2007年2月24日
大阪で認知症フォーラムを開催しました
NHK認知症キャンペーンの一環として、NHKハートフォーラム「認知症 あきらめない〜早期発見とその人にあったケア」を、東京に引き続き、2月24日、大阪歴史博物館の講堂で開催しました。228人の来場者が認知症への理解を深めました。
出演は、高橋 幸男さん(エスポアール出雲クリニック院長)、大谷 るみ子さん(グループホームふぁみりえホーム長)、髙見 国生さん(認知症の人と家族の会代表理事)、司会は福祉ネットワークなどでおなじみの町永 俊雄アナウンサーが務めました。
「早期発見の大切さ」や「一人一人にあったケア」などの情報のほか、ここ数年で大きく変わりつつある認知症をめぐる状況について、去年の12月に放送されたNHKスペシャル「認知症 その時、あなたは」の映像を交えながら、最新情報をお伝えしました。
早期発見と適切なケアを
高橋さんは、認知症の早期発見について、「診断技術の進歩により、認知症の早期診断・早期発見が可能になってきた」と話しました。「これまで医師自体が認知症は治らないと悲観的だったが、医師も前向きに捉える時代が始まった」といいます。
また、認知症の人にかかわるときの心得として、「ものわすれ(認知症)をみとめる」「孤独にしない」「叱らない」「役割の維持」(仕事・会話・歌などできることをしてもらう)「地域の人の援助や介護保険の利用」が大切だと伝えました。
ぼけても心は生きている
髙見さんは、認知症に対して、「呆けたら人間ではなくなると不安に思っている人が多い」と言います。そうではなく、「呆けても心は生きている、人間なんだ」ということを強調しました。また、「家族に迷惑をかけたくないという不安を持つ人も多いが、介護保険などが整ってきたことで、家族のケアの苦労も少しずつ軽くなってきている」といいます。
子どものときから認知症の理解を
大谷さんは、福岡県大牟田市での「認知症理解」のとりくみについて話しました。
大谷さんが代表を務める「認知症ケア研究会」では、子どもたちに認知症を理解してもらうことを目的に絵本を作りました。この絵本を使って、小中学校に「出前授業」を行い、授業を受けた子どもたちは、さらに、地域の介護施設に体験学習に行ったり、徘徊しているお年寄りを見つけたときどうすればいいのか学習を重ねたりしています。「このような取り組みを通して、地域全体で認知症のお年寄りを見守っていくようになれば、誰にとっても暮らしやすい街になると思います」と話しました。
今後も認知症フォーラムを開催します
NHK厚生文化事業団とNHKでは、2007年度も、認知症に関するフォーラムを全国で開催していきます。日時や場所が決まりましたら、このホームページ等でお知らせします。