社会福祉法人 NHK厚生文化事業団
NHK厚生文化事業団 平成18年度事業報告書
目次
はじめに
社会福祉の動きと事業団のとりくみ
今年度は、障害者自立支援法が施行され、また、介護保険サービスは「予防」を重点に行うなど、障害者や高齢者への福祉施策の見直しが行われました。
社会福祉に対する国民のニーズは、ますます多様化しており、広くきめ細やかな支援が求められています。
平成18年度、当事業団はNHK関連の社会福祉法人として、このような社会情勢の変化を踏まえ、国民の福祉ニーズに応えるさまざまな福祉事業を実施しました。
特に、障害者ならびに高齢者福祉を中心とした各種支援事業や情報提供、ボランティア促進事業など、NHKとの緊密な連携の下に放送と一体となった福祉事業を展開し、「心豊かな福祉社会の実現」に努めました。
特に、次の事業について新たな充実をはかり、積極的に推進しました。
○LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)など発達障害児に関するフォーラムや相談会を継続して開催するとともに、発達障害児の母子を対象とした「第1回のびのびキャンプ」を専門家と開発、実施しました。
○NHKの放送と連動したNHKハートフォーラムの実施
NHKのキャンペーン「認知症」の放送にあわせ、「認知症 あきらめない」をテーマに、東京、大阪でフォーラムを実施し、放送効果を高めました。
このほか、社会福祉の向上に資するため、障害者福祉・高齢者福祉・ボランティアをテーマに全国各地で多様な福祉のフォーラムを開催しました。(40回)
○福祉車両「福祉相撲号」、引き続き10台寄贈
福祉大相撲の純益により、障害者や高齢者のデイケアなどの福祉活動を行っている施設、団体に「福祉相撲号」を寄贈し、これまでの贈呈台数は233台となりました。
また、財政再建団体となった夕張市の社会福祉協議会に支援金を贈呈しました。
○福祉情報提供事業
ホームページの内容を充実し、利用者がアクセスしやすくしました。また、福祉情報を分かりやすくお伝えする福祉情報誌「はーとはーと」を創刊し、情報提供サービスを強化しました。
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1.障害者福祉事業
(1)こどもの発達相談会および療育キャンプ
大阪、名古屋、福岡において、ことばや発達の遅れた子どもとその親のための定例相談会、東京、大阪ではLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)など発達障害児を対象に相談会を実施した。東京では、第1回「のびのびキャンプ」を実施した。
定例相談会
大阪、名古屋、福岡で12回実施した。知的や言語の発達のおくれや、自閉症、重複障害などの子どもの相談が多かった。
- 大阪 4回 相談件数 91件
- 名古屋 4回 相談件数 159件 *グループ相談形式
- 福岡 4回 相談件数 67件
LD教育相談会
大阪では平成12年度から「LD教育相談会」を、東京では平成13年度から「LD・ADHD・高機能自閉症教育相談会」を今年度も行っている。
- 東京 3回 相談件数 32件
- 大阪 3回 相談件数 64件
母と子の療育キャンプ
東京では、障害のある子どもを対象に「母と子の療育キャンプ」を35回行ってきたが、平成18年からは大学教授や専門家の協力を得てADHD(注意欠陥多動性障害)の児童を対象にした療育キャンプを開発し、夏に第1回「のびのびキャンプ」として実施した。開催にあたっては、首都圏の親の会の協力を得た。
実施後のアンケートでは、参加者の多くの方からこれまでに経験したことのない楽しいキャンプであり、継続を希望する声をいただいた。
愛知県のやまびこキャンプは愛知教育大学と愛知淑徳大学の協力により23回目を迎え、家族やボランティアなど100人余りが大自然を楽しんだ。
- 東京 7月23日?25日 埼玉県皆野町 参加者 11組
- 名古屋 8月5日?7日 愛知県豊田市 参加者 17組
(2)肢体不自由児・者の療育活動
肢体不自由児・者の療育キャンプを支援団体との共催・協力により、各地で実施した。夏季、冬季の野外活動を通じて、参加者の自立と社会参加を促進し、あわせて交流の輪を広げた。
- 第38回 フレンドシップ・キャンプ 8月11日?13日 国立若狭湾 参加者 61名
- 第38回 高木記念山中キャンプ 8月15日?19日 山梨県山中湖村 参加者 86名
- 第18回 雪と遊ぼう 親と子の療育キャンプ (平成19年)1月6日?8日 新潟県南魚沼市 参加者 104名
- 第34回 雪あそびのつどい 2月3日?4日 兵庫県千種町 参加者 48名
- 合計参加者:299名
(3)NHKハートフォーラム(障害福祉・学習障害福祉)やワークショップや福祉イベントの開催
自閉症やLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)などについても取り組みを強化し、各地の放送局や関係団体と共催で、NHKハートフォーラムを10回、ワークショップなどを4回開催した。初めて実施したふくし体験(障害・高齢擬似体験)にはたくさんの子どもが関心を示した。また、NHKが中心となって取り組んでいる「NHKハートラボ」の実施に全面的に協力している。
○障害福祉
- 6月18日 奈良市 「自閉症児者ライフステージに対応する支援」 参加者 580名
- 12月 9日 松山市 「冨貴子先生のおしゃれな料理教室」 参加者 40名
- (平成19年)2月27日 津山市 「ろう俳優・井崎哲也と子どもたちの交流体験」 参加者 108名
- 3月11日 東京都 「音楽と遊ぼう!レッツ・ダンス」 参加者 33名
- 参加者合計:761名
○発達障害福祉
- 6月17日 倉吉市 「子どもの発達支援を考える」 参加者 133名
- 8月26日 青森市 「発達障害児のライフステージ」 参加者 240名
- 9月24日 つくば市「特別支援教育のこれから」 参加者 390名
- 11月11日 熊本市 「発達障害者を支援するために」 参加者 365名
- 12月16日 大阪市 「軽度発達障害の基礎と実践講座」 参加者 950名
- (平成19年)3月25日 府中市「発達障害者を理解し、早期発見と適切な支援につなげる」 404名
- 合計:2,482名
○精神障害のある人の家族のためのワークショップ
秋田県、福島県、宮城県の精神障害者県連合会とともに、SSTリーダー 高森信子さんによる「精神障害のある人の家族のための講演とワークショップ」を実施した。
- 3月29日 秋田市 参加者 55名
- 30日 南会津町 参加者 23名
- 31日 仙台市 参加者 44名
- 参加者合計:122名
○子どもと福祉 「ストレッチマンと“ふくし体験”」
NHK教育テレビに親しんでもらおうと毎年開催されている「NHK秋のふれあい広場」で、教育テレビで人気の高い“ストレッチマン”とともに車いす体験、高齢者・視覚障害者擬似体験、盲導犬と歩く体験コーナーを設け、子どもたちに体験してもらった。
NHK玄関前で行われた体験コーナーのステージには1500人の方々が集まった。
○NHKハートラボ
障害者や健常者がともに参加するワークショップを実施した。
- 5月13日 渋谷区 造形作家・西村陽平さんの粘土による創作アート 参加者 45名
- 5月14日 渋谷区 振付家・香瑠鼓さんによるバリアフリーダンス 参加者 49名
- 6月24日 神戸市 こころ踊る魔法の楽器 参加者 65名
- 8月 5日 栃木県那珂町 音とかたちの不思議な出会い?触って、聴いて、音であそぶ? 参加者 108名
- 9月30日 渋谷区 ハートストリート・バリアフリーマップの作成 参加者 48名
- 11月 5日 渋谷区 ハート・ウォールペインティング 参加者 125名
- 参加者合計:440名
(4)第41回NHK障害福祉賞
第41回を迎えた「障害福祉賞」は、テレビ・ラジオによる周知の回数が増えたこともあり、第1部門を中心に401編の応募があり、次の実践記録が入選となった。
第1部門 障害のある本人の部門
第2部門 障害のある人とともに歩んでいる人の部門
応募数 401編(第1部門:278編、第2部門:123編)
入選作
- 最優秀 「いとしい日々」 横田 真司(東京都)
- 優秀(第1部門) 「明日こそゴールと」信じて 西村 美紅(北海道)
- 優秀(第1部門)「いつだって光は見える」 林 克之(和歌山県)
- 優秀(第2部門)「キラキラ輝く宝物」 隈部 浩美(長崎県)
- 優秀(第2部門)「一緒に働こう」 細川 義和(茨城県)
- 矢野賞 「不運に従ってばかりいては幸せは来ない」 桑原 令江(徳島県)
- 佳作 6編
入選作品は「入選作品集」として刷成し、広く頒布したほか、朗読による音声版(テープ)の入選集を作成し、全国の点字図書館や視覚障害の応募者などに提供した。
贈呈式は12月1日にNHK放送センターで行った。
また、第41回の応募作品のうち3作品が、「ハートをつなごう」(平成18年12月4日?6日NHK教育テレビ)で、シリーズで放送されたほか、最優秀の横田真司さんと優秀の隈部浩美さんは 、贈呈式当日の「ラジオ深夜便」に出演した。
(5)第11回NHKハート展
障害のある人がつづった詩と、その詩をモチーフに各界の著名人が制作したアート作品を組み合わせて展示する「NHKハート展」。平成6年度から開催されている11回目の展覧会には、これまでで一番多い4,898編の詩が寄せられた。その中から50篇の詩が選ばれ、作詩者の想いを表現した絵などが添えられた。
これらの作品は、平成18年3月7日から12日まで日本橋三越での東京展をはじめ、大阪市、静岡市など14か所の巡回展で紹介され、入場者は74,813人に上った。
「ハート展」は応募作品、入場者数、開催希望も年々増えてきており、好評を博している。
また、第12回NHKハート展には、昨年をさらに上回る6,316編の詩が寄せられた。第12回NHKハート展は平成19年3月6日から11日までの日本橋三越での東京展をはじめとして、平成19年度内に全国12会場で開催する予定。
第11回NHKハート展入場者数(14会場)
- 東京展 3月7日(火)? 3月12日(日) 日本橋三越 10,767名
- 沖縄展 4月10日(月)? 4月23日(日) NHK沖縄放送局 新会館ロビー 1,306名
- さいたま展 5月 3日(水)? 5月 8日(月) そごう大宮店 7,899名
- 水戸展 5月25日(木)? 5月30日(火) 京成百貨店 2,750名
- 神戸展 6月11日(日)? 6月22日(木) NHK神戸放送局トアステーション 1,326名
- 甲府展 6月29日(木)? 7月 5日(水) 岡島百貨店 1,160名
- 千葉展 8月1日(火)? 8月 7日(月) 三越千葉店 5,385名
- 大阪展 8月18日(土)? 8月26日(土) 国際障害者交流センタービッグ・アイ 1,066名
- 高崎展 9月27日(水)?10月 2日(月) 高崎高島屋 1,897名
- 静岡展 10月13日(金)?10月22日(日) 静岡県コンベンションアーツセンター・グランシップ 4,034名
- 熊本展 11月7日(火)?11月12日(日) 熊本県立美術館分館 1,994名
- 福岡展 11月14日(火)?11月26日(日) NHK福岡放送局 4,696名
- スタジオパーク展 12月1日(金)?12月14日(木) NHKスタジオパーク 24,154名
- 長野展 (平成19年)2月16日(金)? 2月21日(水) ながの東急百貨店 6,429名
- 合計参加者 74,813名
(6)NHKハートストリートの展開
NHKの福祉キャンペーンを推進する「NHKハート・プロジェクト」は2年目を迎えた。
この催しは、渋谷駅からNHK放送センターまでの公園通りを障害者のアートで飾り、街行く人々に楽しんでもらうとともに、障害者理解を深めてもらおうと実施している。
- 実施期間 11月13日?11月24日 公園通り街路灯にフラッグ掲出 401点
- 実施期間 11月13日?12月9日 ショーウィンドーにアート展示 127点
オープニングイベント 11月18日(土) ハートストリート・パフォーマンス
場所 マルイシティー渋谷1階入口前
出演 穴澤雄介さんバイオリン演奏のほか、キーボード、和太鼓の演奏
協力団体
絵画 東京都立養護学校(中野、港、青鳥、光明)、神奈川県立養護学校(高津)、川崎市立養護学校、日本肢体不自由児協会、日本チャリティ協会、東京都知的障害者育成会、渋谷区障害者団体連合会、渋谷区内在住障害者などの団体や個人
街路灯・店舗 渋谷区公園通商店振興組合
(7)スポーツイベントの開催
東京都、東京都障害者スポーツ協会とともに重度障害者と知的障害児・者が参加するスポーツの集いを実施した。
また、障害のある人のスポーツ、運動競技への関心の高まりを受け、障害のある人もない人もスポーツを通じて交流を深める「NHKハートスポーツフェスタ」を5会場で開催した。
- 第40回スポーツの集い
- 9月6日 東京都 東京体育館 参加者 3,800名
今回から重度障害者も参加できる「ボッチャ」競技も実施され、障害のある方にとって参加種目が広がった。
- NHKハートスポーツフェスタ
- 11月26日 長野市 「知的障害者のフィギュアスケート教室」 参加者 88名
- 12月23日 札幌市 「ボッチャ・フライングディスク」 参加者 59名
- 12月24日 前橋市 「ゴールボール」 参加者 80名
- (平成19年)2月10日 八尾市 「車いすバスケットボール」 参加者 172名
- 3月3日 渋谷区 「ブラインドサッカー」 参加者 165名
- 参加者合計:564名
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2.高齢者福祉事業
(1)NHK福祉ネットワーク「公開 すこやか長寿」
NHK教育テレビ「福祉ネットワーク 公開すこやか長寿」の番組収録と、高齢者の健康等に役立つ講演を内容とした高齢者福祉イベントを全国10か所で開催した。
- 4月9日 長野県飯島町「心と体に元気なステップを」 参加者 350名
- 4月22日 広島県大崎上島町「筋力アップで若返り」 参加者 233名
- 6月3日 群馬県明和町「体のバランスを保つ?太極拳の動きに学ぶ?」 参加者 350名
- 7月2日 茨城県那珂市「日常の動作を楽にする」 参加者 220名
- 8月6日 京都府南丹市「正しく歩くためのヨーガと呼吸法」 参加者 280名
- 10月7日 愛知県北名古屋市「体力年齢を若返らす」 参加者 500名
- 10月21日 埼玉県上里町「自分の足で歩ける能力をいつまでも」 参加者 380名
- 11月4日 山形県大江町「脳いきいき元気体操」 参加者 380名
- 12月3日 奈良県香芝市「つまずかない・ころばない」 参加者 280名
- (平成19年)2月3日 福島県富岡町「無理なく楽しくウォーキング」 参加者 383名
- 参加者合計:3,356名
(2)NHKハートフォーラム(高齢者福祉)
地域の高齢者福祉のニーズに応えながら、楽しく参加できる健康づくりフォーラムや放送を受けてさらに理解を深める認知症フォーラムなど13回開催した。
- 4月1日 福岡県志免町「N響メンバーと仲間たちによるやすらぎコンサート」 参加者 240名
- 6月4日 島根県邑南町「元気な老後、楽しい老後」 参加者 892名
- 6月4日 宮崎県国富町「長寿は笑いから」 参加者 300名
- 7月1日 福島県福島市「あなたの頼れる味方?成年後見?」 参加者 232名
- 7月8日 長野県岡谷市「笑いで元気に」 参加者 263名
- 7月30日 宮城県石巻市「楽しく取り組む介護予防」 参加者 350名
- 10月7日 長崎県長崎市「認知症の正しい理解とケア」 参加者 310名
- 11月10日 北海道北斗市「楽しく健康に暮らすために」 参加者 650名
- 11月11日 静岡県静岡市「ありがとう」 参加者 250名
- 11月12日 北海道旭川市「ペットと癒し?アニマルセラピー?」 参加者 71名
- (平成19年)1月9日 渋谷区「認知症 あきらめない?早期発見とその人にあったケア?」 参加者 269名
- 2月18日 和歌山県上富田町「毎日笑って健康作り」 参加者 693名
- 2月24日 大阪府大阪市「認知症 あきらめない?早期発見とその人にあったケア?」 参加者 228名
- 合計参加者:4,748名
(3)ラジオ公開生放送「鎌田 實 いのちの対話」の実施
長野県諏訪中央病院の鎌田 實医師をホスト役に毎回多才なゲストを迎え「いのち」について参加者とともに考えるラジオ公開生放送。今年度は4回行い、朝早くの生番組にもかかわらず多くの視聴者が参加した。
- 4月29日 山形県河北町 参加者 650名
- 7月17日 栃木県大平町 参加者 647名
- 10月9日 徳島県徳島市 参加者 449名
- (平成19年)1月8日 大阪府大阪市 参加者 1,085名
- 合計:2,831名
(4)第19回どう生きる高齢社会「銀の雫文芸賞」
公益信託「雫石とみ文芸賞基金」による「銀の雫文芸賞」は、高齢社会をテーマとした特色ある文芸賞で、19回目を迎えた。今回は、全国から432編の応募があり、次の3編が入選した。
入選作品は、「銀の雫文芸賞作品集」として刷成し、広く頒布した。
- 最優秀 『髪にふれる』 今村 恵子 (千葉県)
- 優秀 『山の宿にて』 小西 保明 (秋田県)
- 優秀 『町内会長奮戦記』 八重樫 久 (宮城県)
なお、「髪にふれる」は、ラジオ「FMシアター」(平成19年1月13日(土)NHKラジオ?FM)で放送された。
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3.ボランティア活動促進事業
我が国のボランティア活動は、児童・障害者・高齢者など福祉分野はもとより、さまざまな分野で多様、かつ活発に展開されている。
NHKからの受託事業として運用している「NHKボランティアネット」は、ボランティア活動に携わる人たちや推進団体への情報源として、ますます評価が高まっている。
また、各地の放送局や地元の関係団体などとの共催で3回、NHKハートフォーラム(ボランティア)」を開催した。
(1)NHKボランティアネットの運用
インターネットを通してボランティアに関する情報を発信する「NHKボランティアネット」は、阪神・淡路大震災でボランティアが注目された平成7年にスタートし、以来12年の実績を積み重ねてきた。
今やボランティア活動は日本社会に定着し、放送番組やニュースでも活動状況はしばしば取り上げられ、国際社会でもまた地域社会でもボランティアの存在は欠くことができないものとなっている。
近年、ボランティア体験が学校等のカリキュラムの一環として行われるようになり、東京都は19年度から高校生の「奉仕活動」を必修とすることとした。また、団塊世代が定年を迎え、ボランティア活動に積極的に参加していくことが期待されている。
平成18年度は、災害活動への支援情報のいっそうの充実をはかるとともに、利用者のニーズに的確に応え、信頼されるホームページの運用に努めた。
まず、コーナーの一つである「防災もの知りノート」を刷新した。火山関連情報など新たな情報を追加するとともに、内容を全面的に見直し、最新データへ更新をはかった。
「ボランティア便利帳」は、新たな活動情報を加えるなど、情報内容を見直し、分かりやすく親しめるコーナーとした。
さらに、シニアにボランティア活動を促す新年度の新コーナー「定年後をたのしむ」に向けて、ボランティア入門講座や活動中のボランティアのメッセージなどを取材、制作作業を進めた。
今年度も引き続き、災害支援情報を提供した。5月のジャワ島中部地震、7月の「平成18年7月豪雨」、9月の宮崎県延岡市ならびに10月の北海道佐呂間町での竜巻被害、19年3月の「能登半島地震」などでは、NHKニュースや義援金・救援金募集の情報、ボランティアの活動状況などを特設コーナーを設けて発信した。
「各地のボランティア情報」には、常時250?300件超の活動を掲載。
またホームページへのアクセスとしては、1日平均15,000弱のページビューがあった。年間の総ページビューは5,280,455であった。
(2)NHKハートフォーラム(ボランティア)の開催
NHK各放送局や関係団体と共催でフォーラムを3回実施した。
- 7月11日 大阪府箕面市「箕面の“お宝”人物図鑑」 参加者 103名
- 9月30日 福島県福島市「団塊の世代輝く生き方を考える」 参加者 640名
- (平成19年)1月21日 愛知県名古屋市「知って得!ところでボランティアって何?」 参加者 236名
- 参加者合計:979名
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4.福祉情報の提供事業
社会福祉に対する国民の要望や関心は年々高まり、充実した福祉情報の提供が求められている。そのような状況の中、当事業団の特色であるNHKの放送と一体となった福祉活動の充実をはかるため、福祉情報の提供に努めている。特に、創立以来の基幹事業の一つである、NHKの福祉番組を複製して貸し出しを行う「福祉ライブラリー(テープとビデオ)」は、福祉を学ぶ音声・映像資料として多くの方に利用されている。
また、これまで福祉情報を提供してきた福祉情報誌「ピーヴォ」を見直し、多くの方に親しんでいただける情報誌「はーとはーと」を発刊した。
さらに、ホームページを大幅にリニューアルし、各種催しの周知、事業団活動の報告を充実した。アクセシビリティに配慮し、誰もが利用しやすいホームページとした。
NHKの福祉キャンペーン「NHKハートプロジェクト」を推進するため全面的に協力した。
(1)福祉ライブラリー活動
NHKの福祉関係の新番組や反響の大きかった番組をいち早く加え、番組複製(テープとビデオ)を行い、利用者のニーズに応えた。
特に、ビデオライブラリーは、NHK福祉キャンペーンの「認知症」の放送後直ちに関連番組をライブラリー化し、利用者の要望に応えた。
また、聴覚障害者向けに字幕付きのビデオを作成し、全国の聴覚障害者関係施設に貸し出しの委託を継続して行った。
- テープライブラリー
視覚障害者向けのテープライブラリーは、12年度から貸し出し委託施設を拡大し利用者の便を図っている。平成18年度は、ラジオ3番組から、12作品2,256本を複製した。
利用は「私の本棚」「朗読」「日曜名作座」などの文芸作品、視覚障害者向けの情報番組「視覚障害者のみなさんへ」などを中心に、年間12,839本にのぼっている。
- 複製番組数3番組
- 複製本数12作品2,256本
- 利用本数12,839本
- これまでの利用数累計:1,904,806本
- ビデオライブラリー
テレビの福祉番組から7番組21本のビデオを新たに複製した。
年間の利用状況は、5,552本と引き続き多くの人に利用されている。
利用者は福祉関係の大学・専門学校や福祉の現場で働く人、障害児を育てている親、介護に携わっている人、地域でボランティア活動をしているグループ、障害者本人などで、主に学習資料として活用されている。
利用傾向としては、当事業団作成の「ホスピス」(平成17年度)や、「軽度発達障害のよりよき理解のために」(平成15年度)、NHKの特集番組や自閉症について取り上げた番組のビデオの利用数が多かった。
今年度は、NHKの認知症キャンペーンとの連携をはかり、「認知症」を取り上げた番組を速やかに複製してライブラリーに追加した。
ビデオライブラリーの利用は、福祉への関心が高まる中で年々、利用者が増えており、貸し出し手続きや在庫管理にはコンピューターシステムを活用し、今年度も円滑に運用した。
- 複製数ビデオ21本
- 除籍数保有数0本
- 1,582本
- 利用数5,552本
- これまでの利用数累計:132,797本
- 聴覚障害者向け字幕ビデオライブラリー
NHK字幕放送の拡充にあわせ、聴覚障害者向けサービスとして、平成18年度は、ニーズに応え「福祉ネットワーク」や「ワンポイント手話」など7本の番組を字幕化し(通算25番組)、全国63の聴覚障害者関係施設と当団での貸し出しを行っている。
(2)NHK福祉情報誌「はーとはーと」を発刊
これまで9年間にわたり最新の福祉に関する話題や、NHKの福祉番組情報を提供してきた「ピーヴォ」を見直し、著名人や障害者のインタビューを通して読者に福祉の関心を高めていただく福祉情報誌「はーとはーと」を発刊した。
年4回(季刊) 1回8,000?10,000部 年間 33,000部
2006夏号(6月25日発行) 八代亜紀 (歌手)
武久源造 (鍵盤楽器奏者)
秋号(9月25日発行) 松島トモ子(日本車いすダンス協会理事)
落合啓士 (視覚障害者サッカー選手)
冬号(12月20日発行) 橋 幸夫 (歌手)
横田真司 (第41回NHK障害福祉賞最優秀賞受賞)
2007春号(3月25日発行) 田辺鶴英 (講談師)
梅木 久代(京都盲ろう者ほほえみの会会長)
(3)ホスピスガイドブック「ホスピスってなぁに?」の配布
この冊子は肉親をがんで亡くされた千葉市のYさんからの寄付をもとに発行しているもので、これまで8版の改訂を行い30万部を超えている。
新聞やテレビ、ラジオでの周知、がん患者の増加、終末期医療への関心の高まりによりガイドブックの配布を希望する人が増えており、希望者には無料で配布している。(送料は利用者負担)
ホスピスガイドブック「ホスピスってなぁに?」(第8版)
- 内容 緩和医療とは
- 体裁 B6判 P40
施設で受けるケア、自宅でうけるケア
費用
施設一覧
- 刷成数 20,000部
- 監修 日本ホスピス緩和ケア協会
ガイドブックは個人のほか、終末期医療を学ぶ人、福祉系大学、看護学校、医療従事者の研究会などで多く利用されている。
(4)NHK福祉キャンペーン「NHKハート・プロジェクト」との連携
「NHKハート・プロジェクト」は、NHKが昨年度から福祉キャンペーンとして始めたもので、「ともに生きる社会」をテーマにNHKの福祉番組や福祉イベントを多くの視聴者にご利用いただこうと、シンボルマークを親しみやすい「ハート」で統一して、放送やホームページなどを通して視聴者に呼びかけた。当団はこれまで蓄積してきた福祉事業の経験をもとに、下記の番組制作やイベント実施に協力した。
主な番組やイベント
- NHKハートプロジェクト?ともに生きる社会のために?」のイベント実施と番組制作への協力
- NHKハート展の詩の募集と展示会
- NHK介護百人一首の実施
- NHKハートストリートの絵画作品の募集と実施
- NHKハートフォーラムの実施
- NHKハートラボ(障害者と健常者の体験イベント)の実施
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5.チャリティー事業
NHKをはじめ多くの関係団体の支援・協力を得て、以下の主催チャリティー事業を実施した。
チャリティーによる純益は、障害者福祉事業などに役立てたほか、福祉機器や車両を購入し福祉関係団体・施設へ贈呈した。
(「※」印は物品などの贈呈をした催しで、詳細は、6‐(5) に記載 )
(1)NHK番組公開チャリティー
- 歌謡チャリティーコンサート(2回)※ 4/20,9/15 神奈川県民会館,郡山市民文化センター 収支差額 19,421千円
- おかあさんといっしょファミリーコンサート(16回:8日×2回) 5/4・5・6・7,11/1・2・3・4 NHKホール 収支差額 9,713千円
(2)事業団企画チャリティー
- 第38回日本陶芸倶楽部チャリティー展(1回)※ 5/17?22 日本橋 三越本店 2,915千円
- NHKチャリティー展(1回) 1/14?20 名古屋三越栄本店 3,816千円
- チャリティー高僧・名家揮毫展(2回) 12/8?9,3/26?27 NHK大阪放送局,NHK放送センター 375千円
- 障害児のための義太夫チャリティー特別公演(1回) 12/19 国立劇場演芸場 100千円
- 第44回N響「第9」チャリティーコンサート 12/27 NHKホール 8,083千円
- 第39回NHK福祉大相撲(1回)※ 2/11 両国国技館 25,131千円
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6.その他の支援事業
「NHK歳末たすけあい・NHK海外たすけあい」や台風など災害発生時にNHKとの連携により、救護活動を実施した。また、障害者・高齢者の福祉および地域福祉の推進を支援する「わかば基金」の贈呈、チャリティー事業の益金による福祉機器の贈呈など各種支援事業を展開した。
また、「佐呂間町竜巻災害」による被災地へ救援物資を急送したほか、国内の大雨や台風被災地支援と「フィリピン地滑り災害」、「ジャワ島中部地震災害」などの支援のため、全国のNHKと日本赤十字社などとともに義援金や救援金の受け付けを実施した。
(1)「NHK歳末たすけあい・NHK海外たすけあい」
平成18年度「NHK歳末たすけあい・NHK海外たすけあい」をNHK、中央共同募金会、日本赤十字社と共催で12月1日?25日の間実施した。
今年度は、11月26日(土)、特別番組「あなたのやさしさを2006」を放送し、「NHK歳末・海外たすけあい」の義援金がどのように使われているかを紹介した。
初日の12月1日(金)にはたすけあいのキャラクターであるどーもくんの着ぐるみが渋谷駅ハチ公前で街頭募金に参加したほか、番組に出演してたすけあいへの協力を呼びかけた。
また、全国の各放送局でも、11月から12月にかけて福祉キャンペーン「NHKハート・プロジェクト」として放送やイベントを集中的に展開する中、「NHK歳末・海外たすけあい」をその中核事業として位置づけ、様々な方法でPRに努めた。
その結果、平成18年度は、「歳末」「海外」を合わせた義援金総額は過去10年で最も多くなった。
義援金総額 17億6,209万9,868円(17万2,597件)
<内訳>
- 歳末たすけあい 9億3,554万3,379円(9万1,060件)
- 海外たすけあい 8億2,655万6,489円(8万1,537件)
歳末たすけあいは、中央共同募金会を通じて全国の障害者の方々や、援助や介護を必要とするひとり暮らしのお年寄り、援助を必要とする子どもたち、長期療養生活をしている人、生活が困難な世帯、災害地などに配分された。
海外たすけあいの義援金は、日本赤十字社が赤十字国際機関と協力し、スーダン西部ダルフール地域やタンザニアにおける難民への支援、ケニアなどアフリカ諸国における干ばつ・食糧危機に対しての支援を継続し、アジア・大洋州諸国での災害対策事業を支援する。
また、南部アフリカにおいて、エイズ患者とその家族に対する支援やエイズ感染予防教育を実施、インドネシアを中心にHIVの感染予防活動などの支援を行う。
(2)国内・海外の災害義援金受け付けの実施
平成18年度当事業団ではNHK、日本赤十字社、共同募金会などと共催で、「ジャワ島中部地震災害救援金」を受け付けた。
また、国内での台風、地震、竜巻などの地域災害では、当事業団(地域によっては、当事業団支局)と被災地のNHK各放送局などで、義援金受付けを6件行った。18年度末の3月25日に石川県能登沖で起きた地震により被災された方々に対して、NHK金沢放送局などでは「能登半島地震災害義援金」の受付を行っている。
- ア.国内災害たすけあい(風水害災害)
- 長野県大雨災害義援金 平成18年7月26日?8月18日 8,504万円 4,089件
- 宮崎県7.22集中豪雨被害義援金(宮崎局) 7月26日?8月25日 2,388万円 1,959件
- 鹿児島県北部豪雨 災害義援金(鹿児島局) 7月26日?8月25日 1億5,270万円 4,288件
- 宮崎県台風13号被害義援金(宮崎局) 9月20日?10月19日 2,259万円 1,794件
- 平成18年佐呂間町竜巻災害義援金 11月9日?12月8日 7,715万円 4,762件
- イ.国内災害たすけあい(地震災害)
能登半島地震災害義援金 平成19年3月26日?9月28日(継続中) 12億5,925万円(4月19日現在) 46,744件
ウ.海外災害たすけあい
- ジャワ島中部地震災害救援金 平成18年5月29日?6月30日 23億5,253万円 61,617件
(3)災害救護活動の実施
災害発生時には、NHKと連携し救護活動を実施している。平成18年度は、宮崎県、鹿児島県、長野県の豪雨災害、北海道佐呂間町で大規模な竜巻災害が発生し多数の死傷者が出て災害救助法が適用された。被災者に対してNHK各放送局を通じて、災害救援物資タオルを送付した。
- 宮崎県7.22集中豪雨 7月25日 えびの市 1,000本
- 鹿児島県北部豪雨 7月25日 大口市、出水市、薩摩川内市他 1,000本
- 長野県7月豪雨 8月1日 諏訪市、岡谷市他 1,500本
- 北海道佐呂間町竜巻災害 11月7日 北海道佐呂間町 500本
(4)第18回地域福祉を支援する「わかば基金」
あすの福祉の芽を育てる「わかば基金」は、福祉の分野で地道に活動を続けているグループを励まし、支援するために設けられたもので、今回で18回目を迎えた。
全国419件のグループから申し込みがあり、9月4日の選考委員会で、17グループを選考し、総額707万円の支援金を贈った。
これで、初回からの贈呈件数は267グループとなった。
<支援先>
- 【支援先】*17グループ *支援金総額:707万円
- あおぞらの会 (岩手県軽米町) 30万
- NPO法人 わいわい・かんとりー (山形県遊佐町) 38万
- 朗読ボランティア あしびの会 (新潟県上越市) 20万
- NPO法人 わかば (栃木県高根沢町) 70万
- 特定非営利活動法人 教育サポートセンターNIRE(ニレ) (東京都品川区) 50.5万
- 特定非営利活動法人子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク(神奈川県伊勢原市) 40万
- 特定非営利活動法人 ぽれぽれ・ちば (千葉県白井市) 48万
- 君津市ろうあ協会 (千葉県君津市) 13万
- いまきいとき隊 ビデオプロジェクト (滋賀県大津市) 55万
- NPO法人自閉症研究会たんぽぽ (滋賀県近江八幡市) 19万
- 京都盲ろう者 ほほえみの会 (京都府京丹後市) 60万
- 宇治市字幕つけサークル“トトロ” (京都府宇治市) 54万
- 若年認知症支援の会 愛都(アート)の会 (大阪府大東市) 37.5万
- 和医大ボランティアの会 (和歌山県和歌山市) 49万
- 特定非営利活動法人精神保健ボランティア ハート・とくしま(徳島県徳島市) 23万
- 特定非営利活動法人 エルマーの会 (山口県岩国市) 70万
- 障害者小規模共同作業所 ドリーム・コム (福岡県北九州市) 30万
(5)物品などの寄贈
- 「福祉相撲号」の寄贈
「第40回 NHK福祉大相撲」の純益により福祉車両「福祉相撲号」9台を購入し、これに日産自動車株式会社からの寄贈1台を合わせて、10台の「福祉相撲号」を障害のある人たちの療育活動や、お年寄りのデイケアなどの福祉活動を行っている施設・団体に寄贈した。
また、今回は財政再建団体となった北海道夕張市の社会福祉法人 夕張市社会福祉協議会に支援金を贈呈した。
これで初回以来の寄贈台数は、233台となった。
<寄贈先>
- 社会福祉法人 七ヶ浜町社会福祉協議会 宮城県七ヶ浜町
- 社会福祉法人 欅会石岡市特別養護老人ホームのぞみ 茨城県石岡市
- 社会福祉法人 ウエルビーイングつるが
- 福井県発達障害者支援センター スクラム福井 福井県敦賀市
- 社会福祉法人 朋友会 石川県加賀市
- 社会福祉法人 那智勝浦町社会福祉協議会 和歌山県那智勝浦町
- 社会福祉法人 大阪府社会福祉協議会 大阪市
- 社会福祉法人 北栄町社会福祉協議会 鳥取県北栄町
- 社会福祉法人 高知小鳩会 高知県春野町
- 社会福祉法人 長尾福祉会
- のぞみ児童デイサービス事業所 香川県さぬき市
- 社会福祉法人 屋久町社会福祉協議会 鹿児島県屋久町
- 「車いす付き介護浴槽」・「視覚障害者用パソコン」の寄贈
春と秋に開催した「歌謡チャリティーコンサート」の純益により、車いす付き介護浴槽と音声ガイド付き視覚障害者用パソコンを購入し、福祉施設・団体へ贈呈した。
◎4月20日 横浜市で開催した「歌謡チャリティーコンサート」の純益で、「車いす付き介護浴槽」を神奈川県内の4か所の高齢者福祉施設に贈呈した。
<寄贈先>
- 社会福祉法人 特別養護老人ホーム ハートピア (相模原市)
- 社会福祉法人 新磯野デイサービスセンター (相模原市)
- 社会福祉法人 特別養護老人ホーム 弥生園 (横浜市)
- 社会福祉法人 特別養護老人ホーム 桜寿園 (川崎市)
◎9月15日郡山市で開催した「歌謡チャリティーコンサート」の純益で、「音声ガイド付き視覚障害者用パソコン」を全国20か所の福祉施設や団体に贈呈した。
<寄贈先>
- 千歳市点字図書室 (北海道千歳市)
- 札幌市視聴覚障がい者情報センター (北海道札幌市)
- 青森県視覚障害者情報センター (青森県青森市)
- 秋田県点字図書館 (秋田県秋田市)
- 福島県点字図書館 (福島県福島市)
- リホープ (千葉県佐倉市)
- 東京ヘレン・ケラー協会点字図書館 (東京都新宿区)
- 豊島区立中央図書館 ひかり文庫 (東京都豊島区)
- 横須賀市点字図書館 (神奈川県横須賀市)
- 石川県視覚障害者情報文化センター (石川県金沢市)
- 静岡医療福祉センターライトホーム (静岡県静岡市)
- 三重県視覚障害者支援センター (三重県津市)
- 滋賀県立視覚障害者センター (滋賀県彦根市)
- 大阪市立早川福祉会館 (大阪府大阪市)
- 西宮市視覚障害者図書館 (兵庫県西宮市)
- 広島県立点字図書館 (広島県広島市)
- 山口県点字図書館 (山口県山口市)
- 高知点字図書館 (高知県高知市)
- 長崎県立点字図書館 (長崎県長崎市)
- 宮崎県立視覚障害者センター (宮崎県宮崎市)
- チャリティー陶芸展による物品寄贈
日本陶芸倶楽部、毎日新聞東京社会事業団と共催した「第39回日本陶芸倶楽部チャリティー作品発表展」(5月16日?21日・日本橋三越本店)による純益の一部で、福祉施設6か所に洗濯機を贈呈した。
- ベトナムで奨学金を贈呈視聴者からの寄付を受けて、平成14年から「ベトナムの子どもを支える会(代表小山道夫)」を通じてフエ市の学生に奨学金を贈呈し、ベトナムの民間支援として高い評価を得た。寄付者の申し出により平成18年度から4年間、第2期の奨学事業を継続することとなり、約100人の学生に学資の給付を開始した。
- 「別冊 NHKウイークリーステラ 大相撲特集」寄贈
NHKサービスセンター寄贈による「別冊 NHKウイークリーステラ 大相撲中継」を全国2,140か所の老人福祉施設(ケアハウス、軽費、養護)に年6回、毎回4,280部を贈呈した。
(6)催物への招待
「第40回 NHK福祉大相撲」などチャリティー催物開催時に、知的障害施設、盲学校生徒などの方々739名を招待した。
- 第44回N響「第9」演奏会 12月27日 NHKホール 招待者359名
- 第40回NHK福祉大相撲(平成19年) 2月11日 両国国技館 招待者380名
- 招待者合計:739名
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7.広報活動
広く事業団の活動を周知するため、事業内容を紹介する印刷物を催し物会場で配布したり、定期的に福祉情報誌を刊行するなど福祉活動への理解と協力を求めることに努めた。また、ホームページを大幅に拡充し、催し物の周知や活動報告などを分かりやすく伝え、「NHKボランティアネット」と合わせて、ネット時代にふさわしい広報活動を行った。
(1)広報物の作成・配布
「NHK厚生文化事業団年報」(年1回)などを発行して、事業団の福祉活動への理解促進をはかった。
また、NHK福祉情報誌「はーとはーと」(年4回:季刊誌)「事業団のふくし(業務案内パンフレット)」「事業紹介ポスター」を作成し、催し物会場での配布をはじめ、さまざまな機会をとらえて、周知活動を行った。
また、NHKの放送、ニュースによる各種事業の紹介のほか、外部に対する記事提供により、新聞・雑誌などでも活動内容が紹介された。
(2)広報活動の強化にホームページの拡充
ネット時代をむかえ、事業団のホームページを全面的に作り直し、利用者に見やすく、分かりやすい画面とした。
内容は、事業団の催し物の予定、実施したフォーラムの報告、福祉ビデオライブラリーの検索などのほか、事業団が長年蓄積しているNHK障害福祉賞や高齢者の生き方を綴る「銀の雫」の入選作品、「ホスピスってなぁに?」の冊子の一部をネットで閲覧できるようにした。
さらに、メールで利用者のお問い合わせに即応出来るようにした。
今後、福祉情報のコンテンツを開発しネット社会にふさわしい業務を展開する。
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8.共催、後援、協賛した事業
(1)関係団体等との共催事業
関係団体とともに下記の事業を実施した。
- 上方落語の会 4月28日、5月24日、6月20日、7月20日、9月6日、10月11日、11月16日、(平成19年)1月10日、2月14日、3月6日(計10回) NHK大阪ホール 入場者計 6,743名 *共催:NHK大阪放送局
- 東西浪曲大会 9月2日 NHK大阪ホール 入場者 669名*共催:NHK大阪放送局
- 第52回 全国里親大会 10月1日 パシフィコ横浜会議センター 参加者 700名 *共催:厚生労働省、横浜市、全国里親会ほか
(2)後援、協賛したもの
福祉、医療、教育団体が行う福祉事業や福祉目的のチャリティー事業に積極的に協力し、本部・支局合わせて269事業の後援、協賛を行った。
- チャリティー催物(51件)「ホテルオークラ アートコレクション」「サロン・デ・ボザール展」「チャリティー吉書展」「テーブルウェア・フェスティバル2007」「ジャパンカップ2006チアリーディング日本選手権大会」「アザミ革工芸展」「チャーチル会東京油絵展」「日本ホビーショー」「国展」「春陽展」「暮らしを彩る器と工芸展」「日本きもの博覧会」「チャリティー全国大陶器市」などのチャリティー催しを後援、協賛し、社会福祉のために寄付が寄せられた。
- 関係団体の行事、催物(218件)「国際福祉機器展」「日本車椅子バスケットボール選手権大会」「全日本盲人写真展」「本間一夫文化賞」「心の輪を広げる障害者 理解促進事業」「朗読録音奉仕者感謝の集い」「肢体不自由児・者の美術展」「全日本手をつなぐ育成会全国大会」「日本視覚ハンディキャップテニス大会」「全国ボランティアフェスティバル」「平成18年度肢体不自由児雪遊びのつどい」「障害者自立支援フォーラム2007」「愛知県障害者スポーツ大会」「日本自閉症協会全国大会」「北九州精神障害者家族会連合会総会」「福岡県情緒障害教育研究会」などの関係団体の実施する各種行事、催物などを後援、協賛した。
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9.寄付金
一般寄付金、チャリティー寄付金は、322件(個人:143件/団体:179件)121,114,366円にのぼった。
そのうち、
- 近畿支局扱い 52件(個人:18件/団体:34件) 5,334,702円
- 中部支局扱い 33件(個人:10件/団体:23件) 1,900,945円
- 九州支局扱い 31件(個人: 4件/団体:27件) 1,437,600円
であった。
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10.賛助会員・維持会員
賛助会員は一般法人に広く協力を求め、本年度は、38団体40口の新規入会および1団体29口の増口があったが、業績不振等により、減額1団体2口、退会7団体8口の申し出もあり、合わせて190団体から3,100万円の支援を受けた。
また維持会員については、NHKおよびNHK関連団体職員など6,422名が登録し、その額は7,909,600円に達した。
〔賛助会員一覧〕
- アーチェリープロダクション
- 近鉄タクシー
- スタジオディーン
- 葵設備工事
- 近物レックス
- 住友信託銀行
- アストロデザイン
- クルーガー
- 住友電気工業
- アメリカンファミリー
- KDDI
- 駿台学園
- イオンディライト
- 芸能夢舞台
- セノン大阪支社
- 池上通信機
- 高津商会
- 善意の輪
- 石川近鉄タクシー
- 江綿
- 全国大陶器市振興組合
- 岩谷産業
- 国際自動車
- 全国陶器祭振興会
- 岩手ホテルアンドリゾート
- コクヨ
- 全日本空輸
- 梅田舞台
- コジマ
- 全日本舞踊連合会
- エー・チーム
- 紺文
- ゼンリン
- 栄光舎
- 佐鳥電機
- 総合システム管理
- 81プロデュース
- サンコーシャ
- 相互住宅
- エクサート松崎
- ジーズコーポレーション
- ソニー
- NTTコミュニケーションズ
- ジェイアール東海高島屋
- 第一生命
- NTTファシリティーズ関西事業本部
- ジオン・グラフィック
- ダイキン工業
- 荏原製作所
- 四国電力
- ダイクレ
- 遠藤波津子美容室
- 資生堂
- 大成建設名古屋
- 大阪ガス
- 渋谷ビデオスタジオ
- 大和自動車交通
- 大阪上町桜ライオンズクラブ
- 島精機製作所
- 大和証券エスエムビーシー
- 大林組
- 小学館
- 高山信用金庫
- 岡谷鋼機
- 商工組合中央金庫
- 竹中工務店九州支店
- オフィスエムアンドビー
- 商船三井
- タムラ製作所
- 加賀電子
- 白川プロ
- 千葉銀行
- 勝亦電機製作所
- 新光証券
- 中国電力
- 加藤電気工業所
- 新日本空調
- 中部盆栽組合
- 川崎重工業
- 瑞雲書道会
- 津幡技研
- 川嶋印刷
- スーパー・ブレーン
- つむら工芸
- 関西電力
- スタービーイング
- 帝産キャブ名古屋
- 帝都自動車交通
- バーニングプロダクション
- NHKインターナショナル
- 電気興業
- 白洋舎
- NHK営業サービス
- 天神工務店
- 花岡無線電機
- NHKエデュケーショナル
- デンソー
- 阪急産業
- NHKエンジニアリングサービス
- 電通
- 阪急電鉄
- NHKエンタープライズ
- 東海ゴム
- ピープルスタッフ
- NHKオフィス企画
- 東急ファシリティサービス
- ビーワイルド
- NHK九州メディス
- 東京海上日動火災
- ヒサヤ大黒堂
- NHK共同ビジネス
- 東京電力
- 日立国際電気
- NHKきんきメディアプラン
- 東京日産自動車販売
- 日の丸自動車
- NHKコンピューターサービス
- 東芝
- 福家書店
- NHKサービスセンター
- 東新紙業
- 富士通
- NHK情報ネットワーク
- 東北電力
- 福建社
- NHKちゅうごくソフトプラン
- トーエネック
- ブラザー工業
- NHK中部ブレーンズ
- トヨタ自動車
- プロシード
- NHKテクニカルサービス
- 名古屋鉄道
- 報映産業
- NHK東北プランニング
- 西日本アクセスコミュニケーションズ
- 堀内カラー互助・奉仕会
- NHK名古屋ビルシステムズ
- 西日本環境保障
- 真柄建設
- NHKプロモーション
- 日産自動車
- マスプロ電工
- NHK文化センター
- 日清食品
- 松坂屋
- NHK放送研修センター
- ニッセイ同和損害保険
- 松下電器産業
- NHK北海道ビジョン
- 日本アロハ協会
- 丸一鋼管
- 共栄サービス
- 日本音楽事業者協会
- 丸徳産業
- 国際メディア・コーポレーション
- 日本音楽著作権協会
- みずほコーポレート銀行
- 総合ビジョン
- 日本ガイシ
- 三越名古屋カンパニー
- 日本放送協会学園
- 日本芸能実演家団体協議会
- 三菱UFJ信託銀行
- 日本放送協会共済会
- 日本ケミカルリサーチ
- 明電舎
- 日本放送出版協会
- 日本交通
- 森平舞台機構
- 日本文字放送
- 日本たばこ産業
- 山一商事
- 放送衛星システム
- 日本通信機
- ヤマサちくわ
- 日本電気
- 山本達浩
- 日本ハム
- ヨコシネディーアイエー
- 日本版画会
- 吉本興業
- 日本レコード協会
- WOWOW
- ノーリツ鋼機
- NHKアート
- 野村證券
- NHKアイテック
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11.役員
(1)役員体制 (平成19年3月31日現在)
- 理事長 北村 真征(元NHK総合企画室[関連事業]局長)
- 副理事長 伊東 律子 (元NHK理事)
- 常務理事 小熊 修次 (元NHK大阪放送局副局長)
- 理事(非常勤) 江草 安彦 (社会福祉法人旭川荘理事長)
- 理事(非常勤) 小山内 美江子(シナリオライター)
- 理事(非常勤) 金田 一郎 (社会福祉法人聴力障害者情報文化センター理事長(元社会保険庁長官)
- 理事(非常勤) 原田 豊彦 (NHK理事)
- 理事(非常勤) 日向 英実 (NHK制作局長)
- 理事(非常勤) 北郷 勲夫 (財団法人日本障害者スポーツ協会会長(元社会保険庁長官)
- 理事(非常勤) 三浦 文夫 (武蔵野大学名誉教授)
- 監事(非常勤) 本田 章博 (社会福祉法人中央共同募金会常務理事(元国立身体障害者リハビリテーションセンター管理部長)
- 監事(非常勤) 加藤 陽三 (株式会社NHK文化センター経理部長)
(2)理事および監事に支払った報酬等の額
当該事業年度における当事業団の理事および監事に対する報酬等の内容は、以下のとおりです。
理事 12名 32百万円
監事 2名 ?
(注)1.上記人数には、当期中に退任した常勤理事2名が含まれています。
2.上記のうち、非常勤の理事7名、監事2名には、報酬は支払っていません。
終わり
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