トトロ「誰でも楽しめる映画会をめざしています」
京都府の「宇治市字幕つけサークル“トトロ”」では、3月に「バリアフリー映画会」をおこないました。字幕制作に、わかば基金の支援で購入した機器が活躍しています。
感動を一緒に味わいたい
「私も心から映画を楽しんでみたい・・・」。聴覚障害のある仲間の一言がきっかけで、平成5年、『宇治市字幕つけサークル“トトロ”』が発足しました。毎年、「ナビイの恋」「雨あがる」「かもめ食堂」「しゃべれども しゃべれども」と、話題作に字幕をつけて上映。聴覚障害のある人と、映画のすばらしい感動を一緒に味わいたいと、10人ほどのメンバーで活動を続けてきました。
字幕制作に3か月
字幕づけには、『わかば基金』支援金で購入したノート型パソコンと液晶プロジェクターをフル稼働させます。 まず映画の台本からせりふを抜き出し、パソコンに入力します。読みやすいように、字幕の文字の形や、色を検討します。時には、せりふを思い切って要約することもあります。 次に字幕をプロジェクターで映画の横に映し出し、聴覚障害のあるメンバーの意見を聞きながら、雰囲気が出ているか、読みやすいか、チェックします。鳥の声、水の音、風のざわめきなどの擬音をどこまで入れるかが腕の見せ所。一つの映画字幕が完成するまで3か月かかるそうです。
高齢者にも人気
映画会は毎年3月に開催しています。今年で10回目。最新作「しゃべれども しゃべれども」には600人の観客がつめかけました。代表の石井 寿子(ひさこ)さんは、「最近は、聞こえづらくなってきた高齢の皆さんにも、字幕をつけたものの上映は大変喜ばれています」と話しています。高齢化が進む中、「トトロの活動」への期待が、ますます高まりそうです。
(2008年4月5日 記)
宇治市字幕つけサークル“トトロ”は、第18回(平成18年度)の支援グループです。
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