第29回NHK厚生文化事業団 地域福祉を支援する「わかば基金」 支援先決定
公開日:2017年6月30日
「わかば基金」では、地域に根ざした福祉活動をしているグループに支援金やリサイクルパソコンを贈り、その活動を支援しています。それぞれの支援先が決まりましたので、ご紹介します。
支援金部門
国内のある一定の地域に福祉活動の拠点を設け、支援金でより活動を広げたいというグループを応援するものです。
今年は253グループからの申請があり、18グループに総額946万円の支援金を贈ります。
点訳絵本の会 (北海道千歳市)
点訳絵本を制作している。「わかば基金」でまだ点訳されていない絵本約100冊を購入し点訳絵本にして点字図書館から貸し出せるようにする
NPO法人ほんべつつつじの園 (北海道本別町)
障害者の就労支援として、再生紙の名刺やポストカード製作などに取り組んでいる。「わかば基金」で自動名刺カッターをそろえ手作業で行っていた名刺のカット作業を自動化する。品質と作業効率があがり、新たな製品作りにも挑戦できる
NPO法人楽の会リーラ (東京都豊島区)
ひきこもり当事者や家族を、相談や訪問、居場所づくりなど様々な方法で支援している。「わかば基金」でアクセスしやすく分かりやすいホームページを構築するとともに、電話だけでなくインターネットでの相談を強化する
NPO法人laule’a (神奈川県藤沢市)
肢体不自由児や医療的ケアが必要な子どものための放課後等デイサービスを運営している。「わかば基金」でタブレットPCをそろえ、子どもたちにITを活用したコミュニケーション方法を学んでもらい、生活の質の向上を目指す
新津点訳奉仕会まどかグループ (新潟県新潟市)
図書や情報誌などの点訳をしている。「わかば基金」で点字プリンターを新しくし、点訳した図書や資料などの印刷の効率を上げる
NPO法人らぴすらずり (新潟県新潟市)
障害や病気で外に出られない人、ひきこもり当事者や家族などへの訪問相談や居場所の運営を行っている。「わかば基金」でスクーターを購入する。小回りのきく乗り物があることで、24時間365日対応しているアウトリーチ活動がより素早くできるようになる
飯山市認知症キャラバン・メイト連絡会 (長野県飯山市)
認知症サポーターの養成を手がけている。「わかば基金」でプロジェクターとスクリーンをそろえる。養成講座に寸劇やスライドなどを用いることで、誰にとっても見やすく分かりやすくできる
NPO法人おたがいさま (岐阜県中津川市)
高齢者入所施設でのボランティア活動や高齢者の通院送迎支援を行っている。「わかば基金」で車両を購入し、ますます増え続ける交通弱者の通院支援に活用する
NPO法人コーポラティブハウス木の実 (富山県富山市)
若年性認知症当事者を対象にした通所介護事業所を運営している。「わかば基金」でソーラーフードドライヤー、ポリシーラー、ラミネーターなどをそろえ、当事者による乾燥野菜作りと介護者のための料理教室を開催する
NPO法人知的障害者のくらしを考える会 (富山県立山町)
知的障害者を対象にした就労支援や生活介護、グループホームを展開している。「わかば基金」で薪割り機とチェーンソーを整備し、販売している薪の生産効率を上げるとともに、より付加価値の高い薪を作り、工賃アップを目指す
NPO法人セカンドハーベスト京都 (京都府京都市)
生活困窮者支援団体や福祉施設、子ども食堂に個人や企業から提供してもらった食料を届けている。「わかば基金」で米用冷蔵庫、冷凍ボックス、かご台車、ハンドトラックなどをそろえ、食品の衛生管理の向上と配布作業の効率化をはかり、ますます高まるニーズに応えていく
NPO法人Homedoor (大阪府大阪市)
ホームレスや生活困窮の人々の相談や就労支援に取り組んでいる。「わかば基金」でアルコールチェッカー、臭いセンサー、血圧計、虫歯チェッカーなどをそろえ、当事者を対象にした健康相談を充実させ、病気の予防とQOLの向上を目指す
NPO法人ころん (和歌山県田辺市)
重症心身障害や発達障害のある子どものための通所施設を運営し、当事者とその家族の支援を行っている。「わかば基金」で担架、衛生用品、救急用品、発電機など災害などの緊急時にも対応できる設備を整える
Link (兵庫県神戸市)
中途失聴・難聴者への情報提供と啓発活動に取り組んでいる。「わかば基金」でAED(自動体外式除細動器)訓練用トレーナーとトレーニングマネキンをそろえ、中途失聴・難聴者に特化したAED講習を開催する
NPO法人フリースクール風の里 (福岡県行橋市)
不登校やひきこもりの人々の学習や社会参加の支援をしている。「わかば基金」で栽培している野菜の加工や販売の作業に専念できるユニットハウスを建てる
化学物質過敏症患者会 くまもとCSの会 (熊本県熊本市)
化学物質過敏症当事者たちの交流会や情報提供を行っている。「わかば基金」でVOC(揮発性有機化合物)測定器、空気清浄機など安心して過ごせる環境をつくるために必要な機器をそろえることで、日常生活の行動範囲を広げていくことができる
NPO法人夢のかけら舎 (熊本県菊池市)
障害者の就労支援として、絵画や創作活動に取り組んでいる。「わかば基金」で作業場所の改修・環境整備を行い、より創作に集中できるようにする
NPO法人ファーマーズボーダー (鹿児島県鹿児島市)
障害者やひきこもりなどの人々の就労支援として、野菜の水耕栽培に取り組んでいる。「わかば基金」で収穫した野菜を使った餃子の製造と販売を始めるための作業場の整備をする
東日本大震災復興支援部門
東日本大震災の被災地に活動拠点があり、その地域で福祉活動をすすめているグループで、被災地に必要な新たな事業を展開したい、と考えているグループを応援するものです。
今年は22グループからの申請があり、4グループに総額236万円の支援金を贈ります。
NPO石巻広域クリエイティブアートの会 ペンギンアート工房 (宮城県石巻市)
震災後から、障害のある子どもたちが絵画や陶芸などの創作活動に取り組めるアトリエを運営している。「わかば基金」で地域住民と障害のある子どもたちが一緒にさをり織りができる環境を整え、交流を深めるきっかけとする
仙台かえりびなの会 (宮城県仙台市)
震災後から、かえりびなの制作を通じて被災者同士の交流を続けている。「わかば基金」で持ち運びに便利なミシンをそろえ、被災各地で行っているかえりびな作りの講習をさらに充実させる
NPO法人20世紀アーカイブ仙台 (宮城県仙台市)
復興公営住宅や福祉施設などで、昭和の映像や写真を使って、被災者同士のコミュニケーションをうながす活動に取り組んでいる。「わかば基金」でスクリーンやプロジェクターなどの映像機材をそろえ、より多くの場所で、より多くの人々を対象にした交流活動に展開させる
NPO法人しんせい (福島県郡山市)
震災後から、避難してきた障害者の就労支援として、お菓子づくりやミシン作業などに取り組んでいる。「わかば基金」で事業所に車いすに対応した花壇などを整備し、園芸活動を通じて地域住民との交流を活発にしていく
リサイクルパソコン部門
パソコンを利用して地域で活発な福祉活動に取り組んでおり、台数を増やすことで、より高齢者や障害者に役立ち、活動の充実を図れるグループを応援するものです。
今年は108グループからの申請があり、20グループに総数50台のリサイクルパソコンを贈ります。
パソコンボランティアプラザ室蘭 (北海道室蘭市)
視覚障害者のパソコン操作サポートや、聴覚障害者への情報保障として要約筆記をしている。パソコンをそろえて、パソコン操作サポートやパソコンの貸し出し、要約筆記を充実させ、自立した生活を応援する
NPO法人農楽郷ここ・カラダ (青森県十和田市)
障害者の就労支援としてブルーベリーやカシスなどの栽培と加工、販売に取り組んでいる。パソコンをそろえ、障害当事者によるラベル制作やホームページ更新、さらには生産管理などを強化する
柴田町点訳サークル『ほたる』 (宮城県柴田町)
視覚障害者への情報保障として、図書や印刷物などを点字にして届けている。また子どもから大人まで対象にした点字体験にも力を入れている。パソコンをそろえることで、より多くの要望にも応えるほか、点字体験を充実させる
NPO法人福島就労支援センター (福島県福島市)
障害者や高齢者を対象にしたパソコン学習を開催している。参加者には避難解除に伴って帰郷している人も多い。そういった地域でのパソコン操作支援を充実させ、地域住民同士のつながりづくりを行う
音訳グループねいろ (栃木県足利市)
視覚障害者に地域の話題や道路工事の情報などを音声CDにして届けている。パソコンをそろえることで、音声CDの制作が効率化するとともに、個人からの音訳依頼にも迅速に応えられる
コスモスの会 (千葉県成田市)
視覚障害者への情報保障として、図書、印刷物、行政の広報などの音訳に取り組んでいる。パソコンをそろえることで、デジタル音声CDの制作が効率化し、より多くの要望にも応えられるようになる
NPO法人Asia Commons 亜洲市民之道 (東京都北区)
団地に暮らす外国人や高齢者など孤立しがちな人々が交流できる場を運営。パソコンをそろえ日本語の学習に役立てるほか、参加者同士のブログ作成などを通じて交流をさらに活発化させる
NPO法人PIECES (東京都渋谷区)
生活困窮家庭や発達障害のある子どもなどの学習や食事などの日常生活支援を行っている。パソコンをそろえプログラミング学習を充実させ、自信を失いがちな子どもたちの自信回復につなげる
失語症友の会 新潟つくしの会 (新潟県新潟市)
失語症によってコミュニケーションが難しくなるために孤立しがちなの人々の交流会。パソコンで会報誌を制作し配布したり、インターネットでの情報発信にも力を入れる
NPO法人地域生活支援サービス まあぶる (静岡県静岡市)
知的障害者を対象にした放課後等デイサービスや生活介護、グループホームを展開している。持ち運びできるパソコンをそろえ、災害などの緊急時の連絡体制を整える
ひきこもりサポートセンターこだま (静岡県浜松市)
ひきこもり当事者や家族を、相談や訪問、居場所づくりなど様々な方法で支援している。当事者が行うパソコン作業を充実させることで、生活や就労に役立つパソコンスキルを身につけてもらう
認定NPO法人四つ葉のクローバー (滋賀県守山市)
児童養護施設を退所した学生や社会的養護が必要な若者を対象にしたシェアハウスと中間就労を目的にした餃子屋を運営。パソコンが必須となっている課題や就労に役立つパソコンスキルの習得に役立てる
NPO法人ゆに (京都府京都市)
聴覚障害のある生徒や学生を対象にした授業のノートテイク・要約筆記に取り組んでいる。パソコンをそろえることで機材の不足をなくし、安定した情報保障を行える
点訳グループ「あい」 (大阪府吹田市)
視覚障害者に図書や印刷物などを点字にして届けている。パソコンをそろえることで、より多くの要望にも応えられるようになる
要約筆記ボランティア「三田サマリー」 (兵庫県三田市)
聴覚障害者への情報保障として、パソコンでの要約筆記やノートテイク、映像への字幕付けなどに取り組んでいる。パソコンをそろえることで、より多くの要望にも応えられるようになるほか、字幕付けの効率も向上する
テキスト訳グループ「あいフレンド」 (福岡県福岡市)
視覚障害者への情報保障として、印作物やPDFの文章をパソコンなどでの音声読み上げが可能な文字データにしている。パソコンをそろえることで、より多くの要望に応えられる
朗読の会セブン (福岡県福岡市)
視覚障害者に図書や印刷物などを音声テープにして届けている。パソコンをそろえることで、利用者からのニーズが高まっているデジタル音声CDの制作が効率化し、より多くの要望にも応えられる
朗読ボランティアグループ虹の会 (佐賀県基山町)
視覚障害者に図書や印刷物などを音声CDにして届けている。パソコンをそろえることで音声CDの制作が効率化し、より多くの要望にも応えられる
パソコン要約筆記“pcながさき” (長崎県長与町)
聴覚障害者への情報保障として、パソコンでの要約筆記やノートテイクなどに取り組んでいる。パソコンをそろえることで、より多くの要望にも応えられるほか、要約筆記者の養成を拡充できる
NPO法人ワークショップひなたぼっこ (熊本県天草市)
知的障害者の就労支援として手芸品の制作と販売、うどん店の運営などに取り組んでいる。パソコンによる作業を通じてパソコンスキルの習得と向上を図り、就労に役立てる
選考委員
石橋 俊一 | (社会福祉法人パステル理事長) |
加藤 裕二 | (社会福祉法人オリーブの樹理事長) |
関根 千佳 | (株式会社ユーディット会長) |
高橋 良太 | (社会福祉法人全国社会福祉協議地域福祉部長) |
松矢 勝宏 | (東京学芸大学名誉教授) |
NHK制作局制作主幹 | |
NHK厚生文化事業団理事長 (50音順/敬称略) |