2007年2月27日
ろう俳優・井崎哲也さんと小学生が交流
2月27日(火曜日)、岡山県津山市の院庄(いんのしょう)小学校で、「ろう俳優・井崎哲也と子どもたちの交流体験」を開きました。4年生から6年生までの児童108人が、声を使わない「見るコミュニケーション」を経験しました。
ろう俳優・井崎哲也さん
子どもたちと交流したのは、井崎哲也さん。手話で芝居や狂言をしている「日本ろう者劇団」の俳優として海外や全国各地で公演をするかたわら、手話教室の講師をしています。
今回の催しでは、声を使わないでコミュニケーションする遊びを通して、子どもたちに聞こえない人や手話への理解を深めてもらいたい、と考えています。
動きや形をまねて伝えよう
まず挑戦したのは、体の動きや表情で言いたいことを伝えるゲームです。声を使わなくても、ものの形や動きを表現すれば伝わることを知ってもらうねらいです。
「ゴリラ」、「バナナ」、「ソフトクリーム」・・・子どもたちは胸をたたいてゴリラのまねをしてみたり、バナナの皮をむく様子やソフトクリームを食べる様子を演じてみたりして、一生懸命に伝えようとしていました。
口話に挑戦!
聞こえない人の中には、相手の口の動きを見て言葉を読み取る人もいます。口話と言います。
子どもたちも口話に挑戦しましたが、なかなか難しい。例えば、「パパ」と「ママ」は、口の動きがほとんど同じで、違いがわかりません。井崎さんは、言葉を言い換えてみたら、とアドバイス。パパを「おとうさん」、ママを「おかあさん」に言い換えてみると、みんな正確に読み取ることができました。
みんなの感想
この他にも、1から10までの数字の手話や、「おはよう」「ありがとう」「拍手」などの手話を覚えました。
様々な方法でコミュニケーションできることを体験した2時間となりました。
みなさんからたくさんの感想をいただきました。その一部をご紹介します。
「手話は難しいと思っていたけど、楽しく覚えられた。もっといろんな言葉を覚えたい。手話の本を買って勉強します!」
「「バナナ」は皮をむく身振りで通じるみたいに、いつも私たちがしていることが手話と同じだったり、似ていることが多いんだなぁと気付きました」
井崎さんからみなさんへ
井崎さんは最後に、手話でこんな話をしました(手話通訳者が話しことばに通訳してくれました)。
「耳が聞こえないことで不便なことはたくさんありますが、不便さは解消できます。「聞くことば」では話ができなくても、「見ることば」で話ができます。
とても悲しいのは、『この人は耳が不自由だからお話ができない』と思われて、避けられてしまうことです。聞こえない人と出会うことがあったら、筆談でもジェスチャーでも何でもいいですから、いろんな方法でお話してみてください。」
井崎さんが小学校を回って子どもたちと交流を深める催しは、2007年度も実施する予定です。