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わかばなかま

支援団体の活動リポート

ミックスジュース「みんなで演奏するって楽しいな!」

徳島県徳島市の「ミックスジュース」は、障害のある子どもたちの音楽サークルです。わかば基金の支援金でスイッチやおもちゃを購入、楽器と組み合わせることで、重い障害があっても演奏ができるようになりました。
子どもたちは自分の力で演奏を楽しんでいます。

写真:工夫して作った楽器で演奏するミックスジュースのメンバー

ミックスジュースができるまで

子どもたちに、みんなで演奏する楽しさを味わってほしい。そして、継続的に練習をすることで、協力しあうことの大切さややり遂げたときの達成感を感じてほしい。そうした願いから、平成8年、心身障害児者家族の会「にんじんの会」の中に、音楽サークル「ミックスジュース」が発足しました。
月に1回、公共の施設を借りて、和気あいあいと音楽を楽しんでいます。

「自分で演奏できる楽器」を製作

現在のメンバーは23人、障害の種別や程度、年齢はさまざまです。
障害が重い子の場合、楽器を持つ手を介助者が支えることもありました。そのため、介助者は「自分が楽器を鳴らしている、子どもは本当に楽しめているのだろうか…」と感じることもあったそうです。こうした障害の重い子でも自分で演奏できるようにするためには、演奏方法に工夫が必要です。ミックスジュースでは、スイッチやおもちゃと楽器を組み合わせて、子どもたちひとりひとりに演奏しやすい楽器を作りました。

写真:木琴の前のおもちゃが木琴を鳴らす

左の写真は、木琴を演奏する様子です。腕に力がなくてバチを持てない子どものために、指先のわずかな動きに反応するスイッチを用意しました。スイッチを押すと、木琴のそばに置いたおもちゃが動いて木琴を慣らしてくれる仕組みです。自分が鳴らしたいタイミングで音を鳴らすことが出来るようになりました。


写真:サウンドブロック。真ん中のおもちゃが回って、鉄琴の板をたたく

右の写真は、サウンドブロック(バラバラにできる鉄琴のような楽器)です。おもちゃを中心に鉄琴の板を囲むように並べました。スイッチを押すとおもちゃがぐるぐる回って、鉄琴を鳴らします。タイマーを使うことで、スイッチを押し続ける力がなくても、あらかじめ設定した時間だけ楽器を鳴らし続けることができます。

わかば基金では、こうした楽器と、楽器を鳴らすためのスイッチやおもちゃの購入を支援しました。自分の力で演奏できる楽器が揃い、また楽器の種類が増えたことで、子どもたちのやる気がアップ!演奏する機会も増えて、舞台で堂々と演奏する成長ぶりが見られるようになりました。

演奏する子も、聴く人も、みんなが楽しめる演奏を

写真:地域の文化祭で演奏を披露するミックスジュースのメンバー

「上手な演奏でなくてもいい。みんなが楽しく主体的に演奏する。それが演奏する子たちを、聞く人たちを楽しくする」というサークルの理念のもとに活動を続けてきたミックスジュースのメンバーたち。
お母さんの1人は、「娘は手が自由に動かないけれど、スイッチを押してトライアングルや木琴を鳴らして、笑顔いっぱいで演奏に参加しています」と話してくれました。
今年も、地域の文化祭や「にんじんの会」のクリスマス会で演奏を披露する予定で、メンバーは本番に向けて練習に励んでいます。

(2008年10月16日 記)

ミックスジュースは、第12回(平成12年度)の支援グループです。
名称:徳島県肢体不自由児協会徳島支部 心身障害児者家族の会「にんじんの会」音楽サークル「ミックスジュース」
住所:徳島県徳島市新蔵町3-80 徳島県東部保健福祉局(徳島保健所)健康増進担当内
電話:088-602-8904(直通)
活動内容:障害のある子どもの音楽活動・演奏会の開催など