「交流教室 パラリンピアンがやってきた!」を千葉県浦安市で開催しました
公開日:2025年1月10日
2024年12月11日、千葉県の浦安市立東野小学校で、「交流教室パラリンピアンがやってきた!」車いすラグビー編を開催しました。ゲストには、パリ2024パラリンピックで悲願の金メダルを獲得した、池崎 大輔(いけざき・だいすけ)選手と、島川 慎一(しまかわ・しんいち)選手をお招きしました。
車いす同士の激しいぶつかり合いが魅力の「車いすラグビー」。車いす競技の中で唯一タックルが認められていて、競技中にタイヤがパンクするほど激しくぶつかり合います。
夏のパリ2024パラリンピックを観戦して、車いすラグビーに興味深々の児童と先生に、早速、その迫力を体験してもらうことにしました。ドキドキしながら待ち受ける代表の児童と先生に「世界一のタックル」とも言われている島川選手が強烈なタックル!とくに先生は体が宙に浮きあがり、「ガキーン!!」という大きな金属音が鳴り響きました。子どもたちも、観覧に来ていた保護者のみなさんも大盛り上がりでした。
続いて子どもたちは、車いすラグビー専用の車いすに乗って児童同士でタックルをしたり、先生・保護者・選手も加わって4対4のミニゲームを行ったりしました。初めての体験にもかかわらず、タックルやパス、ブロックがたくさん飛び出し、ゴールを決めた児童も!選手もびっくりの白熱したゲームが繰り広げられました。
車いすがぶつかり合う音と歓声でいっぱいになる体育館。障害のあるなしは関係ない、児童も選手も大人たちも、一緒に「楽しい!」「面白い!」と気持ちをひとつにできた、素晴らしい空間でした。
そして交流教室では、選手への質問コーナーや講演の時間も設けられました。
Q.おふたりにとってパラリンピックってどんなものですか?
島川選手「4年に1回の大きな、大事な大会だと思っています。僕は2004年のアテネから6大会出ています。日頃の練習の成果を出す、大事な場ですね」
池崎選手「誰もが知っているスポーツの祭典、オリンピックとパラリンピック。自分たちを表現できる、唯一無二の場なんですね。だからそこで、しっかり結果をだしたい。そういう、重要な大会だと思ってます!」
Q.車いすラグビーで一番大切にしていることは何ですか?
池崎選手「たくさんあるんですけど、2つに絞るね。まず、『強い気持ちを持つ事』。みんなも今日やってわかったよね。向かってくる、向かっていく。気持ち、負けちゃったら出来ないよね。あと、自分1人じゃ出来ないので、『仲間を大切にする事』。そういうことを心がけてやってます」
島川選手「『どういう状況でも諦めない事』。諦めなかったから、パリパラリンピックの準決勝でも、最後のぎりぎりまでオーストラリアに負けてたけど、同点に追いついて、逆転して、決勝に進んで、金メダルを獲得できた。そして、『仲間を信じる事』を大切にしています」
Q.島川選手は1999年の夏に車いすラグビーを観戦したことがきっかけで始めたって知ったんですけど、どうして始めたんですか?
島川選手「おお~すごい、調べてくれてるね!先に車いすラグビーを始めてた友達に勧められて、あんまりチームスポーツは得意じゃなかったんだけど、しぶしぶ行ったの。そうしたら、普段車いすはぶつけちゃダメなものなのに、そこではガンガンぶつけてるし、人をひっくり返して褒められるし。楽しそうだなぁと思って始めたんです」
最後に児童代表の子どもたちが選手へむけて感想を述べてくれました。
「最初見たときは、音が大きくて、タックルすることが怖かったんですけど、やっているうちに楽しくて。車いすラグビーを教えてくれて、ありがとうございました」
「一番心に残った言葉は、『準備で結果が変わる』で、勉強に生かそうと思いました!」
「今日は来てくださりありがとうございました。池崎選手も島川選手も何十年も努力をしてきたのが今日で伝わりました。会えるだけでもスゴイのに、教えてもらえて本当に最高でした。『成功の反対は、諦める』という言葉も心に残って、わたしたちもいろいろことに諦めないでがんばろうと思いました。これからも体に気を付けて、頑張ってください!」
池崎選手と島川選手がみんなに教えてくれた、『成功の反対は、諦める』。
池崎選手「成功の反対は失敗、だって思ってる?でも違うんだ。失敗したときは、こうやったから失敗したんだって、気づくよね。『失敗』って言葉は、あんまりよくないみたいなんだけど、実は『気づきと学び』なんです。失敗したら、じゃあこういう風にやったら出来る、もう一歩挑戦できる!っていう機会ができるんです。そうして成功できたら、自分のものにできるんです。じゃあ成功の反対は何かって言ったら、『諦める、やめる』っていうことなんです。諦めたらそこでおしまい。それ以上は何もない。だから、失敗しても成功しても学びがあるってことを考えながら、みんなにもいろんなことに挑戦してほしいなって思ってます」
この言葉の通り挑戦し続けて、仲間同士 信じ合いながら作り上げたチームで、池崎選手・島川選手ら日本代表チームは世界一の金メダルを獲得しました。
そんなおふたりの力強いエールを、子どもたちはしっかり受け止めてくれたに違いありません。
東野小学校のみなさん、ボランティアでお手伝いに来てくださった保護者のみなさん、日本車いすラグビー連盟と選手のみなさん、本当にありがとうございました!
NHK HEARTSが主催する「交流教室 パラリンピアンがやってきた!」は、来年度(2025年度)の実施小学校からの申し込み受け付けを、3月上旬から4月中旬に行う予定です。みなさんのお近くの小学校にもお邪魔するかもしれません。先生方のお申し込みをお待ちしています!