福祉への関心は、時代とともに変化し多様化しています。そうした新たなニーズに応え、事業団は「認知症」や「LGBT(性同一性障害など)」「境界性パーソナリティ障害」などをテーマに各地でフォーラムを開きました。中でも関心の高まっている「認知症」については、認知症の知識や家族介護の基礎知識を提供するだけでなく、当事者活動の先進地イギリスのスコットランドから講師を招いて東京と大阪でフォーラムを開催し、目指すべき認知症施策や社会の在り方を、番組と連動して広く伝えました。
また、教室サイズの会場で連続してミニ講演会を開く「ハートカフェ」を開催しました。「罪を犯した障害者」や「摂食障害」などの新しいテーマを機動的に取り上げ、講師と参加者の活発な質疑も行い、当事者や関係者への理解と支援を促しました。
パラリンピック選手を小学校に派遣して子どもたちと交流するイベントを行い、2020年のパラリンピック東京大会に向けて障害者への理解促進につなげました。
最新の福祉情報を必要な人に届けるため、放送した福祉番組などのビデオを貸し出す「福祉ビデオライブラリー」を継続して実施。事業団が独自に福祉教材のDVDを作成する事業も継続し、これにもたくさんの方から貸し出しの希望がありました。
被災から5年を迎える東日本大震災の復興に向けた取り組みも積極的に行いました。
その中心は「わかば基金」です。基金の中に東日本大震災復興支援部門を作り、現地の福祉活動を資金面から後押しする事業を継続しました。
このようにNHK厚生文化事業団は27年度、NHKの放送と連携し多様な福祉事業を実施しました。
「依存症」の最新情報を盛り込んだDVD教材をもとに、当事者への理解と支援についてフォーラムを実施したほか、「LGBT」や「境界性パーソナリティ障害」のフォーラム、ミニ講演会「ハートカフェ」を行い、多様な福祉課題に応えました。また、「パラリンピアンと子どもたちの交流教室」や「NHKハート展」には多くの参加がありました。
全国で高齢者の健康や生き方についてイベントを行ったほか、認知症については全国8か所でフォーラムを実施し、NHKの番組でその内容を放送するなど、多角的な情報提供を行いました。
「福祉ビデオライブラリー」では、「依存症」「発達障害」「認知症」など、事業団制作教材の貸出数が増加しました。またホームページでフォーラムや福祉イベントの内容をわかりやすい記事にし、参加できなかった人たちへ情報を届けることにも努めました。
地域の福祉団体を応援する「わかば基金」で、東日本大震災の被災者や復興のために活動するグループへの支援に力を注ぎました。
必要な規程等の見直し・整備を実施し、適正経理のより一層の推進を図りました。
大阪、名古屋、福岡において、ことばや発達の遅れた子どもとその親の相談会を15回実施した。知的や言語の発達のおくれ、自閉症、LD(学習障害)やADHD(注意欠如多動性障害)の子どもの相談が多かった。
発達に遅れのある子どもたちが、例年夏休みに愛知県豊田市の自然の中で集団生活を体験する「やまびこキャンプ」は、前年、台風のため中止したが、27年度は予定通り実施。
肢体不自由児・者の療育キャンプを、支援団体との共催・協力により、各地で実施した。夏季、冬季の野外活動を通じて、参加者の自立と社会参加を促進し、あわせて交流の輪を広げた。
福祉現場の最前線に立つ人や障害当事者がいま課題となっているテーマを取り上げ、あるべき社会の在り方を参加者とともに考えた。気軽に参加できる小さな規模な講演会で、講師と参加者が話し合う時間を多く設けて、双方向性と交流のある場とした。26年度からスタートした事業で、好評でニーズのあるテーマについては、より大きな会場で実施するNHKハートフォーラムに発展させた。
カフェはすべて渋谷区勤労福祉会館で実施した。
自閉症やLD(学習障害)、ADHD(注意欠如多動性障害)などについて、NHKの地域放送局や「親の会」などと共催し、NHKハートフォーラムを8回開催した。
27年度は、関心の高い「学齢期の教育支援」や「就労」をめぐる問題を数多くとりあげた。保護者のほか、特別支援教育を推進する教員や、行政関係者も多数参加した。
再発率が高く深刻な社会問題となっているアルコールや薬物、ギャンブルなどの依存症。その基礎理解と支援の取り組みを事業団が取材・制作したDVD教材「依存症からの回復」の映像を使いながら、回復に向けた最新情報を伝えた。
20人に1人の割合でいるといわれるLGBT(性同一性障害など)。当事者がどのような状況におかれ、どのような生きづらを感じているのかを当事者、研究者などのパネルディスカッション形式で最新情報を提供し、理解を深めた。
近年、10代から30代の若い人のうつや摂食障害などに「境界性パーソナリティ障害」が多くひそんでいることがわかってきた。医師と当事者の話から、この障害への正しい理解と、本人と家族の豊かな人生を築いていく方途を考えた。
NHKの放送
がん医療が進歩する中、完治を目指す治療の一方で、さまざまな痛みをできるだけ減らしていく治療やケアが始まっている。最新の医療情報とともに、本人に寄り添う支援のありようについて、医療従事者や当事者が話し合った。
NHKの放送
2020年の東京オリンピック・パラリンピックをひかえ、パラリンピックで活躍した選手が小学校を訪問し、子どもたちと障害者スポーツを楽しみ交流する「パラリンピアンがやってきた」を実施した。選手が障害者スポーツの魅力や自らの障害や夢を語り、子ども達と一緒に競技をしたり、質問に答えるなどして、子どもたちに障害への理解を深めてもらった。
知的障害のある人のスポーツ競技会。重度の障害者が参加できる全国でも数少ないスポーツ大会で、東京都障害者スポーツ協会と協力して開催した。参加者は、100メートル競争、大玉ころがし、綱引き、リレーなどを行った
障害のある人もない人も一緒になって障害者スポーツを楽しんだ。
東京のNHK放送センターで、福祉施設で作られたお菓子の販売会を6回開催した。この販売会は、放送センターで働く人たちに福祉を身近に感じてもらい、障害のある人たちの就労に少しでも役立つことを願い、事業団とNHK共済会が平成23年度より共同で実施している。
このうち、12月の障害者週間には「手づくりの心届けます市」と称して渋谷区10団体の製品の展示販売会を開催し、東日本大震災から5年となる3月には東北の福祉施設が作った製品の販売を行い、多くの人でにぎわった。
また、福岡放送局内でも年間4回、福祉施設の「まごころ製品」販売会を実施した。
名古屋で、愛知県社会福祉協議会、NHK名古屋放送局、中日新聞社との共催で、福祉を担う若手職員が情報交換できる場を設け、福祉現場の現状と魅力を伝えるフォーラムを開催した。
障害のある人の体験記録や、福祉関係者、家族などの実践記録を広く社会に伝える「障害福祉賞」には408編の応募があった。選考の結果、次の実践記録が入選した。
第1部門 障害のある本人の部門
第2部門 障害のある人とともに歩んでいる人の部門
応募数 408編(第1部門:302編、第2部門:106編)
入選作
入選作品は「第50回障害福祉賞入選作品集」として広く頒布したほか、朗読による音声版(テープ、デジタル録音)、点字版の入選集を作成し、全国の点字図書館や視覚障害の応募者などに提供した。贈呈式は12月9日にNHK放送センターで行った。また入選作品や受賞者の思いを、12月23日、24日の「ハートネットTV」(Eテレ)や、12月28日「ラジオ深夜便」(ラジオ第1)などで紹介した。
今年が、障害福祉賞を始めて50年の節目なのにあたり、第一部門の過去の受賞者に、受賞後の人生の歩みを綴ってもらい、寄せられた58作品を6月から10編程度ずつホームページに掲載して紹介した。合わせて冊子も700部作成。手記を寄せていただいた方の他、全国のNHK放送局や図書館に配布し、障害者への理解の一助とした。
NHKの放送
20回目の「NHKハート展」には、障害のある人が綴った詩3,678編が寄せられ、その中から選ばれた50編の詩と、その詩をもとに、各界の著名人が制作したアート作品を組み合わせて展示した。
それぞれの想いがこもった50対の作品は、平成27年4月23日から28日まで東急百貨店本店で開かれた東京展をはじめ、27年度中に、鳥取市、大阪市、広島市など全国17か所の巡回展で紹介した。
入場者は6万3,973人に上った。放送では作品の紹介や作詩者、作画者のインタビューを、年間を通じて、Eテレの「ハートネットTV」などで取り上げた。
町のご長寿さんに元気の秘訣を伺う「ハートネットTV 公開すこやか長寿」の番組収録(Eテレで放送)と、ゲストによる高齢者の健康や生き方に役立つ講演を行うイベントを全国6か所で開催した。ゲストは山田 邦子さん、平野 レミさんで、会場には多くの人がつめかけた。
事業団が、NHKや各種団体と協力して多様な認知症のフォーラムを全国8会場で開催し、4,660人が参加した。認知症の人やその家族をはじめ、医療、介護従事者などの参加があった。
認知症当事者活動の先進地スコットランドから当事者のリーダーを招いて東京と大阪で実施したNHKハートフォーラムには、合わせて900人を超える参加者が集まり、満足度のアンケート結果はいずれも95%を超え、「認知症の体験談に共感した」「今、認知症対策に何が必要かがわかった」「日本にも当事者のワーキンググループがあることを初めて知った」などの感想が寄せられ好評だった。
地元での身近な取り組みなどを例にして、医療・介護の望ましいあり方や、地域での支援体制の課題について話し合った。
「認知症700万人 当事者が拓く新時代」では、内外の当事者の体験や意見を話してもらい、今後の認知症施策や社会の在り方を考えた。
NHKの放送
認知症の人にやさしい社会にするために必要なこと、安心して暮らすための情報やサポートの取り組みなどを、地域の福祉担当者も交えて話し合い啓発につとめた。
NHKの放送
医療・介護の最新情報と、認知症の人と家族を支援する地域の取り組みを紹介した。
地元の先進的な事例を取り上げ、地域支援の輪が広がるように努めた。
NHKの放送
若手看護師や看護師を目指す学生、一般市民を対象に公開講座を行い、認知症当事者の家族の体験談をもとに、今後の看護に生かした。
冊子「もの忘れが気になるあなたへ」(19年度作成・21万部刷成)と、冊子「家族が認知症と診断されたあなたへ〜おすすめ介護術」(20年度作成・16万部刷成)、あわせて1万3,800部をフォーラムの参加者や希望者に配布した。
高齢社会をどう生きるかをテーマにした小説を一般から募集した。「雫石とみ文芸賞基金」によって20年間実施してきた「銀の雫文芸賞」の成果を継承し、NHKの共催を得て、平成20年度から「NHK銀の雫文芸賞」として行っている。
作品の審査には、作家の出久根 達郎さん、マンガ家の里中 満智子さん、脚本家の竹山 洋さん、NHKドラマ番組部長、文化福祉番組部長があたった。853編の応募があり次の3編が入選した。
入選作品は、「NHK銀の雫文芸賞2015作品集」として製本し、広く頒布した。
最優秀の鴫原 慎一さんの作品『あなた』はラジオドラマ化し、11月7日「FMシアター」で放送した。
日々の介護の様子や思いなどを詠んだ短歌を募集し珠玉の作品を選び「介護百人一首2016」として作品集にまとめた。10回目になる27年度は、6歳から101歳までの幅広い年齢層から過去最多となる13,365首の短歌が集まった。
入選作品は、Eテレ「ハートネットTV」で、年間を通じて定期的に紹介されたほか、パネルにして28年度に各地の放送局などで展示する。
地域福祉を支援する「わかば基金」に特別部門として設けている「東日本大震災復興支援部門」を通じ、27年度も引き続き被災地で活動する福祉グループの取り組みや、新たな事業を行うための支援を行った。27グループから申請があり8グループに支援金を贈った。「わかば基金で震災復興に役立ててほしい」といくつかの団体から寄付も頂き、支援に使わせていただいた。
支援先は、仮設住宅などで傾聴活動をしているグループ、避難してきた障害のある子どもたちに放課後などにデイサービスをするグループ、被災地とボランティアをつなぐコーディネートを行うグループ、行政が行き届かない障害者の就労や生活支援の情報を提供するグループなど様々である。6.(1)参照
今年度もNHK東日本大震災プロジェクトの復興支援ソング「花は咲く」の楽曲著作権料3,320万円を義援金として被災地へおくった。
また、東北で被災した福祉作業所が作った菓子や名産品の販売会を3月に東京の放送センターで行った。参加した施設からは、自分たちの製品を多くの人に知ってもらえてありがたかったとの声が寄せられ、製品の販売を担当した当事者からは、就労に向けて貴重な経験ができたと感謝された。1.(10)参照
被災から5年たとうとしているが、いまだに19万人以上の人々が避難生活を余儀なくされている。この人たちは今、何に困っているのか、どのような支援が必要なのかをテーマにハートカフェを開き、当事者の声をもとに、被災者支援を考えた。
1.(3)参照
「福祉ライブラリー」はNHKの福祉番組を複製して貸し出すもので、事業団創立以来の基幹事業の一つである。ラインナップも多様で教育や福祉の現場で活用されている。
27年度に新しくライブラリー化した番組は10。「ハートネットTV」などテレビの福祉番組や、「NHKスペシャル」など視聴者から反響の大きかった番組、福祉の学習に役立つ番組をDVDに複製した。 また、事業団が制作した福祉DVD教材もライブラリーに加えた。
20年度からオンライン予約システムを導入し、パソコンを使っていつでも予約ができるようにしている。現在、登録者は8,055人で、昨年度より983人増加した。予約の仕方は、電話予約が減り、オンラインによる予約が26年度の53%から57%に増えた。
年間の貸出利用は5,739本(昨年度と同程度)。おもな利用者は、福祉関係の大学・専門学校や、福祉の現場で働く人、障害児の親や障害者本人、介護に携わっている家族、ボランティア団体などである。
利用した人が特に多かったソフトは、事業団制作の福祉DVD「発達障害の子どもたち」(240本)。次に多かったのは「"依存症"からの回復」(223本)、「うつ病」(175本)、「認知症ケア」(150本)、「統合失調症の人の回復力を高める家族のコミュニケーション」(94人)でいずれも事業団制作のDVD3巻シリーズだった。
また「介護」「発達障害」「認知症」を取り上げたNHK番組のライブラリーの利用も多くあった。
NHKの字幕放送の拡充にあわせ、聴覚障害者向けサービスとして平成15年度から行っている。27年度は「みんなの手話」(5本に13回分を収録)を字幕化した。
ライブラリーは通算85番組で、全国59の聴覚障害者関係施設と当事業団で貸し出しを行っている。
視覚障害者向けのテープライブラリーは、文芸作品や古典の名作を朗読したNHKの番組を複製して、全国47か所の委託施設で貸し出しを行っている。各地の点字図書館でデジタル図書での貸し出しが一般的になっているため、平成20年度からソフト作成をテープからデジタル録音のDAISYに切り替えている。
27年度はNHKの『ラジオ文芸館』から「鼠小僧次郎吉」(芥川 龍之介)、「藤十郎の恋」(菊池 寛)、「汐の恋文」(葉室 麟)など8作品を、『朗読』から「アンネの日記」など、『古典講読』から「奥の細道」を複製した。
貸し出し利用は年間3,100本あまりで、「ラジオ文芸館」などの現代の作品に人気があった。
発達障害の一つ「自閉症スペクトラム」は、研究が進み、100人に1人以上が発症するありふれた障害であることが分かったが、外見からは障害の有無がわかりにくく特に見過ごされて苦しむ大人が少なくない。そこに焦点をあてて、当事者がどのような困難に直面しているのか、また、彼らの就労や自立に向けてどのような取り組みが行われているのかを映像で紹介しながら解説した。
福祉DVD教材(テキストつき)は3枚組で、700セット制作した。発達障害者支援センター、障害者職業センター、精神保健福祉センター、若者サポートステーション、家族会、専門病院などで役立ててもらうため、希望する所に無料で配布した。
また事業団の「福祉ビデオライブラリー」でも貸し出しを行い、より多くの人に利用してもらう。
(各巻の内容)
なお、本事業はJKAの補助金を得て実施した。
「もの忘れが気になるあなたへ」(監修:小阪 憲司 横浜ほうゆう病院長)
認知症はどんな病気か、治療法や予防法、相談窓口などを分かりやすくまとめたもので、発行数は21万部となった。
「家族が認知症と診断されたあなたへ〜おすすめ介護術〜」(監修:須貝 佑一 認知症介護研究・研修東京センター副センター長)
認知症の介護のポイントを症状別に解説したもので、発行数は16万部。
27年度は、認知症の両冊子あわせて1万部をフォーラムの参加者や希望者に無料で配布した。送料は利用者負担。
「思春期のこころの病〜"悩み"と"病"の見分け方〜」(監修:青木 省三 川崎医科大学精神科学教室教授)
思春期特有の精神疾患の見分け方と対応について啓発する冊子で11万部作成。
27年度に在庫がなくなったが、ホームページで見られるようにし、個人のほか、学校や勉強会をするNPOなどにも利用してもらっている。
「がん患者のための体と心の緩和ケア〜痛みと悩みをやわらげて自分らしい療養生活を送るために〜」(監修:的場 元弘 国立がん研究センター中央病院緩和医療科・精神腫瘍科長)
がん患者の体の痛みや心の苦しみを和らげる「緩和ケア」について、病院や相談機関の情報を含めて解説したもので4万部を作成。27年度はフォーラム会場や希望者に3,500部を配布した。
年間を通して数々のチャリティーを行った。
27度のチャリティーイベントは以下の通り。
(「※」印は物品などの贈呈をした催しで、詳細は、6.(4)に記載)
あすの福祉の芽を育てる「わかば基金」は、福祉の分野で地道に活動を続けているグループを支援するために設けられたもので、今回で27回目を迎えた。
24年度から、東日本大震災の被災地で活動している福祉グループに支援金を贈る「東日本大震災復興支援部門」を設けており、27年度は27のグループから申請があった。
また、「支援金部門」には264グループ、「リサイクルパソコン部門」には120グループから申し込みがあった。
「リサイクルパソコン部門」は、NHKやNHK関連団体から不用になったパソコンを寄贈してもらい、新しいアプリケーションソフトを入れた上で必要としている福祉団体に贈呈するもので、NHKグループの新しい社会貢献活動となっている。
選考委員会を経て、全国13グループに総額704万円の支援金、19グループに50台のパソコンを贈った。また、被災地には8グループに473万円の支援金を贈ることができた。支援総額は、パソコン費用を含め1,373万円。
なお、初回からの贈呈件数は622に上る。
<支援金部門 支援先>*13グループ *支援金総額:704万円
<リサイクルパソコン部門 支援先>*19グループ *リサイクルパソコン贈呈:50台
<東日本大震災復興支援部門 支援先>*8グループ *支援金総額:473万円
「平成27年度NHK歳末たすけあい・NHK海外たすけあい」を、NHK、中央共同募金会、日本赤十字社と共催で12月1日〜25日の間実施した。
「歳末たすけあい」の義援金は、中央共同募金会を通じて被災した福祉施設への支援、障害のある人や、援助や介護を必要とするひとり暮らしのお年寄り、援助を必要とする子どもたち、長期療養生活をしている人や生活が困難な世帯などに配分される。
「海外たすけあい」では、日本赤十字社が赤十字国際機関と協力し、紛争や自然災害に苦しむ人たちのために使われる。
受付件数・金額(全国集計)
事業団ではNHK、日本赤十字社、共同募金会とともに、大規模な災害が起こった際に、その都度「災害たすけあい」を実施している。27年度は、4月にネパールで起きた地震の際に実施した。
28年2月11日に開催した「第49回NHK福祉大相撲」(入場者4,294人)の純益により福祉車両「福祉相撲号」5台を購入し、これに協力団体からの寄贈1台と合わせて合計6台を障害のある人たちの療育活動や、お年寄りのデイケアなど福祉活動を行っている施設・団体に寄贈した。
「NHK福祉大相撲」の模様は、2月21日 総合テレビで放送した。
<寄贈先>
4月10日、鹿児島市で開催した「歌謡チャリティーコンサート」(入場者1,799人)の純益で「車いす付き介護浴槽」を購入し、鹿児島県内の3か所の高齢者福祉施設に贈呈した。
コンサートは5月5日、総合テレビで放送した。
(贈呈先)
10月2日、前橋市で開催した「歌謡チャリティーコンサート」(入場者1,747人)の純益を、群馬県はじめ全国の障害者スポーツ団体・施設に障害者スポーツ用具を贈呈した。
コンサートは11月3日、総合テレビで放送。
事業団の催し物の開催時に、視覚障害の人や知的障害のある人など460人を招待した。
事業団の活動を周知するために事業内容を紹介した印刷物をイベント会場で配布し、福祉活動への理解と協力を求めた。またホームページでは、催し物の周知や活動報告などを分かりやすく伝え、ネット時代にふさわしい広報活動に努めた。
NHK厚生文化事業団年報「心豊かな福祉社会をめざして」を発行して、事業団の福祉活動への理解促進を図った。
事業団の業務を紹介したパンフレット「事業団のふくし」を作成して、イベント会場などで配布した。また会場では、イベントのテーマにそった冊子を配るほか、事業団作成の福祉DVD教材、福祉ビデオライブラリーの利用案内などをしている。
NHKの放送、ニュースにより事業団の催しを紹介したほか、外部メディアへ情報提供を積極的に行い、新聞・雑誌などで事業の予定や活動内容が紹介された。
事業団の活動をより多くの人に知ってもらい、活用してもらうため、「最近の活動」「今週のおすすめ」など情報をきめ細かく提供するとともに、ビジュアルでわかりやすい画面構成に努めた。
27年度のアクセス数は、前年度に比べて28万ページビュー増加し、152万ページビューとなった。
掲載している主な内容は、
ホームページの利用者からメールで寄せられたさまざまな問い合わせには、各担当者が即応するよう努めた。
監査体制の強化を図るために新たに「監事監査規程」及び「内部監査規程」を制定しさらに、経理手順の整備を実施することにより役職員のコンプライアンスに関する意識の徹底を図った。
福祉、教育、医療団体などが実施する研修、啓発事業、また美術、スポーツ団体などが福祉目的で開催するチャリティー事業に積極的に協力し、本部・支局合わせて182の事業を後援、協賛した。
「自閉症啓発デー2015」「第43回日本車椅子バスケットボール選手権大会」「世界ダウン症の日記念イベント」「第42回国際福祉機器展」「福祉の就職総合フェア2015 in OSAKA」「脳外傷リハビリテーション講習会」などを後援、協賛した。
「国展」「春陽展」「東光展」「二科展」「アザミ革工芸展」「チアリーディング日本選手権大会」「KEIRINグランプリ2015」「手工芸作品展」「手づくりフェア in 九州」などのチャリティー催しを後援し、その益金から事業団へ寄付をいただいた。
当事業団への寄付金には二種類ある。個人や団体からのご寄付である一般寄付金と、当団が主催、後援、協賛したチャリティー事業からのご寄付であるチャリティー寄付金である。
27年度は、
に上った。
賛助会員は一般法人に広く協力を求め、本年度は7団体7口の新規入会があった。しかし業績不振等により、退会10団体10口の申し出もあり、合わせて147団体から2,120万円の支援を受けた。
個人からの継続寄付者を含む維持会員等については、NHKおよびNHK関連団体役職員、NHK旧友会員など 6,294人の方々の協力を得て、その額は1,104万1,000円に達した。
〔特別賛助会員〕
当該事業年度における当事業団の理事および監事に対する報酬等の内容は、以下のとおり。
理事 12人 3,002万円
監事 2人
(注)
1.上記人数には、当期中に退任した非常勤理事2人が含まれる。
2.上記のうち、非常勤の理事10人、監事2人には、報酬は支払っていない。
終わり