TOY工房どんぐり「手作りおもちゃで楽しんで!」
東京都世田谷区の「TOY工房どんぐり」は、布のおもちゃを手作りしているグループです。これまでに製作したおもちゃは100種類以上。楽しく遊びながらリハビリや学習もできると好評です。
わかば基金の支援金で、人気の「さかなつりゲーム」のデラックス版を製作して児童館に提供、多くの子ども達に楽しまれています。
布おもちゃを作って25年
材質・手触り・安全性にこだわった布のおもちゃは、すべて手作り。週3日、ミシンや裁縫道具、型紙や布地を机いっぱいに広げて、メンバーが製作にあたります。デザインする人、布地を裁つ人、ミシンをかける人、手で縫い合わせていく人と、それぞれに分担して作業を進めます。おしゃべりしながらも、手は片時も休めずに様々なパーツを仕上げていきます。
完成までに多少時間はかかりますが、要望に応じて色や大きさを変えたりとアレンジできるのが手作りならではの魅力です。
TOY工房どんぐりは1983年、同時期にできたおもちゃ図書館で貸し出すおもちゃを作ったり、区内の障害児学級におもちゃを贈ることから活動を始めました。贈り先の先生から意見を聞く機会が増え、障害のある子どもをもつ人がメンバーに加わったことで、障害のある子どもが利用するおもちゃとしての完成度が上がっていき、注文を受けてオリジナルのおもちゃを実費で製作するようになりました。
そのおもちゃの良さが認められて、世田谷区内の保育園や幼稚園、小・中学校の特別支援学級などで使われています。
製作に作業所も協力
数あるおもちゃの中でも人気なのが「さかなつりゲーム」です。マジックテープのついた竿で、魚を釣り上げて遊びます。
この魚の製作にあたっては、型抜きの会社や世田谷区にある障害者の作業所が協力しています。
縫い合わせてある魚の形の布に鈴を入れながら綿を詰めるのが、障害のある人たちが行う作業です。障害のある子どもにおもちゃを製作し提供するだけでなく、その製作に障害者の協力を仰ぐのが、どんぐりならではの活動スタイルです。
標準版は魚20匹、竿4本、直径90センチの海がセットになっていますが、わかば基金では、100匹の魚が泳ぐ「デラックス版」の製作を支援しました。標準版の2倍以上もある海に背景まで付いた完成品は、区内の児童館に設置され、現在も多くの子どもたちに楽しまれています。また、たくさんの魚の製作作業に関わった作業所からは、楽しい仕事が得られたと喜ばれました。
外国のこどもたちも大喜び
「注文を受けておもちゃを作るだけでなく、活用してもらえるところに贈ろう」と考えたどんぐりは、助成団体の支援を得て海外へおもちゃを寄贈する活動もしてきました。触り心地がよく温もりあふれる布おもちゃは、戦禍に遭った子どもたちの心のケアにも役立つと喜ばれました。
設立25周年の節目にあたり、どんぐりではホームページを開設しました。
多くの人に興味を持ってほしい、活動に参加してほしい。
ホームページの開設を機に、活動の新たな展開が期待されます。
(2008年10月20日 記)
TOY工房どんぐりは、第16回(平成16年度)の支援グループです。
連絡先や活動内容については、どんぐりのホームページをご覧ください。