NHK厚生文化事業団は、NHKの放送と一体となって、誰もが暮らしやすい社会をめざして活動する社会福祉法人です

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わかばなかま

支援団体の活動リポート

精神保健福祉を考える市民の会ひらの「おいしいメロンパンの移動販売やってます」

「精神保健福祉を考える市民の会ひらの」は、精神障害のある人が住みなれた地域で安心して暮らせるように支援する大阪市のNPO法人です。
わかば基金の支援金で購入したリヤカーでメロンパンの移動販売を行い、販売先の拡大と売り上げ増加をはかっています。

写真:リヤカーでメロンパンを引き売りしている様子

住み慣れた地域で働きたい

写真:軽作業をするメンバーたち 『精神保健福祉を考える市民の会ひらの』は、平成15年に発足しました。法人の前身で平成11年に開設した作業所(現在は、地域活動支援センターに移行)オリーブ、ホームヘルプサービスやケアホームを運営しています。
「住み慣れた地域で働きたい」という利用者の希望を叶えられるよう就労支援を行っているオリーブでは、特にメール便の仕分け・配達、マンションの清掃、メロンパンの製造販売の3つの事業に力を注いでいます。その甲斐あって、以前から続けてきたメール便と清掃事業は、就職につながる人も出てきました。
しかし、昨年はじめたばかりのメロンパンの製造販売は思うように売り上げが伸びずにいました。

常連客や地域の人と考えだした販売商法とは?

売り上げを伸ばすためには、どうしたらいいだろうか? そう思い悩んでいるときに、常連客や地域の人から、この地域ならではの販売方法を考えてみては、とアドバイスがあったそうです。狭い路地が多く、長屋のある昔ながらの風景が残るこの街の中を、移動販売車のようにあちこち回って販売できたら――そこで思いついたのが、リヤカーによる引き売りでした。

写真:引き売りの終点、お寺の境内でメロンパンを販売している様子

第20回「わかば基金」では、リヤカーと焼き芋機などの購入を支援しました。焼きあがったメロンパンと焼き芋をリヤカーに載せて、引き売り開始。リヤカーを引く人とのぼりを持つ人、安全を見守る人と役割を分担、商店街を通って近くのお寺まで売り歩きます。最初は恥ずかしがっていた利用者も、やってみたら意外と楽しい、お客さんとの交流が増えたので嬉しいと、職員の予想以上に好評です。引き売りの効果か、最近はまとまった数を注文してくれる所もでき、ひと月の売り上げは以前より1割ほど増えたそうです。

写真:通行人の目をひく焼き芋機

寒い季節が過ぎたため焼き芋の引き売りは休止していますが、焼き芋機は現在も法人運営のリサイクルショップ店「SORA」前で稼動中です。焼き芋機の外見のかわいらしさと焼き芋のおいしそうなにおいにひかれて、通りすがりの人が買って行きます。操作方法が簡単なので、利用者に人気の作業です。


夏に向けて新たな商品を準備中

精神保健福祉を考える市民の会ひらのでは、市民向けの啓発講座やコンサートを開催したり、大学や専門学校での当事者による講演活動を行ったり、地域のイベントに出店したりと、精神障害のある人達への理解が進むように、地域に向けて積極的に働きかけています。
夏のイベント出店に向け、計画しているのが、ミックスジュースの製造販売です。ジュースの製造には、リヤカーや焼き芋機といっしょに支援金で購入したミキサーを使います。すでに保健所の許可がおりていて、仕入れ先の検討や製造・販売の方法、どんな果物を組み合わせて作るか、みんなで話し合っているそうです。メロンパンとのセット販売でもっと売り上げを伸ばせたら・・・。ひらの特製ミックスジュース、間もなく販売開始です。
(2009年 6月5日 記)

特定非営利活動法人精神保健福祉を考える市民の会ひらのは、第20回(平成20年度)第1部門の支援グループです。
連絡先や活動内容については、精神保健福祉を考える市民の会ひらののホームページをご覧ください。