当事者が語る、認知症(3)
人から見えにくい初期の生きづらさ
講師:藤田 和子
「〇〇さんは、最近よう忘れるようになってしまって、よくないよねぇ」
「今は、あれは誰でもなるんだって。40代、50代でも診てもらわんといかんわ」
街中で耳にした会話ですが、今やこのような会話は日常のひとコマになっています。
では、改めて「認知症ってどんなん?」と考えてみてください。「ご飯を食べたこと自体を忘れてしまう」「今やったことを忘れてしまう」そんなイメージなのではないでしょうか?
アルツハイマー型認知症と診断された藤田さんは、いわゆるステレオタイプなイメージとは全く違う、人からは見えにくい初期の生きづらさがあるといいます。皆さんの中にも、皆さんの身近な人にも、実は同じような悩みを抱えている人がいるかもしれません。参加する一人ひとりが自分のこととして認知症を考える、そんな時間にしたいと考えています。
開催報告
藤田さんは7年前に認知症と診断されました。きっかけとなったのは「コーヒーゼリー事件」。冷蔵庫を開けると、デザートにとってあったはずのコーヒーゼリーがない。娘に「あんた食べたんでしょう」と聞くと、「えー、お母さん思い出してよ」と。言われると自分が食べている姿は頭に思い浮かぶ。でも、いつ食べたのかはっきりとは思い出せないという状況だったといいます。
一般的な認知症の人のイメージと違って、たいていのことは自分でできるので、「あなた本当に認知症?」といわれるが、周りからは理解されづらい苦労もたくさんあるといいます。たとえば外出先で道に迷いそうになる、実際には迷わなくても、「迷子になってしまうんじゃないか」と子どもが感じるような不安感を常にもって外出していると、その一例を話しました。
後半は参加者が5つのグループに分かれ、「友人から認知症と診断されたと告白されたらどうする?」をテーマに話し合いました。「まずは告白してくれた勇気を受け止め、そこから、何ができないか、何が必要かを一緒に考えていくことが大切」「『認知症の人』ではなく、これまでどおりの友人として前向きに考えていく」などの意見が出ました。
- 日時
- 9月18日(木曜日) 18:30〜20:00
- 会場
- 渋谷区勤労福祉会館 2階 第二会議室
東京都渋谷区神南1-19-8[地図をみる] - 定員
- 50名 ※定員に達し次第締め切らせていただきます
- 参加費
- 無料
- その他
- お申し込みを受け付けた方には自動返信メールを送ります。それをもって受付完了とさせていただきます。
- 登壇者に45分程度お話をしていただいた後、休憩をはさみ、30分程度、皆さまの意見・感想を交換できる時間を設ける予定です。
- 会場内の撮影、録音はご遠慮ください。
- 主催
- NHK厚生文化事業団