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わかばなかま

支援団体の活動リポート

ぽんぽこ村「広い畑でいろんな野菜をつくってます」

「ぽんぽこ村」は、鹿児島県長島町の知的障害がある人などが通う作業所です。
長島町の特産品であるジャガイモなど、農業を中心とした作業をしています。
「わかば基金」の支援金で耕うん機を購入、作付面積が広がって収穫が増え、作業所のメンバーの工賃(給料)も増えました。

画像:畑での収穫風景

障害がある人の働く場を地元に

「ぽんぽこ村」は、平成12年4月に開所しました。長島町には特別支援学校がなく、バスで1時間半近くかかる町外の学校へ通学しなければなりません。「卒業後は家の近くで働きたい」と希望した息子さんたちのために、代表である大堂おおどう 和枝さんが仲間と働く場を作りました。

「長島町には企業の下請け作業はないけれど、九州でも有数のジャガイモの産地なので、畑だったらたくさんある。私は土いじりが好きですし、みんなで農業をやっていけたらと考えたのです」と大堂さんは当時を振り返ります。
地元の人から借り受けた畑でのジャガイモをはじめとした野菜の栽培・販売を中心に、炭焼き、アルミ缶のプレス作業などを行う、町内唯一の作業所です。

耕うん機で作業効率アップ

画像:ジャガイモの収穫風景

活動の中心が農業であるにもかかわらず、資金不足で耕うん機を持てなかったために、必要なときにメンバーの家族から借りていました。そのため、耕うん機の使用が重ならないように、時期をずらして栽培・収穫しなければなりませんでした。最盛期に作業ができれば収穫量が増えて、収入も増加するのではないかと考え、第19回「わかば基金」に申請、第一部門での支援が決まりました。
自前の耕うん機をもつことで、最盛期に市場や天候の状況にあわせて効率よく作業できるようになりました。狙い通り収穫・収入は増加、メンバーの工賃(給料)アップと作業所の財政安定にもつながりました。
「農作業はきついときもあるけれど、自分のためだからがんばっている。みんなで作業するのは、楽しい」とメンバーの一人は言います。耕うん機を使用する機会も増えたので、徐々にメンバー自身が操作できるようになり、今では耕うん機を使う作業はメンバーの役割になっているそうです。

能力を広げる新たな仕事を パン工房の開店

画像:パン工房

農業以外にもメンバーが特性をいかせる作業がないかと考えたぽんぽこ村では、今年7月にパン工房をオープンしました。
パン生地を器用に成形する人、レジでお客さんに笑顔で対応する人…。「メンバーの新たな能力を発揮する場ができました」と大堂さんは喜びます。

画像:ぽんぽこパン

作業所の名前を冠した“ぽんぽこパン”のほか、スライスしたジャガイモがのった“長島パン”やトマトやピーマン入りのピザパンなど、農作業班が作った野菜をふんだんに使った調理パンが好評で、パン工房は順調なスタートを切っています。

そのうちパンの移動販売もしたい、野菜だけでなく花の栽培にも挑戦したい。そしてゆくゆくは住まい(グループホーム)も確保したい…。
今は新規事業を軌道に乗せようと、メンバーも職員もてんてこ舞いの日々ですが、知的障害のある人が生まれ育った町で生活し続けられるように、将来の夢と目標を見据えて活動に励んでいます。

(2009年10月9日 記)

特定非営利活動法人 長島福祉作業所ぽんぽこ村は、第19回(平成19年度)第1部門の支援グループです。
連絡先や活動内容については、こちらをご覧ください。