2024年9月10日に、愛知県の大府市立北山小学校 で「交流教室パラリンピアンがやってきた!」を開催しました。競技は「ブラインドサッカー」。ゲストには、元日本代表の 葭原 滋男(よしはら しげお)選手をお招きしました。葭原選手が代表をつとめるブラインドサッカーチーム「乃木坂ナイツ」のチームメイト栗原 梢(くりはら こずえ)選手、視覚障害のない晴眼者の中野 誉幸(なかの しげゆき) 選手もサポートに来てくれました。
さらに、地元・愛知のブラインドサッカーチーム「MixSense名古屋」から晴眼者の土屋 由奈(つちや ゆな)さんも参加してくれました。

ブラインドサッカーは、転がると音が出るボールを使って、アイマスクをした選手たちが、サッカーと同じようにプレーするスポーツ。「ボールの音」や「仲間の声」を頼りに、葭原選手がみんなの前でパスやドリブル、シュートを決めていきます。

葭原選手は、2002年にブラインドサッカーに出会うまで、陸上や自転車競技でパラリンピックに出場し、金銀銅あわせて4つのメダルを獲得しました。ふだんは、白杖(はくじょう)を使って歩いたり、晴眼者に移動をサポートしてもらったりしています。

葭原選手は、子どもたちにこう問いかけました。
「病気でだんだん目が見えなくなってきたときに、ぼくは障害者になるんだなと思いました。みんなは、そんなよっしーのことどう思う?」。子どもたちは、「かわいそうだと思う…」と答えました。

そこで児童たちに、ある映像を見てもらうことにしました。走り高跳びで1メートル81センチの日本新記録を出し、喜ぶ葭原選手。パラリンピックの自転車競技の決勝で、大差をつけられたライバルを必死に追いかけ、ゴール寸前で大逆転!金メダルを獲得した葭原選手。その姿を見た子どもたちからは、歓声と拍手が沸き起こりました。

葭原選手が「どうだった?ぼく、かわいそうかな?」と尋ねると、子どもたちはみんな口々に「かっこよかったー!!」と答えてくれました。

「よっしーは、面白そうだなと思ったらなんでもチャレンジします。サーフィンもやるし、スキーもやるよ。ぼくがやってきたことのひとつ、走り高跳びは、3回まで挑戦できるんです。2回失敗しても、1回成功したらOK。これって、失敗してもいいんだよ、やりなおせるんだよって、教えてくれてるんだとよっしーは思っています。ダメだったら、次はどうしたらできるかな?って考えるんだよね。すると、失敗するのがだんだん楽しくなってくるんです。だから、みんなにもいっぱい失敗してほしいです。あきらめずに、どうしたらできるかな?と考えることを、楽しんでほしいなと思います。」

そして、子どもたちもアイマスクをつけてブラインドサッカーに挑戦!8メートル先にいる友達の「こっちだよ!」と呼ぶ声を頼りに歩いてみたり、ボールをシュートしたりしました。「見えないのが怖くてなかなか動けない…」という不安な気持ちと、友達が合図をしてくれる安心を実感しました。
ガイド役を務めるときは、アイマスクを使って目が見えない人の立場も経験した上で、どう言えば、どうすれば相手に伝わりやすいのか、を考えます。向かい合った状態だと、自分の右は相手にとって左?!
子どもたちは体験を楽しみながら、自分の力で考えて気づきを得ていました。

目が見えない人も見える人も、協力し合ってプレイするブラインドサッカー。私たちが考えるべき共生社会へとつながる、大切な1日となりました。


関連リンク

  • Twitterでシェア
  • LINEでシェア
ページトップへ