2012年12月 5日
「障害福祉賞」と「銀の雫文芸賞」の合同贈呈式を行いました
「第47回NHK障害福祉賞」と「NHK銀の雫文芸賞2012」の受賞者9人を招き、12月5日、東京・渋谷のNHK放送センター内で、両賞合同の贈呈式を行いました。それぞれの受賞者が作品に込めた思いを語ったほか、選考委員の江草 安彦さん(旭川荘 名誉理事長)や柳田 邦男さん(ノンフィクション作家)なども出席し、作品の講評やお祝いの言葉を述べました。
障害福祉賞 6人を表彰
NHK障害福祉賞は、障害のある本人や障害のある方を支えている方から体験記録を募集し、表彰するものです。今年度は466編の応募があり、その中から最優秀1編、優秀4編、矢野賞1編が選ばれました。
今年度の最優秀は、認知症のある妻との生活を、介護を中心に明るく描いた「認知症の妻とともに」の篠原 眞さん。
受賞者を代表して、「晴れがましい場にお招きいただけたのも妻からのプレゼントだと思っています。これから天命が許す限り、妻より長生きをして嘆かせないようにできればなあと願っています」と妻への愛情あふれるあいさつをされました。
最優秀の篠原さんのほか、優秀の蛭田 眞由美さん、山本 すみれさん、鈴田 浩二さん、伊藤 佳世子さんと、矢野賞の檜垣 サダ子さんも出席し、賞状と副賞を受け取りました。
銀の雫文芸賞 3人を表彰
NHK銀の雫文芸賞は、「高齢社会をどう生きるか」をテーマに描いた小説を募集し、表彰するものです。今年度は772編の応募があり、最優秀1編、優秀2編が選ばれました。
今年度の最優秀は、大阪府の織江 大輔さんが描いた「ふるさとに、待つ」。山村に一人で暮らす老人が、孫との出会いを通じて生きる意欲を取り戻す物語です。
司会の渡邊 佐和子アナウンサーによる朗読と、この作品を原作としたラジオドラマの一部を流して内容を紹介し、式典を盛り上げました。
織江さんは、「独り暮らしをしている妻の祖母に『寂しくないですか』と聞いたら、『寂しいけど、あなたたちが来てくれるから』と言ってくれて、カレンダーの日付に丸がついているのを見て感動しました。待たれるってすばらしいと思い、この物語を書きました」とあいさつしました。
織江さんとともに、優秀に選ばれた、単三Mgさん(「耳を澄ますと声が聞こえた」)、森岡 隆司さん(「行商見習い」)のお2人も参加し、晴れやかな笑顔で式に臨んでいました。