2014年9月 4日
ハートカフェ@渋谷「当事者が語る、認知症」第1回を開催しました
9月4日午後6時30分から渋谷区勤労福祉会館で「ハートカフェ@渋谷」を開催しました。9月のテーマは「当事者が語る、認知症」。第1回は奥澤 慎一さんが「社会との繋がりを失う経験を経て、今考えること」をテーマに自らの経験を話した後、参加者のみなさんで「社会の一員とは何か」について考えました。
奥澤さんは4年前に認知症と診断されました。診断を受けると、どん底まで落ち込むとよくいわれますが、奥澤さんは診断自体ではそれほど落ち込まなかったといいます。それよりも、その後、家族が心配するあまり自分の判断で何かをしたり、外に出たりすることを禁じられて、社会とのつながりを絶たれたことの方が絶望を感じたそうです。
その後、家族の会と出会い、いいデイサービスと出会ったことで、再び世の中とつながりをもてるようになりました。それを感じた瞬間は意外とささいなことで、デイサービスの職員から「今日は何がしたいですか?」と顔を見ながら希望を聞いてくれたことだといいます。こうしたささいなことでも社会の一員として実感できることがうれしいのだと訴えました。
奥澤さんの話を受けて、参加者のみなさんは4グループに分かれて、改めて「社会の一員とは何か」について話し合いました。「人としての尊厳が守られて、社会的に生きていくこと」「支え合って生きていくこと」など活発な意見が出ていました。
終了後のアンケートでは「本人の意見が聞ける貴重な場だった」「社会とつながらないということでは障害者も高齢者も同じであり、どうつながりを作っていくかが必要だと思った」などの意見が寄せられました。