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わかばなかま

支援団体の活動リポート

宝島「坂道の多い街の移動が楽になりました」

神奈川県座間市にある「NPO法人宝島」は、知的障害のある人たちが農作業をしたり、お菓子や金属製品の仕分け・袋詰めなどを行う作業所を運営しています。
第25回「わかば基金」の支援金で、電動自転車とコードレス掃除機をそろえました。利用者の誰もが使いやすいと好評で、働く人々の意欲向上につながっています。

障害児者の居場所

宝島は2005年に理事長の井上 陽子さんら障害のある子どもたちの親が中心となって設立した団体です。子どもたちが学校を卒業すると、地域に行く場所がないことを悩んでいた井上さんたちが、子どもたちの「居場所」を作りたいと始めました。

今では市内に3か所の事業所を持ち、自分たちで作った農作物や製品を販売しています。それだけでなく障害のある子どもたちの放課後預かりにも取り組んでいます。

移動が楽ちん 負担が減りました

宝島では、作業所で作った製品や農作物の運搬など事業所間での行き来には車を使用していました。事業所や畑などほとんどの場所は3km圏内にあり、井上さんたちは移動のたびに車を使うのは経済的ではないし、安全の面も心配だと常々感じていたそうです。しかし、座間市は「坂道マラソン」が開催されるほど坂が多く、しかも急勾配の坂ばかり。歩くのも自転車を使うのも一苦労。そのため、経済的で効率よく移動できる電動自転車を導入したいと考えていました。そこで、「わかば基金」に申請しました。支援が決定し電動自転車3台を購入、各事業所に1台ずつ配備することができました。

事務局の長瀬 昭仁さんは「本当に助かっています。今までであれば、車が出払っていれば移動をためらったり、ちょっとの移動でも汗だくになっていました。でも電動自転車のおかげで涼しい顔で行き来できるようになりました」と話します。 駐車場もいらないので、車で店舗に来たお客さんに迷惑をかける心配もなくなったそうです。

電動自転車とともにコードレス掃除機も3台購入し、各事業所に配備しました。1日の終わりに障害のある人たちが行う掃除に利用しています。「よくゴミを吸って使いやすい」と評判で、さらにおもちゃのような感覚もあり使うのも楽しいと、これまで掃除を嫌がっていた人もすすんで掃除をするようになったそうです。

親子の困り事に応え続けていきたい

宝島ではいま、地元の人の協力で4つめの事業所を建設しています。新しい事業所ではショートステイを始める予定です。ショートステイ施設の建設には県や市の補助がほとんどなく、市内には取り組んでいる事業所はほとんどないそうです。しかし、親たちから「子どもを一時的にでも数日預けられれば」という切実な声が多く、取り組もうと決めたそうです。井上さんは「子どもたちにとって親元を離れて数日過ごす経験は、成長していく中で必要なことです。重度の障害のある子どもがいる家庭では親たちはつきっきりで疲れ切っています。休息が必要です。いろいろな困り事に応える形で発展してきた宝島だからこそ、やらなくっちゃ。電動自転車にも掃除機にも、もっともっと活躍してもらいます」と力強く話してくれました。
(2014年6月13日記)

「宝島」は、第25回(平成25年度)支援金部門の支援グループです。 連絡先や活動内容については、宝島のホームページをご覧ください。