NHK厚生文化事業団は、NHKの放送と一体となって、誰もが暮らしやすい社会をめざして活動する社会福祉法人です

NHK厚生文化事業団


現在位置:ホーム > わかば基金 > わかばなかま > このページ


わかばなかま

支援団体の活動リポート

遊びの家共同保育園「紫外線に弱い子も外でのびのび遊べるよ!」

長崎県諫早市のNPO法人「遊びの家共同保育園」は、保育所(認可外)と学童保育所を運営しています。
「障害のある子もない子も、大人も子どももともに育ちあいたい」との思いから、平成3年に発足しました。
わかば基金の支援金で、園舎の周りに日除けのついた縁側を取り付け、紫外線に弱い子も強い日差しを気にせずに、外でのびのびと遊べるようになりました。

写真:遊びの家共同保育園の全景

園長先生の家で保育スタート

遊びの家共同保育園は、平成3年、障害のある子ども一人一人のペースに合わせて保育をしたい、と考えた園長の佐久間 容子さんが中心になって立ち上げました。当初は、佐久間さんの自宅を園舎として利用していました。その2年後に、民家を改築した現在の園舎に移転。みかんの山々に囲まれ、目の前には棚田が広がり、近くの川にはホタルが飛び交う、自然豊かな場所です。
2009年4月現在、保育園は27人、学童保育は14人が利用しています。発足当初から、「障害のある子もない子もいっしょに育ちあう」をモットーにしていて、障害のある子どものほか、アレルギーやアトピー性皮膚炎がある子、大きな集団になじめずに不登園になった子など、様々な生きづらさを抱える子どもたちがいます。

のびのび遊べる環境を

写真:心地よい風に吹かれながら紙芝居をみる園児たち 写真:縁側に寝そべる園児たち

遊びの家共同保育園が平成20年度(第20回)わかば基金に申請したのは、アトピー性皮膚炎や光に過敏な子どもたちが、紫外線を気にせずに遊べる環境を整えるためでした。
支援金で、園舎を囲むように縁側を取り付け、屋根から日除けのテント布を張りました。その後、雨風への耐久性を高めるために、他団体の助成を得て屋根を設置。天候に左右されずにのびのびと遊べるスペースが完成しました。
「認可外の保育施設なので行政の補助はほとんどなく、保育環境を整えるだけの経済的な余裕がありませんでした。縁側のおかげで、紫外線も雨も気にせずに遊ばせることができるようになり、いつも子どもたちの明るい声が聞こえてきます」と、佐久間園長は嬉しそうに語ってくれました。

地域と人に育まれて

写真:縁側で近所の高齢者と園児が一緒にお昼ごはん

地域の高齢者を招いて一緒にお昼を食べたり、ついた餅を近隣の人に配ったり、学習会を開くなど、遊びの家共同保育園では地域との交流も大切にしています。地域の人も、お散歩中に声をかけたり、みかんをお土産にもたせてくれたりと、子どもたちを気にかけてくれるようになっています。
発足からもうすぐ20年、職員と保護者が一丸となって育ててきた園児の中には、保育士や学童保育のスタッフとして戻ってきた人もいるそうです。
様々な人と関わり、見守られながら、子どもも大人も園も成長しています。
(2009年4月20日 記)

特定非営利活動法人遊びの家共同保育園は、第20回(平成20年度)第1部門の支援グループです。
連絡先や活動内容については、遊びの家共同保育園のホームページをご覧ください。