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わかばなかま

支援団体の活動リポート

福島こども保養プロジェクト@練馬「福島の子どもたちに、自然の中で思いっきり遊んでほしい」

東京都練馬区の「福島こども保養プロジェクト@練馬」は、福島に暮らす子どもたちに自然の中で思いっきり遊んでほしいと夏を中心に保養キャンプを開催している団体です。
子どもたちに安全な川遊びの機会を提供するため、2013年の第25回「わかば基金」の支援を受けてゴムボートやライフジャケットなどを購入しました。

夏の川遊び、最高!

「水が冷たくって気持ちいい」。
「魚取れた!」。
「ボート、楽しい!」。

8月の陽光が降り注ぐ河原に子どもたちの歓声が響きます。ここは埼玉・飯能市の中山間地にある河原。川遊びをしているのは、福島・いわき市で暮らす0歳から8歳の子ども11人と6人の保護者たちです。子どもたちは大学生や高校生のボランティアと一緒に川に入ったり、ボートに乗ったり、魚やカニを探したりと、川遊びに夢中です。お母さんたちも子どもと一緒になって水遊びを楽しんでいます。

2人の子どもと初めて参加したという母親は、「私が子どもの頃には川でよく遊んだし、子どもにも体験させてあげたいんですけど、震災後は山や川など自然が多いところは行かないようにしていて・・・。キャンプでは自然の中で虫取りしたり、土いじりしたり、自然をおもいっきり体験できるのがいいですよね。何より私も、川遊び満喫してます」と笑顔です。

2回目の参加という3児の母親は、「子どもに今年も川遊びできるよって伝えたら、『やったー』って大喜びだったんです。前回の楽しさを忘れられないんですよね」と目を細めます。

安全で楽しい川遊びの機会を

キャンプは4泊5日の日程で行われ、流しそうめんや楽器遊び、花火やキャンプファイヤーなどの企画が盛りだくさん。保護者にマッサージを施す時間もあります。「でも、一番の人気はなんと言っても川遊び」と代表理事の竹内 尚代さんは言います。

そんな川遊びですが、すべって流されたり、急に深くなるところがあったり、危険と隣り合わせでもあります。子どもが楽しみにしている川遊びをより安全に充実したものにしたいと考えていた竹内さんたち。そんなときにわかば基金を知り申請、支援が決まり、ゴムボートやライフジャケットなどをそろえました。

竹内さんは、「キャンプは寄付金と助成金でまかなってきたんですが、備品をそろえる余裕はなかったんです。だから支援が決まって本当に助かってます。見てください、子どもたちのあの笑顔。これまでも子ども一人一人に大人がちゃんと付いて安全には十分気を付けていましたが、ライフジャケットのおかげでさらに安全を確保できるようになりました。だからこそ子どもたちに思いっきり遊んでもらえるんですよ」と話します。

きっかけは、福島での原発事故

「福島こども保養プロジェクト@練馬」が保養キャンプを始めたのは2011年の夏からです。東日本大震災での原発事故がきっかけでした。福島の子どもたちが外で遊べないという状況を何とかしたいと練馬区で共同保育に携わっていた親仲間が一念発起。チェルノブイリ原発事故のときにベラルーシの子どもたちを練馬区に招いたことをヒントに、毎年春や夏に福島県内外の子どもとその家族を埼玉に招いてのキャンプを始めたのです。

竹内さんは、「たった数日間でも、福島の人たちに放射線量の低い場所で過ごしてもらうことが、安らぎにつながることが分かったんです。ちょっとでも外にでることが心身のリフレッシュにもなるんですよね」と言います。

一人じゃないって伝えたい

震災直後は保養キャンプを実施する団体は数多くありましたが、4年がたち市民からの寄付が減るなど、苦労している団体も増えてきているそうです。そうした中で「福島こども保養プロジェクト@練馬」が大切にしているのは活動の継続と家族・親戚のような関係づくりです。

初めて参加した2児の母親は、「キャンプに参加する前は、人に迷惑をかけちゃいけないって思ってたんです。でもスタッフやボランティアや他のお母さんたちの温かみに触れて、お世話になっていい、甘えてもいいんだって気付かせてもらえました」と気持ちの変化を話されました。

竹内さんは、「福島の人たちには一人じゃないって感じてもらいたいです。今年は若い人を中心に100人ものボランティアが参加しました。そうした人たちとキャンプをきっかけにつながれたんだから、積極的に外へでるチャンスを増やしてほしいし、その気持ちや行動を支えたい。そのために昨年、練馬区に宿泊できる『保養ハウス』も用意しました。福島の人たちにとって、私たちのいる場所がもうひとつのふるさとになれたらいいなと思うんです。だからこそ活動は続けなくてはいけないんです。ずっと支えていきたいです」と力を込めて話してくれました。
(2015 年8月26日記)

「NPO法人福島こども保養プロジェクト@練馬」は、第25回(平成25年度)東日本大震災被災地支援金部門の支援グループです。 連絡先や活動内容については、福島こども保養プロジェクト@練馬のfacebookをご覧ください。