マウスクラブ「教える側の私たちも、楽しみながら学んでいます」
埼玉県志木市の「マウスクラブ」は、市民向けにパソコン講習会を開催するボランティアグループです。
講習の内容はもちろんのこと、講習用に独自に作ったテキストも、とても分かりやすいと受講者に好評です。
少しでも多くの人に受講してもらえるよう、「わかば基金」のリサイクルパソコンを活用しようとしています。
パソコンボランティア養成講習を機に活動開始
志木パソコンボランティア「マウスクラブ」は、平成14年10月に発足しました。
市が開催した「パソコンボランティア養成講座」の参加者たちが、講座修了後に結成したグループです。翌年の平成15年から、市と協力して年間11回の講習会を開催しています。
メンバーは、現在17人。「受講者は中高年層が多いのですが、私たちも60歳以上が中心なんです」と、発足当初からのメンバーである山本さんが笑いながら教えてくれました。講習会の受講生からメンバーに“昇格”した人もいるそうです。
講習会では、ワードやエクセルの使い方など、ごく初歩的な内容を取り上げます。受講者の多くは、「自宅にパソコンはあるけれど・・・」という中高年層。会場の前方に立つ進行役のメンバーが、スクリーンに映し出された画面を見ながらゆっくりとテキストに添って説明します。その間、他のメンバーは後方で受講者の進捗状況を見守っています。手が止まっている人がいると、後方のメンバーが歩み寄ってフォローします。
講習会で配布されるオリジナルのテキストには、説明が丁寧に書かれています。このテキストが好評で、この日受講した一人も「このテキストがあれば、家に帰ってから自分だけでも頑張れそう」と、安心した様子で目を通していました。
講習会にはほぼ毎回、定員(14人)を上回る申し込みが寄せられます。しかし、パソコンの台数が限られているため、抽選に漏れた人は断らざるを得ません。
パソコンは、12年前に市が国から寄贈されたものを、市から借りています。一般的に4年と言われる耐用年数をすでに超え、講習中に動作が遅くなるなどのトラブルも生じ始めました。
寄贈パソコンで受講者数を維持
抽選に漏れて受講できない人がいるのに、使用できるパソコンが減れば、さらに受講者を減らさなければならなくなってしまう――危機感を募らせていたマウスクラブは、第22回「わかば基金」リサイクルパソコンの部に申請しました。3台の贈呈が決定し、「受講生に迷惑をかけずに済みますし、助かった!と思いました」と、代表の工藤 勝さんは言います。
パソコンは、リサイクルとはいえ高い性能を備えているので動作がスムーズです。
マウスクラブが開催する講習会は年間11回ですが、講習用のテキストの改訂など、活動をより充実させるためにもパソコンを気兼ねなく使えると、メンバーは喜び合っています。
活動は、無理なく楽しく息長く
マウスクラブでは、講習会の定期的な開催のほかに、小学校でのパソコンの授業のサポートも行ってきました。
また、障害のある人向けのパソコン教室も依頼されるようになりました。聴覚障害のある人を対象にした教室を2009年度に開催、肢体不自由と内部障害のある人を対象にした教室は2009年度から2年連続で開催しています。
ゆくゆくは視覚障害のある人の支援もできるように、音声ソフトの使い方を勉強していきたいと考えているそうです。
マウスクラブのメンバーは、自らも活動を楽しみながら、パソコンの楽しさを“後輩”たちに伝えています。
(2011年1月26日記)
志木パソコンボランティア マウスクラブは、第22回(平成22年度)第2部門の支援グループです。
連絡先や活動内容については、こちらをご覧ください。