NHK厚生文化事業団は、NHKの放送と一体となって、誰もが暮らしやすい社会をめざして活動する社会福祉法人です

NHK厚生文化事業団


現在位置:ホーム > このページ


活動リポート

2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年  

2014年7月17日

ハートカフェ@渋谷「『風俗嬢』のセカンドキャリアを支援する」を開催しました。

7月17日午後6時半、渋谷区勤労福祉会館で「ハートカフェ@渋谷」を開催しました。
7月のテーマは「“福祉のすきま”を仕事にする」。
第2回目のこの日は、「風俗嬢」をやめた人たちが新たな職業に付けるように支援している角間 惇一郞さん(一般社団法人GrowAsPeople代表)にお話しいただきました。

角間さんによる、「風俗嬢」として働く女性は、推定で33万人いるそうです。でも、一生続けられる訳ではなく、体力的にも年齢的にも限界となる「40歳の壁」があるそうです。壁に突き当たり、新たな職業に就こうとしても、年齢的なことや他の職業キャリアを積んできたわけでもないため、難しいのが実情だといいます。
そこで角間さんは、いま働いている人々が仕事を辞めた後でも、生活に困らないように次の職業につけるような支援をしています。

角間さんは言います。「『風俗嬢』のその後の生活をどうするかという視点で手を差し伸べてきた活動は、ほとんどなかったのではないかと思います。素性を知られたくないという人が多く、相談にも行けない場合がほとんど。そのニーズに応えようと始めたんです」。

では、具体的にどんな支援なのかというと、まずは気軽に相談できる「場」を作り始めたそうです。相談の「場」は、インターネットのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)。顔をつきあわせなくて済むので抵抗が少ないそうです。そして、実際に仕事を経験できる場も設けました。仕事は主に空間デザインです。角間さんは空間デザインの仕事に携わっていた経験があり、いまも法人として企業などからの依頼に応えているそうです。この空間デザインに女性たちにも入ってもらい、経験を積んでもらっているそうです。また、他のNPOへのインターン斡旋などを通して、様々な業種や仕事を経験してもらい、次につなげようとしているそうです。

しかし、角間さんは就職がゴールとは考えていないと言います。
「いろんな理由はあるとは思いますが、風俗を辞めても戻ってくる人はざらです。だから、風俗以外の方法で経済的に自立が出来ている状態になってくれたらいいなと考えています。そのための濃度を上げるような機会を作ってあげたいっていうのが僕たちの活動の本質です」。

角間さんたちの活動は4年目に入ったところ。今後は就職を阻害する要因になりかねないネット上の顔写真の削除にも力を入れていくそうです。

参加した皆さんからは、「知らなかった事ばかりでとても興味深かった。問題解決がすっきりといかない複雑な事情もよく分かりました」、「ニーズに、自分たちのできることの強みを生かそうという取り組みが参考になった」などの感想が寄せられました。

7月は毎週木曜日

7月は、毎週木曜日にハートカフェを開催しています。次回以降のハートカフェもぜひご参加ください。  

活動リポート目次