NHK厚生文化事業団は、NHKの放送と一体となって、誰もが暮らしやすい社会をめざして活動する社会福祉法人です

NHK厚生文化事業団


現在位置:ホーム > わかば基金 > わかばなかま > このページ


わかばなかま

支援団体の活動リポート

みんなのセンターおむすび 「デイサービスでの活動にパソコンを活用しています」

東京都板橋区にある「みんなのセンターおむすび」は、高次脳機能障害や難病などのハンディがある人の社会参加をすすめるNPO法人です。
「わかば基金」のリサイクルパソコンを、リハビリやチラシ作りなど、デイサービスの活動の中で利用しています。

写真:デイサービスでの活動風景

区内初 中途障害者・難病者のためのデイサービス

画像:主力製品「いたばしの板箸」

『みんなのセンターおむすび』は、平成18年に発足しました。頭部の外傷や脳血管障害などで脳がダメージを受けることによって生じる高次脳機能障害や、難病などのハンディがある人の社会参加をすすめることで、福祉の街づくりに貢献するのが目的です。ハンディがある人に社会とつながる場を提供すること、イベントの開催などを通して地域との結びつきを深めること、行政・企業と連携して福祉の街づくりに向けて行動すること。「むすぶ」をキーワードに活動を展開しているのが特徴で、それが「おむすび」の名称の由来にもなっています。
デイサービスは昨年4月に開所しました。「いたばしの板箸」(右の写真。クリックすると拡大します)をはじめとした様々なオリジナル製品の製作や、畑での作業、絵画や芸能などの創作を中心に活動しています。高次脳機能障害をはじめとした中途障害者・難病者を対象としたデイサービスは区内では初めて。定期的に通うようになって生活リズムができた人、様々な活動の中からやりがいを見つけて意欲を取り戻した人も。開所当時は25人だった利用登録者は、この1年で60人に増えました。

パソコンで活動の幅を広げる

デイサービスの利用者から「パソコンをやってみたい」という声があがり、第20回「わかば基金」のリサイクルパソコンの部に申請、3台の寄贈が決まりました。

写真:寄贈パソコンを使っている様子

高次脳機能障害の症状には、最近の出来事を思い出せない、新しいことを覚えられないといった記憶障害や、物事の手順や計画をたてるのが難しい遂行機能障害などがあります。
このような症状には、パソコンの文書作成ソフトを使って、自分の体験を書き出して記憶を整理したり、表計算ソフトを使って家計簿をつけ、収支の計画を立てたりすることがリハビリになるそうです。

画像:パソコンで作成したチラシ

パソコンは、デイサービスの機関誌や挨拶状の作成、オリジナル製品の広告、イベント案内のチラシ作りにも使用されています。ほかにも、利用者の方々は、タイピングの練習をしたり、音楽ソフトの編集をしたりと、互いに教えあいながら様々なことに挑戦しています。
いずれはインターネットに接続して、おむすびのホームページを開設して情報発信をしたり、利用者のブログも始められたら・・・そんな構想も描いています。

地域を巻き込んだ活動を

写真:活動場所のある商店街

デイサービスがある場所は、駅から程近い商店街の一角。以前は喫茶店だったところで、通りに面した部分はガラス張りになっています。陳列している自主製品や掲示してあるイベント案内のチラシに目をやる通行人の姿も見られ、「通りがかって知ったのですが・・・」と、デイサービスの利用やボランティアを希望してくる人もいるそうです。
通行人からサポーターへ。より多くの人が自分たちの活動に「むすび」ついてくれてくれればと、おむすびの人々は願っています。

(2009年 7月10日 記)

特定非営利活動法人みんなのセンターおむすびは、第20回(平成20年度)第2部門の支援グループです。
連絡先や活動内容については、おむすびのホームページをご覧ください。