ぷちすてっぷ「楽しみながら、発達障害のある子どもの支援グッズを作ってます」
愛媛県砥部町にある「ぷちすてっぷ」は、自閉症をはじめとした発達障害のある子どもたちの家族が中心になって発足したグループです。
講演会や勉強会などの研修・啓発活動と、相談やリフレッシュなどの家族支援に取り組んでいます。
わかば基金のリサイクルパソコンで、子どもたちを支援するグッズを作成しています。
親同士の情報交換から地域に向けた活動へ
『ぷちすてっぷ』は、障害児の通園施設に通っていた自閉症の子どもの親が中心になって、平成18年に発足しました。
地域の人に発達障害を知ってもらうための講演会や、保護者自身や支援者を対象としたスキルアップ研修会などの研修・啓発活動に力を入れています。
もうひとつ、ぷちすてっぷが大切にしているのが、家族の支援です。発達障害のある子どもの療育や学校生活などで悩む家族の相談に応じたり、子どもも家族も一緒に楽しめるイベントを開催したり、子どもから離れてほっと一息つける機会を設けるなど、心身のリフレッシュや仲間作りを促しています。
リサイクルパソコンで支援グッズ作成
ぷちすてっぷでは、研修事業の一つとして「支援グッズ作成会」を開催しています。
言語でのコミュニケーションが難しい子どものための、相手に見せれば意思を伝えられる写真入りのカード。耳で聞くよりも目で見る方が情報を理解しやすい子どものための、髪の毛を切るときの順序、電車やバスの乗り方を表にしたもの(下の写真、クリックすると拡大します)。こうした支援グッズを作るのに、「わかば基金」で贈呈したリサイクルパソコンが利用されています。パソコンに不慣れな会員が操作方法を学びながら、わが子の興味や特性にあわせて画像を選んで加工したり、表を作ります。
これまでに、20近い支援グッズを作成しました。パソコンにはさまざまな画像データや支援グッズが蓄積されつつあり、今後、そのデータやグッズを、また別のグッズ作りなどに応用できると期待が高まっています。
また、リサイクルパソコンはノート型なので、自宅に持ち帰って操作の復習をしたり、作りかけの支援グッズを仕上げたりすることもできます。普段なかなか子どもの療育に関われない父親を、うまくグッズ作り巻き込んだ家庭もあるそうです。
地域で安心して暮らし続けられるように
現在、会員の子どもの多くはまだ小学生ですが、親が亡くなった後も子ども達が安心して暮らせる場所になってほしいと願って、会員たちは地域への啓発に力を入れています。
講演会や研修に加えて、ボランティアの養成や自閉症の人に接するときのガイドブックを発行するなど、さまざまな形で地域の人にはたらきかけていて、その活動は徐々に知られるようになってきました。発足から3年、数十年後を見据えたぷちすてっぷは、ぷち=小さい、すてっぷ=一歩、というその名のとおり、少しずつ着実に活動を積み重ねています。
(2009年5月29日 記)
特定非営利活動法人ぷちすてっぷは、第20回(平成20年度)第2部門の支援グループです。
連絡先や活動内容については、ぷちすてっぷのホームページをご覧ください。