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活動リポート

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2012年3月 9日

震災復興を支援するチャリティー「朗読と音楽の夕べ」を開催しました

3月9日、静岡県三島市で「東日本大震災から1年・復興支援チャリティー 朗読と音楽の夕べ」を開催しました。地震を身近に感じ、復興支援に力を入れている三島市と、NHK厚生文化事業団が主催、NHK静岡放送局が共催して行ったものです。舞台では、女優の岸本 加世子さんが被災した少年の作文を朗読したほか、被災者でもある若手の津軽三味線奏者たちによる演奏、東北が生んだ作家・宮沢 賢治の「セロ弾きのゴーシュ」の朗読劇などを行いました。チャリティーイベントへの来場者はおよそ1,000人。催しの純益は全額、被災地で活動するボランティアを応援する「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」に寄付しました。

岸本 加世子さんが被災した少年の作文などを朗読

写真:ピアノの伴奏で朗読する岸本 加世子さん

第1部は「岸本 加世子 “家族”と“絆”を読む」。去年3月の震災後、多くの人が改めてその大切さに気づいた2つのキーワードにそった作品です。榊原 大さんのピアノが朗読に寄り添いました。冒頭は、地震と、津波を体験した高校生の作文を朗読しました。津波に追われてばらばらになった家族が助け合いながら再会するまでを綴ったものです。また、岸本さんが敬愛する向田 邦子のエッセイ「ごはん」(「父の詫び状」から)も朗読されました。昭和20年3月の東京大空襲の時の父親を中心とした家族の絆が描かれています。会場では、震災や、戦争体験に思いを馳せ、思わず涙ぐむ人も数多く見うけられました。

津軽三味線・被災地からのメッセージ、東北のこころ・宮沢 賢治の世界

写真:津軽三味線を披露する三人(左から浅野さん、松田さん、柴田さん)

第2部は、津軽三味線全国大会のチャンピオンたちによる演奏です。松田 隆行さん、柴田 雅人さん、浅野 祥さんの3人が登場。皆さん、一緒の舞台に立つことはめったにないそうですが、このチャリティーイベントのために集まってくださいました。「津軽じょんがら節」や「小原節」などの競演に、会場からは思わず拍手が鳴り響きます。インタビューでは、被災後、避難所を毎日のように演奏してまわった話や、浅野 祥さんからは震災で壊れた実家の大黒柱で三味線を作り、これから演奏しようとしている話などが披露されました。

写真:第三部で朗読劇を披露する奥野さんと、チェリストの長谷川さん

そして、第3部は、震災後多くの人の心の支えになった東北の作家、宮沢 賢治の作品「セロ弾きのゴーシュ」です。この日はちょっと趣向を凝らして行われました。SPAC‐静岡県舞台芸術センターの奥野 晃士さんが演劇風に朗読。そしてこれに「セロ弾き」が加わります。世界を舞台に活躍しているチェリストの長谷川 陽子さんです。朗読と名曲がちりばめられたチェロ演奏による「セロ弾きのゴーシュ」に観客たちは酔いしれていました。


被災地を支援するボランティアを応援するために催しの純益を寄付

写真:最後に全員で詩を朗読

ステージは、気仙沼市で被災した及川 良子さんが作った詩「朝陽に向かって」を全員で朗読して終わりました。被災した自宅あとで見つけた花や、道端にころがっていた芽を出した玉ねぎを見つめ、震災を乗り越えて前に向かって生きようというメッセージが込められた詩です。
観客からは、「朗読に感動した。あらためて家族や人々のつながりの大切さを感じた」「津軽三味線の音は心にしみわたった。一日も早く復興することを祈らずにはいられなかった」「チャリティーに協力できて本当によかった。静岡、三島からの祈りが被災地に届きますように」などの声が寄せられました。

そして主催者から、「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」を運営している中央共同募金会にイベントの純益を全額寄付しました。このイベントには、名古屋や静岡、そして地元三島をはじめとする多くの企業や団体に、趣旨に賛同してご協賛をいただきました。ありがとうございました。



4月7日、ラジオで放送します

この模様は、4月7日(土曜日)に、NHKラジオ第1「とっておきラジオ」で午前9時5分〜55分まで放送します。ぜひお聞きください。  

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