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わかばなかま

支援団体の活動リポート

ほっと館「名刺印刷ならお任せください!」

鹿児島県喜界町の小規模作業所「ほっと館」は、喜界島で唯一の、精神障害のある人たちの作業所です。
主な仕事は、わかば基金の支援金で購入した名刺用印刷機を活用した名刺作り。島民からの注文を一手に請け負っています。

写真:「ほっと館」の前にスタッフが並ぶ

島で唯一の作業所の誕生

写真:出来上がった名刺をチェックするメンバーたち

喜界島は、鹿児島県と沖縄県の中間にある奄美大島本島の東隣に位置する、人口約8200の島です。島には精神科のある病院がなく、月に1回、奄美大島本島からの出張診療が行われています。入院したり、緊急に受診する場合には、フェリーで2時間以上かけて本島の病院へ行かなければなりません。
小規模作業所「ほっと館」は、喜界町精神障害者家族会「ゴマの会」によって2002年8月に設立されました。退院して帰島した人たちが、仕事を通して社会参加する場の誕生です。通所してくる人は1日平均13人。地域で生活する精神障害のある人にとって、かけがえのない場となっています。

島で唯一の名刺印刷所

写真:わかば基金で購入した名刺印刷機

ほっと館のいちばんの資金源となる作業は、名刺作りです。
島には印刷所がないので、名刺印刷ができるのはほっと館だけ。異動のシーズンになると、注文が次々と舞い込み、メンバーは名刺作りに追われます。
この作業に欠かせない名刺用印刷機は、5年前にわかば基金の支援で購入したものです。以前は家庭用のプリンターで印刷していたので、水にぬれるとインクがにじんでしまっていましたが、名刺用印刷機を使うことでその欠点が解消、台風や突然の降雨にも耐えうる名刺が作れるようになりました。

写真:ほっと館で作った名刺。オオゴマダラの写真がプリントされている 喜界島が北限とされ、島の保護蝶に指定されている「オオゴマダラ」をプリントしたり、裏面に島の地形図を入れるなど、喜界島をPRするオリジナルの名刺を作成しています。町役場の職員をはじめ、多くの島民に利用されています。

地域の人に支えられて

設立から6年、ほっと館の活動は地域に浸透し、周囲の協力が得られるようになりました。作業所の製品のひとつ、ゴキブリ駆除用のホウ酸団子を婦人会が定期的に購入してくれたり、アルミ缶を回収していることを知って持ってきてくれる人がいたり。障子の張り替えや草刈りなどの作業も、地域の人々に喜ばれています。
いっそうの理解が得られるよう、メンバーは海岸の清掃作業のボランティア活動をしたり、イベントに出店して活動を紹介するパネルを展示するなどの努力をしています。

現在、ほっと館に通う精神障害のある人たちの年齢は30〜50代。ご家族の中には、自分たちがいなくなった後の心配を口にする人も出てきました。いつまでも地域で安心して暮らし続けたい…みんなの願いはグループホームの設立です。

(2008年9月8日 記)

ほっと館は、第15回(平成15年度)の支援グループです。
名称:喜界町精神障害者家族会「ゴマの会」小規模作業所「ほっと館」
住所:鹿児島県大島郡喜界町赤連67
電話:0997-65-4511
活動内容:精神障害者の社会参加支援、生活支援