パートナーシステムちば「マンガで紹介、障害のある人のエピソード」
千葉市の「パートナーシステムちば」は、障害がある人の支援者を増やすために様々な活動をしています。
わかば基金の支援金を活用して、重い知的障害がある人の様々なエピソードをマンガで描いた冊子を発行、「障害の特性が分かりやすい」「親しみを感じる」と好評です。
活動テーマは「支援者づくり」
"本人たちが、施設ではなく、地域で普通に暮らせるように"――という思いで、家族や地域住民が平成14年に立ち上げたのが、「パートナーシステムちば」です。障害のある人が地域で普通に暮らすためには、家族や福祉関係者だけでなく、地域の人の理解と支援が必要です。会では、「本人たちの周りに、様々な形の支援者をたくさん作ること」をテーマに、様々な活動をしています。
外出を通して支援者育成
地域の人に、障害のある人と外出してもらう「ビーフレンズ」活動も、支援者を育てる活動のひとつです。
この日の行き先はショッピングモール。障害のある人と学生のボランティアが一緒にお店をみて回ったり、食事をしたり。その様子は友達同士のようです。
「初めてのボランティアだと、障害のある人のペースに振り回されたり、逆に不安がらせてしまうこともあります。でも外出先ではほかに頼る人がいないですから、お互いに相手を理解しようと必死になります。これが互いの成長につながっているのです」と、活動に同行して様子を見守るリーダーの菊地 理香さんは言います。ボランティアの中には仲良くなった障害のある人の家を訪ねる人もいるそうで、ごく自然な関係が築かれています。
マンガ冊子で理解を広げる
パートナーシステムちばでは、マンガ通信「大好き!」を発行しています。
障害のある人の特性を分かりやすく伝え、障害のある人を身近に感じてもらう狙いです。
自分の嫌いなものを家族のお皿にぽいっと移したり、肩たたき券に書かれた「5回」の文字通りに肩を5回しかたたいてくれなかったり。マンガ通信には、そんな日常がユーモラスに描かれています。
わかば基金では、マンガ通信に載せきれない数々の4こまマンガと、マンガで描ききれない思い(作文)を盛り込んだ冊子の発行を支援しました。4こまマンガはあたたかみのあるイラストでシンプルに構成されていて、誰にでも読みやすいものに仕上がっています。
地域の社会福祉協議会や福祉事務所、保健センター、幼稚園・小学校などに配付し、冊子を読んだ人からは、「一人一人の個性に触れることができた」「障害があってもその人らしく生活していることが分かった」などの感想が寄せられています。
支援者を育成したり、障害特性を理解してもらう活動は、すぐに結果が出るものではありません。「活動するうちに、いつの間にか地域のだれもが支援者になっていた、というのが理想ですね」と、代表の梶川 千晴さんは言います。重い障害がある人も生き生きと生活している地域をめざして、地道に活動を続けています。
(2009年1月16日 記)
パートナーシステムちばは、第19回(平成19年度)第1部門の支援グループです。
連絡先や活動内容については、こちらをご覧ください。