会社や学校帰りにお茶を飲みながら、現代社会が抱える様々な福祉の問題について考えてみませんか?

現在位置:

“福祉のすきま”を仕事にする(1)

ワンコインの子育てシェアで社会を変えたい!

講師:甲田 恵子さん 株式会社AsMama 代表

働く親たちにとって、いざという時に子どもを預けられる先があるかどうかは切実な問題。
わらにもすがる気持ちでインターネットで見つけたベビーシッターは安心して預けられる相手なのか、不安はつきません。
甲田さんが取り組んでいるのは、1時間500円の利用料金で近所の親同士で支え合う「子育てシェア」というシステム。「気軽で安心で気を遣わずに頼める」と好評です。2013年から始まり、現在の登録者は東京・横浜を中心にすでにおよそ1万人。働く親たちの支持を集めて広がり続けています。
女性の社会進出が声高に叫ばれていますが、子育てしながら安心して働ける社会はまだまだ出来ていません。私たちはどんな社会を作っていったら良いのでしょうか。
「子育てシェア」の取り組みをヒントに甲田さんと考えます。

開催の報告

甲田さんは、子どもにも恵まれ仕事も順風満帆だった2009年、突然のリストラにあいました。その後、職業訓練校に通い始めたのですが、そこには子どもが生まれたために仕事を辞めざるを得なくなった女性たちがたくさんいたそうです。甲田さん自身も仕事ばかりで子どもにかまってあげられなかったことや、子どもが体調を崩して保育園からの急な呼び出しで早退したり、仕事を休んだり…。子育ても仕事も中途半端になってしまうことを悩んでいたそうです。いつも『子どもを安心して預けられる仕組みがあれば・・・』。この思いは職業訓練校で知り合った女性たちも同じだったそうです。
甲田さんは一念発起して会社を興します。そして生まれたのが「子育てシェア」です。

「子育てシェア」は、「子どもが家の鍵を忘れてしまって家に入れない」、「保育園の迎えに間に合わない」といった急なときや、「美容院に行きたいけどちょっと預かってほしい」などお母さんたちがちょっと時間を作りたいときなどに、インターネットのAsMamaのサイトに「助けて」と声を上げると、近所の顔見知りの人たちが1時間500円の利用料金で助けてくれるシステムです。
甲田さんがこだわったのは「親子の安心感」です。そのため、「子育てシェア」を利用登録する前には必ずAsMamaが開くイベントや集会に参加してもらい、近所の顔見知りを作る段階を踏むそうです。
知っている人であれば、親にとっては心強いし、子どもも知り合いのもとだと自然と笑みがこぼれてくるそうです。

甲田さんは「『子育てシェア』は働く親たちのセーフィティーネットの1つになります。また『子育てシェア』を経験した人たちが増えて、成長していけば、介護や教育など様々な分野の共助につながるものになりえます」と話しました。

甲田さんのお話のあとは、質疑応答に加えて、参加者全員で「自分ならどうやってこの取り組みを広げたり、さらに良いものに出来るか」について考えあい、発表しました。 ITの会社で働いている方は、自分のノウハウを生かしたり、派遣社員の方は女性の多い職場で広めてゆくなど、みなさんがそれぞれの立場で「自分のこと」として考えて話してくれました。

参加した皆さんからは「子どもが小さいときに『子育てシェア』があれば良かった」、「面白い仕組み。今後、何らかの形で貢献してみたい」などの感想が寄せられました。

日時
7月10日(木曜日) 18:30〜20:00
会場
渋谷区勤労福祉会館 2階 第一会議室
東京都渋谷区神南1-19-8[地図をみる
定員
80名 ※定員に達し次第締め切らせていただきます
参加費
無料
その他
  • お申し込みを受け付けた方には自動返信メールを送ります。それをもって受付完了とさせていただきます。
  • 登壇者に1時間程度お話をしていただいた後、30分程度、皆さまの意見・感想を交換できる時間を設ける予定です。
  • 会場内の撮影、録音はご遠慮ください。
主催
NHK厚生文化事業団