2011年12月 6日
福祉施設の製品販売会を開催しました
12月5日、6日、東京・渋谷のNHK放送センター内にて福祉施設の製品販売会「手づくりの心 届けます市」を開催しました。
開催期日はちょうど「障害者週間」のとき。福祉をより身近に感じてもらい、障害のある人への理解と支援の輪を広げていくことをめざしたものです。
10の福祉施設が出店
今回の販売会は、主に渋谷区内の福祉施設に呼びかけて、10の施設に出店していただきました。
各施設がふだん製作・販売している、焼き菓子、アクセサリー、バッグやマフラーなどの織物製品、革製のブックカバーやしおり、布きんやタワシといった日用雑貨など、実にさまざまな製品が用意されました。
狭いスペースいっぱいに製品を並べ、施設紹介のパネルをディスプレイした“お店”を準備していよいよ開店です。
販売場所は食堂に向かう途中にあり、お昼ごろから食事ついでに立ち寄る人たちで混みあうようになりました。
障害のある人たちはチラシを配りや呼び込みをし、施設職員は品物の特徴を説明したりと、自分たちが作った製品を熱心にアピールしていました。
東京都の調査によると、知的障害のある人の半数以上、精神障害のある人の4割以上が、作業所・授産施設などで就労しています。
作業所や授産施設で行われる仕事は、企業や自治体などから委託される作業(清掃や箱折り、袋詰めなど)や、施設自らによる製品(食品や手工芸品など)の製作・販売です。こうした仕事の収入が障害のある人の工賃(給料)になりますが、平均工賃は月15,000円に満たないといいます。
販売会は2日間にわたって開催し、延べ1000人近くの人でにぎわいました。
出店した福祉施設の人たちからは、
「初めての販売で緊張したけど楽しかった」
「気持ちをこめて作った物が気に入って買ってもらえるのは、とてもうれしい」
「昨日購入して美味しかったから、と次の日も来てくれたお客さんがいて励みなった」
などの感想が寄せられました。
「買う」を通じて福祉を身近に
最近では、材料や製法にこだわって、品質的に一般の小売店にひけをとらない福祉施設も多くなっています。注文販売や地方発送を行って購入しやすくしたり、記念品や引き出物など大量注文を受け付けるところもあるそうです。
福祉施設の人たちは、
「この販売会をきっかけに、直接福祉施設に注文したり、身近にある福祉施設に関心をもつ人が少しでも増えてくれれば」
と話していました。
NHK厚生文化事業団では、障害がある人への理解と支援の輪が広がるよう、今後も福祉施設の取り組みを応援できればと考えています。