障害のある人自身の貴重な体験記録や、障害児・者の教育や福祉の分野でのすぐれた実践記録などに対して贈る「NHK障害福祉賞」は、今年で60回目を迎えました。
今回は463編の応募があり、以下の通り入選者を決定しました。

「NHK障害福祉賞」は、1961(昭和41)年、当時肢体不自由児・者に比べて実態が知られていなかった知的障害児・者に光をあてるため、「精神薄弱者(児)福祉実践記録」を創設したのが始まりです。以来、障害への理解や関心を広げるため、テーマや部門を設けながら継続しています。
現在は、障害のあるご本人の部門(第1部門)と、障害のある人とともに歩んでいる人の部門(第2部門)の2部門で体験作文を募集し、入選作品を広く紹介しています。
  • 最優秀(賞状、賞金50万円、副賞)
  • アール・ブリュット
    串田 綾香(37歳、奈良県在住、発達障害)

    周囲に適応しようとするあまり体調を崩し、広汎性発達障害と診断される。静養しつつも焦燥感にかられるなか、絵画で自信を取り戻す。絵を描くことで人と社会とつながり、就職にもつながっていった。

  • 優秀(賞状、賞金20万円、副賞)
  • 支援者から重度障害者に…そしてまた支援者へ
    畑中 信乃(40歳、滋賀県在住、難病による両上下肢機能全廃)
    フリをやめたら、ようやく私がいた
    家城 武尚(40歳、愛知県在住、支援対象者がアルコール・ギャンブル等依存症)
    娘が私に教えてくれた事~産後うつと障害受容を乗り越えて~
    井出 直美(36歳、長野県在住、娘が8番染色体短腕欠失重複症候群に起因する知的障害・肢体不自由)

  • 佳作(賞状、賞金5万円、副賞)
  • 幸せなヤングケアラーから皆さんへ
    手島 千鶴(59歳、広島県在住、姉が知的障害・弟が脳性まひ)

  • 矢野賞(賞状、賞金20万円、副賞)(長年にわたる体験・実践記録を対象に贈る賞)
  • 40年四肢麻痺なりし亡き夫(つま)は我を見守り我をこそ生かしき
    石川 裕子(68歳、福岡県在住、夫(故人)が頸椎損傷による四肢まひ)

    障害福祉賞60回の節目にあたって設けた特別賞の受賞作品は以下の通りです。
  • 文部科学大臣賞(賞状、賞金20万円、副賞)(共生社会の担い手となる若い人を応援する賞。家族や友人など自分に関わりのある障害者について綴った作品の中から、特に熱意のある作品に対して贈る。)
  • 姉と私~心にしまっていたこと~
    諫山 こころ(14歳、埼玉県在住、姉が知的障害・てんかん)

  • 厚生労働大臣賞(賞状、賞金20万円、副賞)(共生社会の担い手となる若い人を応援する賞。自身の障害を見つめた作品の中から、特に熱意のある作品に対して贈る。)
  • 私のいろいろ
    松下 奈津希(29歳、東京都在住、知的障害)

  • 柳田邦男賞(賞状、賞金20万円、副賞)(選考委員歴40年の柳田邦男さんが、作品を読む中で新たな視点に触れ、作者のこれからを応援したいと強く感じた作品に贈る。)
  • 私にできること
    籠田 芙佳(19歳、兵庫県在住、場面緘黙)

  • ハートネット賞(賞状、賞金5万円、副賞)(“誰もが自分らしく生きられる社会の実現”を願い、取材を続けている制作現場から、共生社会実現のヒントがあり、未来を感じさせる作品に贈られる。)
  • 伝えられなかった言葉と、伝わった想い
    福井 春香(22歳、千葉県在住、吃音)


    入選作品集

    入選した10作品を収めた入選作品集を12月中旬に発行します。
    申し込み方法については、こちらのページをご覧ください。

    NHKハートフォーラムのごあんない

    12月26日(金曜日)に、オンラインで開催する予定です。
    賞の選考委員を40年務めるノンフィクション作家の柳田邦男さんと、障害福祉賞のファンで障害者スポーツの振興に力を注ぐスポーツジャーナリストの増田明美さんとともに、受賞した方々に作品の背景やそこにこめた思いをお聞きします。
    詳細・申し込み方法は、こちらのページをご覧ください。

    選考委員

    鈴木 ひとみ (人権啓発講師)
    藤木 和子 (全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会 副会長)
    柳田 邦男 (ノンフィクション作家)
    NHKコンテンツ制作局 局長
    NHK厚生文化事業団理事長  (五十音順/敬称略)

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