当事者が語る、認知症(4)
「認知症を話し合える関係」を考える
講師:佐藤 美穂
医師から告知を受けて3年以上経つ佐藤さんは、いまでも夫以外の周囲の人には認知症のことを公表していません。佐藤さんは言います。
「TVとか書籍の認知症像って、介護が大変ってことばかり。そういう映像を見た時に、よく人が言う言葉に傷つくんですよ。『ああいう風には、なりたくない』って。たぶん、自分も今までそう言ってたんだと思う。…だから、なお言えないんですよね」
唯一知っている夫とは、告知の後、これからふたり、どう生きていけばいいか、どう助け合っていけばいいのかを話し合えなかった。どう話していいのか分からなかった。そんな佐藤さんの試行錯誤を聞きながら、皆さん自身なら、認知症について誰と何を話したいか、告知の後どう人間関係をつくっていくか、考えてみませんか。
開催報告
佐藤さんが診断されたのは3年前。それから、夫と、ごく親しい友人にしか認知症であることを伝えていません。というのも今のところ何でもできるので、告知する意味が見つからないからだそうです。現状では偏見や無理解ばかり。それは初期の認知症の人が何を考えているのかといった情報がまったくないからだといいます。
そんな現状であるため、唯一すべてを話しているご主人からもなかなか理解をされず、けんかが絶えないそうです。病気やけがだと優しく看病してくれるのに認知症でしんどいといっても、分かってくれない。けんかをしながら、自分の思いやお願いごとを伝えていったことで、少しずつ理解されるようになってきたといいます。
最後に医者に対して、「告知の仕方は何とかしてほしい」と訴えました。診断名を伝えるだけでなく、患者の気持ちを考えて、ケアの仕方とかもう少し具体的なことを教えてほしいと要望しました。
- 日時
- 9月25日(木曜日) 18:30〜20:00
- 会場
- 渋谷区勤労福祉会館 2階 第二会議室
東京都渋谷区神南1-19-8[地図をみる] - 定員
- 50名 ※定員に達し次第締め切らせていただきます
- 参加費
- 無料
- その他
- お申し込みを受け付けた方には自動返信メールを送ります。それをもって受付完了とさせていただきます。
- 登壇者に45分程度お話をしていただいた後、休憩をはさみ、30分程度、皆さまの意見・感想を交換できる時間を設ける予定です。
- 会場内の撮影、録音はご遠慮ください。
- 主催
- NHK厚生文化事業団