NHK厚生文化事業団は、NHKの放送と一体となって、誰もが暮らしやすい社会をめざして活動する社会福祉法人です

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活動リポート

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2007年1月 9日

認知症フォーラムを開きました

NHK認知症キャンペーンの一環として、NHKハートフォーラム「認知症 あきらめない〜早期発見とその人にあったケア」を1月9日、東京・渋谷のNHKみんなの広場ふれあいホールで開き、269人の来場者が認知症への理解を深めました。

写真:ふれあいホールの舞台。写真右から町永アナウンサー、遠藤さん、永田さん、植松さん

出演は遠藤英俊さん(国立長寿医療センター包括診療部長)、永田久美子さん(認知症介護研究・研修東京センター主任研究主幹)、植松多恵子さん(認知症の人と家族の会千葉県支部)、司会は福祉ネットワークなどでおなじみの町永俊雄アナウンサーが務めました。
「早期発見で認知症は治療できる!」「その人にあったケアの大切さ」について、12月17、18日に放送されたNHKスペシャル「認知症 その時、あなたは」の映像を交えながら、医療・介護・家族それぞれの立場から話をうかがいました。

病気の進行を抑えるために早期発見を

写真:遠藤さん

遠藤さんは、まず、認知症の早期発見の大切さを強調しました。早期発見すれば、薬やケアによって、病気の進行が抑えられるからです。
ただし、物忘れと病気の違いが分からない、本人が診断を受けたがらない、医師の診断もれなど、「早期発見を阻む壁」もあるそうです。その壁をどう乗り越えるか。セルフチェックや、専門医の探し方など、具体的な方法が話し合われました。
写真:植松さん

植松さんは、母親に診断を受けてもらうために、ちょっとした工夫をしたといいます。「私、物忘れがひどくなったから、みてもらおうと思うの。一緒に行かない?」と、すんなりと受け入れられるような誘い方をしたと、体験を語りました。

1人1人にあったケアを 〜センター方式〜

写真:永田さん

永田さんは「センター方式」について説明しました。1人1人にあったケアをめざして、認知症介護研究・研修センターで研究開発された方法です。
センター方式では、その人のやりたいことや願い、どういう状態の時にどのような言葉を発しているのか、1日の中での状態の変化などを詳細に記入したシートを家族やケアする人たちで作ります。情報を一本化し、ケアする側がみんなでその情報を共用することで、その人に合ったよりよいケアサービスを提供できるようになります。
どんなきっかけで状態が改善するかは人それぞれです。番組で取り上げられた施設で暮らすお年寄りたちは、そのきっかけがけん玉であり、家事でした。「本人にとってのカギを見つけるのが大事」だといいます。

来場された方の質問に答えて

写真:会場からも多くの相談、質問が寄せられた

来場者の質問に答える時間も設けました。
「財布を盗られた」などといういわゆる「物取られ妄想」への対処法としては、「一緒にしまう所を確認すること」、ご飯を食べたのに「ご飯まだ?」と言われることが多いときは「食器を片付けずにそのままにしておく」、通販を大量に注文してしまうような場合は「成年後見制度を利用しましょう」など、解決へのヒントを紹介しました。


大阪でもフォーラムを実施します

今回と同じように、「早期発見」「その人にあったケア」をテーマにしたフォーラムを、2月24日に、大阪で実施します。

 

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