今回ご紹介するのは、伊賀 敢男留さんの作品です。
キュレーターは、福祉実験ユニット・ヘラルボニーの松田 文登さんです。

キュレーターより 《松田 文登さん》

時に荒々しく、時に穏やかに。偶然の重なりを楽しむように創造する。
伊賀 敢男留

情報や言語に振り回されて生きる私たちを、色彩と質感がユニゾンする抽象的な世界観で包み込む―。

伊賀 敢男留さんの絵画には、言葉で示せる具体的な物体は登場せず、色と形と質感という最も本質的な要素のみで構成されています。時に荒々しく、時に穏やかに、偶然の重なりを楽しむようにパステルのテクスチャを変化させて作られた作品群は、複数の楽章からなる一つの楽曲のようです。
かねてよりチェロに親しみ、言葉を介さずとも他者と繋がる術を磨いてきた伊賀さんの表現は、膨大な情報によって遠ざかってしまった素朴な世界の在り方を思い出させてくれます。

伊賀さんの作品は、世界に通じる実力を持った日本全国の作家を岩手から発信していく「HERALBONY GALLERY(ヘラルボニーギャラリー)」の第8回企画展(※会期:2022年4月2日~5月8日、現在は終了)を彩りました。

本ページで、伊賀 敢男留が奏でる視覚のアンサンブルをご鑑賞ください。

プロフィール

伊賀 敢男留(いが・かおる)
1988年8月26日生まれ。東京都出身。治療教育の造形教室、一般の絵画サークルを経て、2013年からフリースクール内の美術教室で制作を行う。2015年のアールブリュット立川展に出展したことをきっかけに作品の発表を続けている。

【主な発表歴】
2015~2020年 アールブリュット立川展(三越伊勢丹立川店)
2019年3月   サロン・ド・カモシタ(東京都府中市)個展
2020年8月   銀座永井画廊 「アールブリュットTAMAセレクション展」
2020年10月  銀座中央ギャラリー「4人展」
2020年11月  ゆとろぎ美術館(東京都羽村市)「2人展」
2021年4月   トヨハシブリュットアートコンテスト(審査員特別賞)


プロフィール

松田 文登(まつだ・ふみと)

株式会社ヘラルボニー代表取締役副社長。チーフ・オペレーティング・オフィサー。大手ゼネコンで被災地の再建に従事、その後、双子の松田崇弥と共に、へラルボニー設立。自社事業の実行計画及び営業を統括するヘラルボニーのマネージメント担当。岩手在住。双子の兄。日本を変える30歳未満の30人「Forbes 30 UNDER 30 JAPAN」受賞。日本オープンイノベーション大賞「環境大臣賞」受賞。

 


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