懸命聞き入っていました。

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