維持会員のみなさま。メルマガ「ハーツ・レター」編集部です。東日本大震災から10年。今、地震による津波が想定される地域で、お年寄りから「みんなの足手まといになりたくない」「津波が来たら、自分はそれで死ぬからもういいんだ」といった言葉が聞かれることがあるそうです。「そんなお年寄りを、防災行動へ導くにはどうしたらよいのか。解決できるのは、専門家でもコンクリートでもありません」と語るのは、慶應義塾大学の地震学者・大木聖子准教授。では、何が防災行動へ導くのか。高知県土佐清水市では、ある子どもが手紙を書いたそうです。「おじいちゃん、地震が来たら高いところに逃げて」「おじいちゃんが助かってくれたら、私はうれしい」と。大木先生は「手紙を受け取ったお年寄りは、きっとこの子のために一生懸命、高台へ登るでしょう。こうした発想の、ソフトウェアの充実が超高齢社会を防災行動に導くカギとなります」とおっしゃっていました。「障害や病気の有無、年齢、性別、国籍にかかわらず、みんなで助かるインクルーシブ防災」を考えていくための知恵は、身近なところにもあることを教えていただきました。大木先生へのインタビューは、書き起こして、近々、維持会員のみなさまにもお届けする予定です。
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