NHK厚生文化事業団 平成17年度事業報告書
目次
はじめに
社会福祉の動きと事業団のとりくみ
わが国の社会福祉は介護保険制度、支援費制度の導入で大きく変わりましたが、制度の持続可能性の視点等から見直しが行われ、平成17年の介護保険制度改正、障害者自立支援法の成立によって更なる転換期を迎えました。また、発達障害者支援法が施行され、課題であった発達障害に対する総合的な支援施策への取り組みがスタートしました。
一方、視聴者・国民の福祉ニーズは、ますます拡大・多様化しており、いっそうきめ細かな福祉サービスが求められています。
平成17年度、当事業団はNHK関連の社会福祉法人として、このような社会情勢の変化を踏まえ、視聴者・国民のニーズに応えるさまざまな福祉事業を実施しました。
特に、障害者福祉・高齢者福祉を基軸とした各種支援事業や情報提供、ボランティア促進事業など、NHKとの緊密な連携の下に公共放送ならではの福祉活動の展開をはかり、「心豊かな福祉社会の実現」に努めました。平成17年度の主な実施事業は次のとおりです。
○発達障害児支援への取り組み
発達障害者支援法の施行を踏まえ、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)など、発達障害のある子どもたちのための相談会やフォーラムを開催して発達障害児に対する支援を強化しました。
○第40回NHK障害福祉賞の実施
記念イベント「ともに生きるつどい」を開催するとともに、入選作品集「自立と共生をめざして」を発行し、障害福祉への共感と反響を呼びました。
○福祉ビデオ「ホスピス」の制作・動画配信
当団作成「ホスピスガイドブック」の反響に応えて「ホスピス」ケアの実際や利用法を紹介する福祉ビデオを制作し、その概要をホームページで動画配信するとともに、全国の地域がん診療拠点病院などの関係団体に配布・利用に供しました。
○「福祉相撲号」等、福祉機器の寄贈
NHK福祉大相撲の益金により、福祉車両10台を各地の福祉施設・団体に寄贈したほか、NHK歌謡チャリティーコンサートの益金で高齢者福祉施設(3か所)に「車いす付介護浴槽」、全国20の福祉施設に「音声ガイド付視覚障害者用パソコン」を贈呈しました。
○NHKハートフォーラムの開催
広く社会福祉の向上に資するため、障害者福祉・高齢者福祉・ボランティアをテーマとするNHKハートフォーラムを全国各地で開催(39回)しました。
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1.障害者福祉事業
(1)こどもの発達相談会および療育キャンプ
近畿、中部、九州地域において、ことばや発達の遅れた子どもや親のための定例相談会を実施するとともに、東京、近畿では学習障害等の相談会を実施した。
ア.定例相談会
近畿、中部、九州で13回実施した。知的や言語の発達のおくれや、自閉症、重複障害などの子どもの相談が多かった。
- 近畿 5回 相談件数 71件
- 中部 4回 相談件数 254件 グループ相談形式
- 九州 4回 相談件数 44件
イ.母と子の療育キャンプ
東京と近畿では、これまで定例相談会に参加した子どもと母親を対象に「母と子の療育キャンプ」を行ってきたが、さらに利用者のニーズにあったプログラムを開発するため今年度は休止し、中部のみ実施した。
中部の「NHKやまびこキャンプ」は22回目を迎え、愛知教育大学障害児教育講座の協力により実施した。
中部 8月5日から7日 愛知県豊田市の旭高原元気村で 参加者は19組
ウ.LD・ADHD・高機能自閉症教育相談会
「定例相談会」から、LDやADHD児に関する相談を独立させ、近畿支局では平成12年度から「LD教育相談会」、東京では平成13年度から「LD・ADHD・高機能自閉症教育相談会」(平成17年度より、「LD相談会」を名称変更)として実施している。
- 東京 4回 相談件数 59件
- 近畿 2回 相談件数 35件
(2)肢体不自由児・者の療育活動
肢体不自由児・者の療育キャンプを肢体不自由関係団体と共催・協力により各地で実施した。夏季、冬季の野外活動を通じて、参加者の自立と社会参加を促進し、あわせて交流の輪を広げた。
- 第37回フレンドシップ・キャンプ 8月16日から18日 大阪府立少年自然の家で 参加66名
- 第37回高木記念山中キャンプ
- (1)8月22日から24日 山梨県山中湖村で 参加70名
- (2)8月26日から29日 山梨県山中湖村で 参加68名
- 第17回雪と遊ぼう 親と子の療育キャンプ 1月7日から9日 新潟県南魚沼市で 参加93名
- 第33回雪あそびのつどい 2月5日から6日 兵庫県千種町で 参加 50名
(3)NHKハートフォーラム(障害福祉・発達障害福祉)の開催
「自閉症」のほか、最近関心が高まっている「学習障害(LD)」「注意欠陥多動性障害(ADHD)」などについての取り組みを強化し、各地の放送局や関係団体と共催で 「NHKハートフォ−ラム(障害・発達障害)を14回開催した。
○障害福祉
- 6月21日 佐賀県江北町で ろう俳優と子どもたちの交流体験 参加104名
- 7月24日 東京都豊島区で 冨貴子先生のおしゃれな料理教室 参加27名
- 平成18年3月1日 和歌山県和歌山市で 新垣勉と本上まなみの君に贈る歌」 参加1200名
参加者合計1331名
○発達障害福祉
- 6月5日 富山県富山市で 高機能自閉症・アスペルガー症候群について考える 参加290名
- 6月19日 和歌山県和歌山市で ネットワークで考える特別支援教育 参加320名
- 6月26日 大阪府大阪市で 発達障害者のある本人・家族への支援に向けて 1,700名
- 7月3日 静岡県静岡市で 特別支援教育のよりよき実現に向けて 参加403名
- 7月10日 北海道札幌市で LDの基本理解と具体的支援 参加262名
- 7月30日 新潟県新潟市で 特別支援教育モデル事業の報告と今後の展望 420名
- 9月19日 愛媛県松山市で 特別支援教育を実現するためのネットワーク作り 372名
- 11月19日 大分県大分市で LD及びADHD児・者を支援するために」 参加265名
- 12月11日 大阪府大阪市で 軽度発達障害の基礎と実践講座 参加352名
- 平成18年1月14日 鹿児島県鹿児島市で 自閉症児・者を支えるために 参加515名
- 3月4日 東京都杉並区で 軽度発達障害のある人の特性をのばし、就労につなげる 参加340名
参加者合計5239名
(4)第40回NHK障害福祉賞
概要
障害のある人の体験記録や、障害児・者の教育や福祉の分野での実践記録に贈るNHK障害福祉賞は第40回目を迎えた。NHKが共催となり、テレビ・ラジオにより全国に周知が行き届き、これまで最多の応募数となった。また、40回を記念して「ともに生きる」をテーマにNHKふれあいホールで贈呈式とイベントを実施した。
- 第1部門 障害のある本人の部門
- 第2部門 障害のある人とともに歩んでいる人の部門
応 募 数424編。内訳は、第1部門が295編、第2部門が129編。
入選作
- 最優秀 「頭がチーズだったから」杉田知代子(静岡県)
- 優秀(第1部門)
- 「親子連動型軽度発達障害」笹森理絵(兵庫県)
- 「私の見つめた歳月」鈴木みのり(静岡県)
- 優秀(第2部門)
- 「劇への参加が娘に残してくれたもの」菊池みどり(鳥取県)
- 「当社での障害者雇用での「であい」」中堀良子(三重県)
- 矢野賞
- 「中途失明〜ある冬の朝の出来事」 内田 捷治 (東京都)
- 佳作 5編
また、入選作品は「入選作品集〜自立と共生をめざして」として刷成し、広く頒布したほか、朗読による音声版(テープ)の入選集を作成し、全国の点字図書館や視覚障害の応募者などに提供した。
また、今回の入選作品のうち3作品が、「福祉ネットワーク」(平成17年12月5日から7日 NHK教育テレビ)で放送された。最優秀の杉田さんの作品は大きな反響をよび、1茨城放送(民間ラジオ局)では、全文が朗読で紹介された。
第40回NHK障害福祉賞 記念イベント〜ともに生きるつどい〜 実施
記念イベントは、12月3日NHKふれあいホールを会場にして行った。
- 第1部では、過去入賞された視覚障害の清水紘子さんがピアノの演奏を披露した。
- 第2部の贈呈式は、最優秀、優秀、矢野賞の入選者と畠山NHK理事や選考委員が出席して行われた。
- 第3部では、17年度の最優秀杉田知代子さんをはじめ、これまでに入賞された天野英一郎さん(クーゲルベルグ・ベランダー病)、長谷川しのぶさん(お子さんが自閉症)、清水紘子さんが参加し「ともに生きる」社会をつくるにはどうしたらよいかをテーマに、元NHK解説委員の村田幸子さんの司会で話し合った。
第40回を迎えたNHK障害福祉賞はニュース等で放送される機会が多く、入選作品集の問い合わせや申し込みが多数あった。
(5)第10回NHKハート展
障害のある人が創作した詩に、各界で活躍する著名人などが詩のイメージで絵を描き、併せて展示する「NHKハート展」を平成6年度から開催してきた。
第10回NHKハート展は、平成17年度内に全国12会場で開催され、あわせて7万5,324人が入場し、これまでの最高の入場者数となった。
また、第11回NHKハート展は、日本全国からこれまでの応募作品数としては一番多い4,898編の詩が寄せられた。その中から50作品が選ばれ、画家や著名人の絵などが添えられた。
これらの作品は、平成18年3月7日から12日まで開催した日本橋三越での東京展を始めとして、平成18年度内に神戸市、静岡市など14か所で巡回展を開催する予定。
第10回NHKハート展 入場者数(12会場)
- 東京展 (平成17年)3月1日(火)〜 3月6日(日) 日本橋三越 9,271名
- 神戸展 6月19日(日)〜 6月30日(木) NHK神戸放送局 放送会館 1,313名
- 和歌山展 8月 5日(金)〜 8月10日(水) 和歌山近鉄百貨店 4,546名
- 大阪展 8月12日(金)〜 8月19日(金) 国際障害者交流センタービッグアイ 1,290名
- 山口展 9月14日(水)〜 9月30日(金) NHK山口放送局 放送会館 2,964名
- 静岡展 10月15日(土)〜10月30日(日) 静岡県コンベンションアーツセンター・グランシップ 7,083名
- 熊本展 11月 3日(木)〜11月11日(金) くまもと県民交流館 パレア 1,131名
- 福岡展 11月13日(日)〜11月23日(水) NHK福岡放送局 放送会館 2,339名
- 東京展 11月26日(土)〜12月11日(日) NHKスタジオパークギャラリー 31,613名
- 福島展 12月14日(水)〜12月25日(日) こどもの夢を育むこむこむ 2,330名
- 松山展 (平成18年)2月11日(土)〜 2月17日(金) 三越松山店 5,600名
- 長野展 2月24日(金)〜 3月 1日(水) ながの東急百貨店 5,844名
(6)NHKハート・ストリート
NHKは福祉キャンペーンを推進するため、今年度「NHKハート・プロジェクト」を発足させた。NHKハート・ストリートはそのイベントの一つで、渋谷駅からNHKまでの公園通りを障害者のアートで飾り、街行く人々に親しんでもらい、併せて障害者理解を深めてもらおうと始めた。
- 実施期間 10月31日〜11月24日 街路灯フラッグに絵画掲出 488点
- 実施期間 11月12日〜12月25日 ショーウインドーに絵画展示 80点
オープニングイベント
- 場所 マルイシティー渋谷1階入口前
- 出演 歌とトーク アツキヨ(ギター&ボーカルに手話をとり入れた2人組)作画者2人参加
協力団体
絵画は、東京都立養護学校(中野、港、青鳥、光明)、神奈川県立養護学校(保土ヶ谷、鶴見、瀬谷)、日本肢体不自由児協会、東京都知的障害者育成会、日本チャリティ協会などの団体や個人。
街路灯や店舗については、渋谷区公園通商店振興組合。
(7)スポーツイベントの開催
東京都、東京都障害者スポーツ協会とともに知的障害児・者のスポーツの集いを実施した。
また、障害のある人のスポーツ、運動競技への関心の高まりを受け、障害のある人もない人もスポーツを通じて交流を深める「NHKハートスポーツフェスタ」を4会場で開催した。
- 第39回スポーツの集い
- 9月7日東京都渋谷区 東京体育館 参加者3,800名
- NHKハートスポーツフェスタ 9月24日 広島県三原市「第1回障害者スポーツフェスティバルIN三原」 参加者440名
- 9月25日 大阪府大阪市「みんなで一緒に車いすバスケットボール」 参加者300名
- 10月9日 神奈川県横浜市「体験!車いすバスケットボール」 参加者100名
- 12月3日 愛知県愛西市「体験!車いすバスケットボール」 参加者160名
合計参加者:1,000名
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2.高齢者福祉事業
(1)NHK福祉ネットワーク「公開 すこやか長寿」
NHK教育テレビ「福祉ネットワーク 公開すこやか長寿」の番組収録と、高齢者の健康等に役立つ講演を内容とした高齢者福祉イベントを全国10か所で開催した。
- 4月16日 島根県江津市「老化防止のウォーキング」 参加者646名
- 5月14日 北海道上士幌町「日常動作を維持する法」 参加者180名
- 6月12日 千葉県大多喜町「脳をいつもイキイキと!」 参加者453名
- 7月17日 兵庫県夢前町「姿勢を保ってからだ元気」 参加者267名
- 9月4日 千葉県我孫子市「座ってできる体力強化」 参加者515名
- 9月24日 宮崎県宮崎市「粘り強さと力強さを回復しよう」 参加者282名
- 10月2日 長野県箕輪町「足腰の動きを柔軟に〜太極拳のコツを学ぶ」 参加者400名
- 11月26日 愛知県大府市「寝たきり予防の体操」 参加者630名
- 12月17日 埼玉県八潮市「簡単!筋力アップ体操」 参加者471名
(平成18年)
- 1月28日 東京都中野区「高齢者のヨーガ健康法」 参加者400名
合計参加者:4,244名
(2)NHKハートフォ−ラム(高齢者福祉)
地域の高齢者福祉のニーズに応えながら、健康で生きがいをもって充実した人生を送れるように楽しく参加するフォーラム、認知症のケアや成年後見制度をわかりやすく学ぶフォーラムなど11回開催した。
- 6月19日 宮崎県宮崎市「認知症の正しい理解とケア」 参加者285名
- 7月2日 宮城県塩竃市「鎌田實 いのちの対話」 参加者260名
- 8月23日 埼玉県秩父市「健康一番!いきいきシルバーライフ」 参加者1,041名
- 8月27日 群馬県前橋市「老いても自分らしくあるために〜成年後見とは〜」 参加者263名
- 9月4日 広島県広島市「認知症の予防」 参加者190名
- 9月12日 三重県松阪市「高齢者のいきがいや介護」 参加者433名
- 10月2日 鳥取県湯梨浜町「元気に歩む365日」 参加者485名
- 11月9日 北海道帯広市「地域の子どもを育てるボランティア」 参加者1,128名
- 11月12日 岩手県金ヶ崎町「めざせ!いきいき幸齢者」 参加者157名
(平成18年)
- 2月12日 熊本県荒尾市「老後を元気に!笑いと体操で健康アップ」 参加者371名
- 2月19日 東京都千代田区「ホスピスってなあに?」 参加者320名
合計参加者:4,933名
(3)ラジオ公開生放送「鎌田 實 いのちの対話」の実施
長野県諏訪中央病院の鎌田 實医師をホスト役に毎回多彩なゲストを迎え「いのち」について参加者とともに考えるラジオ公開生放送。今年度は4回行い、朝早くの生番組にもかかわらず多くの視聴者が参加した。
- 4月29日 宮崎県新富町 参加者750名
- 7月18日 高知県高知市 参加者627名
- 10月10日 愛知県名古屋市 参加者412名
(平成18年)
- 1月9日 群馬県伊勢崎市 参加者552名
合計参加者:2,341名
(4)第18回どう生きる高齢社会「銀の雫文芸賞」
公益信託「雫石とみ文芸賞基金」による「銀の雫文芸賞」は、高齢社会をテーマとした特色ある文芸賞で、18回目を迎えた。今回は、全国から564編の応募があり、次の3編が入選した。
入選作品は、「銀の雫文芸賞作品集」として刷成、頒布した。
- 最優秀 『はるさんの日記』 古厩 志津子(東京都)
- 優秀 『葉照りの中で』 佐野 正芳(島根県)
- 『おばあちゃん1200キロの旅』 能勢 健生(神奈川県)
なお、「はるさんの日記」は、ラジオ「FMシアター」(平成18年1月7日(土)NHKラジオ−FM)で放送され、第43回ギャラクシー賞ラジオ部門「ギャラクシー賞選奨」を受賞した。
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3.ボランティア活動促進事業
我が国のボランティア活動は、児童・障害者・高齢者など福祉分野はもとより、さまざまな分野で多様、かつ活発に展開されている。
NHKからの受託事業として運用している「NHKボランティアネット」は、ボランティア活動に携わる人たちや推進団体への情報源として、ますます評価が高まっている。
また、ボランティアネット参加団体との共催で2か所、各地の放送局や地元の関係団体などとの共催で2か所、あわせて全国4か所で「NHKハートフォ−ラム(ボランティア)」を開催した。
(1)NHKボランティアネットの運用
インターネットを通してボランティアに関する情報を発信する「NHKボランティアネット」は、ボランティア元年と呼ばれた平成7年のスタート以来11年を経過した。
この間、ボランティア活動に携わる人も活動内容も多様化して活動は大きく広がり、番組やニュースで活動状況がしばしば取り上げられるなど、国際的にも国内的にもボランティアの存在は欠くことができないものとなっている。
平成17年度は、情報掲載に関して、登録方式からどんな団体でも、幅広く情報を寄稿できるシステムの定着に努めた。寄せられるボランティア募集情報や関連する講座・講演会などイベント情報は綿密に精査して、常時250?310件程度掲載した。また、「ボランティア便利帳」など関連情報コンテンツのデザインや内容の見直しをはかった。
今年度も引き続き、災害支援情報を提供した。記録的な豪雪にみまわれたため早い段階から除雪ボランティア情報を掲載したのが特徴的であった。
国内で発生した大地震や台風、海外のハリケーン「カトリーナ」、パキスタン地震、 フィリピンの地滑りなどに対応し、NHKニュースや義援金・救援金情報、ボランティアの活動状況などを特設コーナーを設けて発信した。また、昨年度から継続して、新潟県 中越地震、インド洋大津波、三宅島帰島関連情報を伝えた。
ホームページへのアクセスとしては、1日に13,000件程度のページビューがあり、大災害時にはその数は2倍、3倍に達することがあった。
年間の総ページビューは4,908,296件でした。
(2)NHKハートフォーラム(ボランティア)の開催
NHKボランティアネットに参加している団体と共催して、色彩によって高齢者や障害者の心をいやす「色彩ボランティア」や「病院ボランティア」を促進するためのフォーラムを実施した。
NHK各放送局や関係団体と共催で、防災フォーラムを2回実施した。松山市では、四国の被災地でボランティア活動をした大学生が、地域を災害から守るにはどうしたらよいかと話しかけ参加者の共感をよんだ。
- 7月9日 東京都渋谷区「心とカラーのシンポジウム」 参加者93名
- 11月6日 愛媛県松山市「災害から地域の暮らしを守るために」 参加者67名
(平成18年)
- 1月15日 愛知県名古屋市「手をとりあってボランティア」 参加者120名
- 2月22日 大阪府大阪市「病院ボランティアだからこそできること」 参加者377名
合計参加者:657名
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4.福祉情報の提供事業
社会福祉に対する視聴者・国民の要望や関心は年々高まり、充実した福祉情報の提供が求められている。そのような状況の中、当事業団の特色であるNHKの放送と一体となった福祉活動の充実をはかるため、福祉情報の提供に努めている。特に、設立来の基幹事業である、NHKの福祉番組を複製して貸し出しを行う「福祉ライブラリー(テープとビデオ)」は、福祉を学ぶ音声・映像資料として多くの方に利用されている。
また、毎年、独自に制作している福祉ビデオの17年度版は「ホスピス(全4巻)」を制作した。このビデオでは、ホスピスの理解、ホスピス緩和ケアの利用方法などについてわかりやすく紹介した。
さらに、福祉情報誌「ピーヴォ」の発行、ホームページでは各種催しの周知、出版物の紹介など、NHKボランティアネットとリンクして積極的に情報提供を行った。
NHKの福祉キャンペーンとして今年度スタートした、「NHKハート・プロジェクト」事業の推進に全面的に協力した。
(1)福祉ライブラリ−活動
NHKの福祉関係の新番組や反響の大きかった番組をいち早く加え、番組複製(テープとビデオ)を行い、利用者のニーズに応えた。
特に、ビデオライブラリーは「NHKボランティアネット」でも貸出しリストの掲載を続け利用促進を図っている。また、聴覚障害者向けに字幕付きのビデオを作成し、全国の聴覚障害者関係施設での貸し出し委託を継続して行った。
- テープライブラリー
視覚障害者向けのテープライブラリーは、12年度から貸し出し委託施設を拡大し利用者の便を図っている。平成17年度は、ラジオ3番組から、13作品2,613本を複製した。
利用は「私の本棚」「朗読」「日曜名作座」などの文芸作品、視覚障害者向けの情報番組「視覚障害者のみなさんへ」などを中心に、年間 17,420 本にのぼっている。
- 複製番組数3番組13作品 複製本数2,613本 利用本数17,420本
◎これまでの利用数累計:1,891,967本
- ビデオライブラリー
テレビの福祉番組から77番組231本のビデオを新たに複製した。
年間の利用状況は、6,904本と引き続き多くの人々に利用されている。利用者は福祉関係の大学・専門学校や福祉の現場で働く人、障害児を育てている親、介護に携わっている人、地域でボランティア活動をしているグル−プ、障害者本人などで、さまざまな層に学習資料として活用された。
利用傾向としては、当事業団作成の「軽度発達障害のより良き理解のために」(平成15年度)や、「ひきこもり」(平成16年度)、NHKの特集番組や自閉症について取り上げた番組のビデオの利用が多かった。
ビデオライブラリーは、福祉への関心が高まる中で年々利用者が増えており、貸し出し手続きや在庫管理にはコンピューターシステムを活用し、今年度も円滑に運用した。
- ビデオ 複製数231本 除籍数574本 保有数1,561本 利用数6,904本
◎これまでの利用数累計:127,245本
- 聴覚障害者向け字幕ビデオライブラリー
NHK字幕放送の拡充にあわせ、聴覚障害者向けサービスとして、平成17年度は、ニーズに応え「福祉ネットワーク」など6本の番組を字幕ビデオ化し(通算18番組)、全国63の聴覚障害者関係施設と当団での貸し出しを行っている。
(2)NHK福祉情報誌「ピーヴォ」の発行
福祉の動きが活発になり、またより身近になってきた中で、最新の福祉に関する話題や、 NHKの福祉番組の詳しい情報をタイムリ−に提供する福祉情報誌「ピーヴォ」を発行して8年が経過した。高齢者、障害者、ボランティアに関する話題と諸情報を専門的かつ多角的に編集し、福祉関係者をはじめ広く一般の方々に提供した。
年4回(季刊)年間34,000部
- NO.33(2005年6月25日発行)『変わる発達障害児への教育』
- NO.34(2005年9月25日発行)『第40回を迎えたNHK障害福祉賞』
- NO.35(2005年12月20日発行)『認知症〜早期発見と予防〜』
- NO.36(2006年3月25日発行)『近所で見つけよう、子育て応援団』
(3)福祉ビデオ「ホスピス」の制作
〈内容〉「ホスピス」全4巻
治癒が困難ながんの患者さんとご家族を最期まで支えてくれるホスピスケアについて、わかりやすく紹介するビデオを制作した。ホスピスを利用したいと思っている人たちが、ホスピスケアの実際について知り、利用するときの手がかりとなる情報を得られる内容とした。
- (制作本数)200セット 800本
- (内容)全4巻
なお、本事業は日本自転車振興会の補助金を受けて実施した。
◆各巻の内容
第1巻 ホスピスとは何か 〜緩和ケア病棟のある看取りから〜
「緩和ケア病棟」というホスピスケアのための施設では、がんの患者さんの多くが体験する痛みを和らげ、最期まで充実した日々を過ごせるよう心身のケアを行っている。緩和ケア病棟で夫を看取った方の手記をもとに、ホスピスケアの実際を伝える。
第2巻 在宅ホスピスケアの可能性 〜最期まで住み慣れた家で〜
最期まで住み慣れた自宅で暮らしたいという願いに応えるのが「在宅ホスピスケア」。訪問診療、訪問看護、訪問介護などを受けて自宅で暮らす方を紹介しながら、在宅ホスピスケアの実際と、自宅での暮らしが可能になる条件について伝える。
第3巻 新しい動き 〜いつでも誰にでもホスピス緩和ケアを〜
入院するほどではない、身の回りのことが自分でできる、そんな段階の患者さんを支える新しい取り組みが始まっている。通院して痛みのコントロールなどをしてもらう「緩和ケア外来」と、日中を仲間とともに過ごす場「デイホスピス」を中心に伝える。
第4巻 ホスピス緩和ケア 利用Q&A
「ホスピスケアの費用はどのくらいかかる?」「緩和ケア病棟がどこにあるか探す方法は?」「ホスピスケアを利用するときの手続きは?」など、実際に、緩和アケ病棟や在宅ホスピスを利用したいと思ったときに役に立つ情報を紹介する。
このビデオは、当事業団から貸し出しをするほか、全国の地域がん診療拠点病院の一部、看護協会の一部、医療ソーシアルワーカー協会の一部などにも貸し出しを委託し、関係者の利用希望に応えていく。
また、ビデオの貸し出しに先立ち、「ホスピス」を理解し疑問にお答えするためダイジェスト版を当団のホームページで、動画配信して紹介した。平成18年1〜3月の3か月間で、情報閲覧のアクセス数は、2,138件となった。
なお、本事業は日本自転車振興会の補助金を受けて実施した。
(4)ホスピスガイドブック「ホスピスってなぁに?」の配布
この冊子は肉親をがんで亡くされた千葉市のYさんからの寄付をもとに発行しているもので、これまで7版の改訂を行い28万部を発行した。
新聞やテレビ、ラジオでの周知、がん患者の増加、終末期医療への関心の高まりによりガイドブックの配布を希望する人が増えている。
(3)で紹介した福祉ビデオ「ホスピス」は、ガイドブックの反響の大きさに応え、さらに分かりやすく制作したものである。
ホスピスガイドブック「ホスピスってなぁに?」(第7版)
- 体裁 B6判 P40
- 内容
- 緩和医療とは
- 施設で受けるケア、自宅でうけるケア
- 費用
- 施設一覧
- 刷成数 30,000 部
- 監修 日本ホスピス緩和ケア協会(旧全国ホスピス・緩和ケア病棟連絡協議会)
ガイドブックは個人からの申し込みのほか、終末医療を学ぶ人、これからホスピスをつくろうとする人などから教材としての利用希望も多く、福祉系大学、看護学校、医療従事者の研究会などに数多く利用されている。
(5)NHK福祉キャンペーン「NHKハート・プロジェクト」との連携
「NHKハート・プロジェクト」は、NHKが今年度福祉キャンペーンとして始めたもので、シンボルマークを親しみやすい「ハート」で統一し、放送やイベントを通じて広く視聴者に「ともに生きる社会」の実現を呼びかけた。当団はこれまで蓄積してきた福祉活動の経験をもとに、下記の番組制作やイベントの実施に協力した。
主な番組やイベント
- 「NHKハートプロジェクト〜つながってゆくハートの輪〜」のイベント実施と番組制作への協力
- NHKハート展の詩の募集と展示会
- NHKハートストリートの絵画作品の募集と実施
- NHKハートフォーラムの実施
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5.チャリティー事業
NHKをはじめ多くの関係団体の支援・協力を得て、以下の主催チャリティー事業を実施した。
チャリティー事業による純益は、障害者福祉事業などに役立てたほか、福祉機器や車両を購入して福祉関係団体・施設へ贈呈した。
(※印は物品などの贈呈をした催しで、詳細は、6‐(5)に記載)
(1)NHK番組公開チャリティー
- 歌謡チャリティーコンサート(2回)
- 4/7 NHK大阪ホール
- 9/11 福岡サンパレス
収支差額16,345千円
- おかあさんといっしょファミリーコンサート(16回:8日×2回)
- 5/1・2・3・4,11/3・4・5・6 NHKホ−ル
収支差額8,203千円
(2)事業団企画チャリティー
- 芸能人の多才な美術展(11会場)
- 4/ 6〜11 大丸神戸店
- 4/19〜24 NHKスタジオパーク
- 4/29〜5/8 そごう呉店
- 5/12〜19 松山市・ホテル葛城はなゆずき
- 6/ 1〜13 札幌市・丸井今井
- 6/24〜7/4 大分市・アートプラザ
- 7/ 9〜17 草加市・アコス南館アコスホール
- 7/20〜8/5 河口湖町・河口湖美術館
- 8/ 8〜17 太田市・ロイヤルチェスター太田
- 8/20〜29 愛知県田原市・田原市博物館
- 9/ 3〜11 室蘭市市民会館
- 9/15〜19 長崎市・浜屋百貨店
- 10/ 5〜10 京都高島屋
- 10/15〜23 釧路市生涯学習センター市民展示ホール
- 10/27〜11/1 新潟伊勢丹アートホール
- 11/ 2〜7 上越市・大和上越店
- 11/12〜23 二本松市・安達ガ原ふるさと村「先人館」
- 12/1〜13 北九州市・小倉井筒屋
収支差額2,485千円
- 創作人形公募展ドールファンタジア(5会場)
- 5/ 4〜16 岡山・山陽百貨店
- 7/28〜8/4 鹿児島・山形屋
- 10/ 5〜17 立川・高島屋
- 2/ 8〜20 横浜・高島屋
- 3/23〜28 水戸・京成百貨店
収支差額1,954千円
- 第38回 日本陶芸倶楽部チャリティー展(1回)
- 5/17〜22 日本橋 三越本店
収支差額2,517千円
- NHKチャリティー展(1回)
- 11/15〜21 名古屋三越栄本店
収支差額3,728千円
- チャリティー高僧・名家揮毫展(2回)
- 12/19〜20 NHK大阪放送局
- 3/28 〜29 NHK放送センター
収支差額737千円
- 障害児のための義太夫チャリティー特別公演(1回)
- 第43回N響「第9」チャリティーコンサート
- 第39回NHK福祉大相撲(1回)
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6.その他の支援事業
「NHK歳末たすけあい・NHK海外たすけあい」や台風など災害発生時にNHKとの連携による救援活動の実施。また、障害者・高齢者の福祉および地域福祉の推進を支援する「わかば基金」の贈呈、チャリティー事業の益金による福祉機器の寄贈など各種支援事業を展開した。
また、「宮崎県台風14号被害」の台風などによる被災地へ救援物資を急送したほか、国内の台風被災地支援と「米国ハリケーン災害」、「パキスタン北部地震」、「フィリピン地滑り災害」などの支援のため、全国のNHKと日本赤十字社などとともに義援金や救援金の受け付けを実施した。
(1)「NHK歳末たすけあい・NHK海外たすけあい」
平成17年度「NHK歳末たすけあい・NHK海外たすけあい」をNHK、中央共同募金会、日本赤十字社と共催で12月1日〜25日の間実施した。
今年度は、11月26日、特別番組「あなたのやさしさを2005」を放送し、「NHK歳末・海外たすけあい」の義援金がどのように使われているかを紹介したほか、12月3日(日)を「ハートとハートがつながる日」として、NHK障害福祉賞の記念式典や福祉番組を集中的に展開した。
また、全国の各放送局でも、11月中旬から12月下旬にかけて福祉キャンペーン「NHKハート・プロジェクト」を展開し、その中核事業として「NHK歳末・海外たすけあい」を位置づけ実施した。
その結果、平成17年度は、夏以降、西日本の台風災害救援や、米国ハリケーン災害救援、パキスタン北部地震救援のための募金活動を次々に行ったが、「歳末」「海外」ともに、昨年度の件数・金額を上回り、合計金額では昨年より、約3.9% の増加となった。
義援金総額 16億1,836万1,859円(16万6,291件)
<内訳>
- 歳末たすけあい 8億5,257万3,824円(8万5,349件)
- 海外たすけあい 7億6,578万8,035円(8万942件)
歳末たすけあいは、共同募金会を通じて全国の障害者の方々や、援助や介護を必要とするひとり暮らしのお年寄り、援助を必要とする子どもたち、長期療養生活をしている人、生活が困難な世帯、災害地などに配分された。
海外たすけあいの義援金は、日本赤十字社が赤十字国際機関と協力し、パキスタン北部を襲った大地震の被災者に対して医療、生活支援などの救援活動を行うほか、スマトラ島沖地震・津波の被災者に対しても引き続き復興支援を行う。また、世界各地の紛争により発生した難民に対し、医療、食料を中心に人道支援を行う。
さらに、南部アフリカにおいて、エイズ患者に対する在宅看護支援やエイズ感染予防教育を実施する。
(2)国内・海外の災害義援金受け付けの実施
平成17年度当事業団ではNHK、日本赤十字社、共同募金会などと共催で、「米国ハリケーン災害救援金」「フィリピン地滑り災害救援金」を受け付けた。
一方、平成12年度から実施していた三宅島からの避難世帯への義援金受付けは平成17年4月30日で終了し、「スマトラ島沖地震救援金」も平成17年6月30日に終了した。また、国内での台風、地震などの地域災害では、当事業団(地域によっては、当事業団支局)と被災地のNHK各放送局などで、義援金受付けを6件行った。
- 伊豆諸島地震活動災害義援金(三宅島噴火災害)
- 伊豆諸島地震活動災害義援金(三宅島噴火災害) 平成12年8月14日〜平成17年4月30日 1,721日間 29億7,582万円 67,216件
- 国内災害たすけあい(風水害災害)
- 宮崎県台風14号被害義援金(宮崎局) 9月8日〜11月30日 2億6,249万円 6,674件
- 鹿児島県台風14号被害義援金(鹿児島局) 9月14日〜10月13日 4,233万円 1,578件
- 鹿児島県台風14号被害義援金(鹿児島局) 9月12日〜11月10日 5,245万円 1,892件
- 国内災害たすけあい(地震災害)
- 新潟県中越地震災害義援金 平成16年10月25日〜(継続中) 367億5,005万円(平成18年2月現在) 862,755件
- 福岡県西方沖地震災害義援金 (平成17年)3月23日〜5月31日 4億5,665万円 14,305件
- 海外災害たすけあい
- 米国ハリケーン災害救援金 平成17年9月6日〜10月6日 13億4,001万円 15,216件
- スマトラ島沖地震救援金 平成16年12月28日〜平成17年6月30日 97億9,300万円 164,691件
- パキスタン北部地震救援金 平成17年10月12日〜11月30日 20億7,403万円 49,722件
- フィリピン地滑り災害救援金 平成18年2月22日〜3月31日 1億8,731万円 8,218件
(3)災害救護活動の実施
災害発生時には、NHKと連携し救援活動を実施している。平成17年度は、台風などによる災害被害が少なく、災害救助法適用の被害地に地元放送局を通じて、災害救援物資タオルの送付は1件にとどまった。
台風14号
9月5日〜6日 宮崎県(宮崎市、延岡市ほか)*1,000本
(4)第17回 地域福祉を支援する「わかば基金」
あすの福祉の芽を育てる「わかば基金」は、地域で地道に福祉活動を続けているグループを支援するために設けられたもので、今回で17回目を迎えた。
全国から475件の申し込みがあり、9月12日の選考委員会で、15グループを選考し、総額784万円の支援金を贈った。
これで、初回からの贈呈件数は250グループとなった。
<支援先>
- 虹の光 ひつじ工房 (北海道釧路市) 59万円
- NPO法人 ハンディキャブゆづり葉 (東京都多摩市) 70万円
- スペース「ほっと」 (神奈川県川崎市) 48万円
- アニマルワンダーランド ポニークラブ (神奈川県秦野市) 62万円
- 長野市精神障害「当事者ポプラの会」 (長野県長野市) 25万円
- 特定非営利活動法人 ほのぼのおぢやの里 (新潟県小千谷市) 70万円
- きららグル−プ (富山県新湊市) 60万円
- 高次脳機能障害者作業所 サン・ライズ (愛知県岡崎市) 64万円
- ジョイント 西京視覚障害者ボランティア (京都府京都市) 9万円
- 神戸エンジェルボ−ルクラブ(K−ABC) (兵庫県神戸市) 55万円
- 音訳グループ ウェーブ (兵庫県神戸市) 50万円
- 特定非営利活動法人 かめのこ会 (和歌山県和歌山市) 60万円
- 朗読録音グル−プカナリヤ (広島県府中市) 32万円
- 山口県字幕サークル Eライン (山口県山口市) 70万円
- 身体障害者裏千家茶道クラブ「もえぎ」 (熊本県熊本市) 50万円
(5)福祉機器などの寄贈
- 「福祉相撲号」の寄贈
「第39回NHK福祉大相撲」の益金により福祉車両「福祉相撲号」9台を購入し、これに日産自動車株式会社からの寄贈1台を合わせて、10台の「福祉相撲号」を障害のある人たちの療育活動や、お年寄りのデイケアなどの福祉活動を行っている施設・団体に寄贈した。
これで初回以来の贈呈台数は、223台となった。
<寄贈先>
- (社会福祉法人) 東旭川宏生会 デイサービスセンターコスモス 北海道旭川市
- (社会福祉法人) 侑愛会 おしま学園 北海道上磯町
- (社会福祉法人) 峰浜村社会福祉協議会 秋田県峰浜村
- (社会福祉法人) 湯川村社会福祉協議会 福島県湯川村
- (社会福祉法人) 誠心会 茜洋舎 神奈川県横須賀市
- (社会福祉法人) 木曽岬町社会福祉協議会 三重県木曾岬町
- (社会福祉法人) びわこ学園 滋賀県草津市
- (社会福祉法人) はなさきむら 兵庫県佐用町
- (社会福祉法人) 東城有栖会 東寿園 広島県庄原市
- (社会福祉法人) 西合志町社会福祉協議会 熊本県西合志町
- 「車いす付き介護浴槽」・「視覚障害者用パソコン」の寄贈
春と秋に開催した「歌謡チャリティーコンサート」の純益により、車いす付き介護浴槽と音声ガイド付き視覚障害者用パソコンを購入し、福祉施設・団体へ贈呈した。
◎4月7日 大阪市 で開催した「歌謡チャリティーコンサート」の純益で、「車いす付き介護浴槽」を大阪府内の3か所の高齢者福祉施設に贈呈した。
<寄贈先>
- 社会福祉法人 四天王寺福祉事業団 特別養護老人ホーム「四天王寺悲田院」(羽曳野市)
- 社会福祉法人 愛和福祉会 特別養護老人ホーム「愛和」 (大阪市)
- 社会福祉法人 寺田萬寿会 特別養護老人ホーム「萬寿園」 (岸和田市)
◎9月11日福岡市で開催した「歌謡チャリティーコンサート」の純益で、「音声ガイド付き視覚障害者用パソコン」を全国20か所の福祉施設や団体に贈呈した。
<寄贈先>
- 日本赤十字社北海道支部 点字図書センター (北海道札幌市)
- 函館点字図書館 (北海道函館市)
- 宮城県点字図書館 (宮城県仙台市)
- 茨城県立点字図書館 (茨城県水戸市)
- 埼玉県盲人福祉ホーム 埼玉点字図書館 (埼玉県さいたま市)
- 相模原市 保健と福祉のライブラリー (神奈川県相模原市)
- 長野県視覚障害者福祉協会 (長野県松本市)
- 新潟県点字図書館 (新潟県新潟市)
- 光道園ライトホープセンター (福井県朝日町)
- 名古屋ライトハウス光和寮 (愛知県名古屋市)
- 京都ライトハウス生活訓練部鳥居寮 (京都府京都市)
- 大阪府盲人福祉センター点字図書館 (大阪府大阪市)
- 神戸市立点字図書館 (兵庫県神戸市)
- 岡山県視覚障害者福祉センター (岡山県岡山市)
- 宇部市立図書館点字資料室 (山口県宇部市)
- 徳島県立盲人福祉センター (徳島県徳島市)
- 愛媛県視聴覚福祉センター (愛媛県松山市)
- 福岡点字図書館 (福岡県春日市)
- 佐賀県立点字図書館 (佐賀県佐賀市)
- 大分県点字図書館 (大分県大分市)
- チャリティー陶芸展による物品寄贈
日本陶芸倶楽部、毎日新聞東京社会事業団と共催した「第38回日本陶芸倶楽部チャリティー作品発表展」(5月17日〜22日・日本橋三越本店)による純益の一部で、福祉施設6か所に洗濯機を贈呈した。
- ベトナムで奨学金を贈呈
視聴者からの寄付の申し出を受けて、平成14年から「ベトナムの子どもの家を支える会(代表小山道夫)」を通じてフエ市の学生に奨学金を贈呈してきた。
4か年の奨学生はのべ420人にのぼり、ベトナムの民間支援として高い評価を得た。
この事業は、平成17年度をもっていったん終了する。
- 「別冊 NHKウイークリーステラ 大相撲中継」寄贈
NHKサービスセンター寄贈による「別冊 NHKウイークリーステラ 大相撲中継」を全国2,149か所の老人福祉施設(ケアハウス、軽費、養護)に年6回、毎回4,298部を贈呈した。
(6)催物への招待
「第39回 NHK福祉大相撲」などチャリティー催物開催時に、知的障害施設、盲学校生徒などの方々1,010名を招待した。
- N響子どもの日スペシャル 5月 5日 NHKホール 招待者139名
- 第43回N響「第9」演奏会 12月15日 NHKホ−ル 招待者471名
- 第39回NHK福祉大相撲(平成18年) 2月11日 両国国技館 招待者350名
- アシュケナージが贈る未来へのコンサート(平成18年)3月12日 NHKホ−ル 招待者50名 合計:1,010名
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7.広報活動
広く事業団の活動を周知するため、事業内容を紹介する印刷物を催し物会場で配布したり、定期的に福祉情報誌を刊行するなど福祉活動への理解と協力を求めることに努めた。また、ホームページで、催しの事前周知などに努める一方、「NHKボランティアネット」に事業団のページを設けるなど、インターネット上でも広報活動を行った。
(1)広報物の作成・配布
「NHK厚生文化事業団年報」(年1回)などを発行して、事業団の福祉活動への理解促進をはかった。
また、NHK福祉情報誌「ピーヴォ」(年4回:季刊誌)「事業団のふくし(業務案内パンフレット)」「事業紹介ポスター」を作成し、催し物会場での配布をはじめ、さまざまな機会をとらえて、周知活動を行った。
また、NHKの放送、ニュースによる各種事業の紹介のほか、外部に対する記事提供により、新聞・雑誌などでも活動内容が紹介された。
(2)インターネット上での広報活動
事業団のホームページを充実し、実施事業の予定やその成果を積極的に掲載して広く活動内容の広報に努めた。
ホームページは、PROFILE(機構と概要・あゆみ・年度収支計算書)、DONATION(賛助会員制度のご案内・ご寄付について)、DOMAIN(事業の紹介)、TOPICS(最近の事業活動・催し物に関する情報)、LINKS(関連団体、福祉に関するサイトへのリンク集)などで構成し、情報更新の頻度を高めた。
また「NHKボランティアネット」の中にもNHK厚生文化事業団ニュースの項目を設け、ボランティアネットにアクセスした人にも当事業団の事業紹介が容易に見てもらえるよう設定している。
さらに、個人情報保護法の施行にともない、NHK厚生文化事業団の個人情報を適正に取り扱う基本方針と苦情等の問い合わせ先を掲載した。
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8.共催、後援、協賛した事業
(1)関係団体等との共催事業
関係団体とともに下記の事業を実施した。
- 上方落語の会 4月14日、5月17日、6月2日、7月13日、9月14日、11月4日、(平成18年)1月10日、3月8日(計8回)NHK大阪ホール入場者計5,535名 *共催:NHK大阪放送局
- 東西浪曲大会 8月21日 NHK大阪ホール入場者 884名 *共催:NHK大阪放送局
- 第51回 全国里親大会 10月9日 沖縄コンベンションセンター参加者 600名 *共催:厚生労働省、沖縄県、全国里親会ほか
(2)後援、協賛したもの
福祉、医療、教育団体が行う福祉事業や福祉目的のチャリティー事業に積極的に協力し、次の183事業の後援、協賛を行った。
- チャリティー催物(56件)
「アートコレクション展」「サロン・デ・ボザール展」「チャリティー吉書展」「テーブルウェア・フェスティバル2006」「アロハ・フイ チャリテーイベント」「ジャパンカップ2005チアリーディング日本選手権大会」「アザミ革工芸展」「チャーチル会東京三越展」「創作手工芸展」「日本ホビーショー」「国展」「春陽展」「練成会吟道大会」「チャリティー花と器展」などのチャリティー催しを後援、協賛し、社会福祉のために寄付が寄せられた。
- 関係団体の行事、催物(127件)
「国際福祉機器展」「日本車椅子バスケットボール選手権大会」「全日本盲人写真展」「本間一夫文化賞」「全日本ろう社会人軟式野球全国大会」「心の輪を広げる障害者理解促進事業」「朗読録音奉仕者感謝の集い」「肢体不自由児・者の美術展」「全日本手をつなぐ育成会全国大会」「全国精神障害者家族大会」「日本視覚ハンディキャップテニス大会」「全国ボランティアフェスティバル」「日本視覚障害者ワープロ競技大会」「肢体不自由者の作品展」「大阪ふれあいキャンペーン」「愛知県障害者スポーツ大会」「講演会・自閉症児者の支援最前線」などの関係団体の実施する各種行事、催物などを後援、協賛した。
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9.寄付金
一般寄付金、チャリティー寄付金は、332件(個人:136件/団体:196件)209,272,031円にのぼった。
そのうち、
- 近畿支局扱い 71件(個人:30件/団体:41件) 2,854,878円
- 中部支局扱い 34件(個人: 9件/団体:25件) 1,402,876円
- 九州支局扱い 50件(個人: 8件/団体:42件) 1,298,247円
であった。
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10.賛助会員・維持会員
賛助会員は一般法人に広く協力を求め、本年度は、増口1団体・1口、新規2団体・2口の加入があったが、経済不況や企業の合併等により、減額2団体・4口、退会6団体・6口の申し出もあった。合わせて159団体 から2,500万円の支援を受けた。
また、維持会員については、NHKおよびNHK関連団体職員など5,200名にのぼる方々の協力を得て、その額は6,305,330円に達した。
〔賛助会員一覧〕
- アーチェリープロダクション
- 四国電力
- DXアンテナ
- 葵設備工事
- 資生堂
- 帝産キャブ名古屋
- 池上通信機
- 渋谷ビデオスタジオ
- 帝都自動車交通
- 石川近鉄タクシー
- 島精機製作所
- 電気興業
- 井村屋製菓
- 白川プロ
- 天神工務店
- 梅田舞台
- 新光証券
- 電通
- エクサート松崎
- 新日本空調
- トーエネック
- NTTファシリティーズ関西事業本部
- スタービーイング
- トヨタ自動車
- 遠藤波津子美容室
- スーパー・ブレーン
- 東急ファシリティサービス
- 大阪上町桜ライオンズクラブ
- 瑞雲書道会
- 東京電力
- 大阪ガス
- 住友信託銀行
- 東京日産自動車販売
- 大林組
- 住友電気工業
- 東芝
- 岡谷鋼機
- セノン大阪支社
- 東新紙業
- 勝亦電機製作所
- ゼンリン
- 東北電力
- 加藤電気工業所
- 善意の輪
- 名古屋鉄道
- 川崎重工業
- 全国大陶器市振興組合
- 西日本環境保障
- 関西電力
- 全国陶器祭振興会
- 西日本アクセスコミュニケーションズ
- 銀座サクラヤ
- 全日本空輸
- ニッセイ同和損害保険
- 近物レックス
- 全日本舞踊連合会
- 日産自動車
- 近鉄タクシー
- ソニー
- 日清食品
- クルーガー
- 相互住宅
- 日本アロハ協会
- KDDI
- 総合システム管理
- 日本音楽事業者協会
- 芸能夢舞台
- ダイキン工業
- 日本音楽著作権協会
- コールツプロダクション
- タムラ製作所
- 日本漢字能力検定協会
- 江綿
- 第一生命
- 高津商会
- 第一ビルディング
- 日本ケミカルリサーチ
- 国際自動車
- 大成建設名古屋
- 日本芸能実演家団体協議会
- 紺文
- 大和自動車交通
- 日本交通
- 佐鳥電機
- 大和証券エスエムビーシー
- 日本たばこ産業
- シーズコーポレーション
- 高山信用金庫
- 日本釣用品工業会
- ジオン・グラフィック
- 中国電力
- 日本ハム
- JR東海高島屋
- 中部盆栽組合
- 日本版画会
- ジャパンメンテナンス
- 日本レコ−ド協会
- 野村證券
- NHKきんきメディアプラン
- ノーリツ鋼機
- NHKコンピューターサービス
- 白洋舎
- NHKサービスセンター
- 花岡無線電機
- NHK情報ネットワーク
- 阪急産業
- NHK共同ビジネス
- ピープルスタッフ
- NHKちゅうごくソフトプラン
- ヒサヤ大黒堂
- NHK中部ブレーンズ
- 日立国際電気
- NHKテクニカルサービス
- 富士通
- NHK東北プランニング
- 福建社
- NHK名古屋ビルシステムズ
- ブラザー工業
- NHKプロモーション
- 文祥堂印刷
- NHK文化センター
- 堀内カラー互助・奉仕会
- NHK放送研修センター
- マスプロ電工
- NHK北海道ビジョン
- 真柄建設
- 国際メディアコーポレーション
- 松坂屋
- 共栄サービス
- 松下電器産業
- 総合ビジョン
- 丸一鋼管
- 日本放送協会学園
- みずほコーポレート銀行
- 日本放送協会共済会
- 三越名古屋カンパニー
- 日本放送出版協会
- 三菱UFJ信託銀行
- 日本文字放送
- 明電舎
- 放送衛星システム
- 森平舞台機構
- 山一商事
- ヤマサちくわ
- 山本達浩
- ヨコシネディーアイエー
- 吉本興業
- NHKアート
- NHKアイテック
- NHKインターナショナル
- NHKエデュケーショナル
- NHKエンジニアリングサービス
- NHKエンタープライズ
- NHK営業サービス
- NHKオフィス企画
- NHK九州メディス
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11.役員
(1)役員体制(平成18年3月31日現在)
- 理 事 長 山下 頼充(元NHK放送文化研究所長)
- 副理事長 伊東 律子(元NHK理事)
- 常務理事 有馬 大造(元NHK青森放送局長)
- 理事(非常勤) 江草 安彦(社会福祉法人旭川荘理事長)
- 理事(非常勤) 小山内 美江子(シナリオライター)
- 理事(非常勤) 金田 一郎(社会福祉法人聴力障害者情報文化センター理事長 元社会保険庁長官)
- 理事(非常勤) 原田 豊彦(NHK理事)
- 理事(非常勤) 日向 英実(NHK番組制作局長)
- 理事(非常勤) 北郷 勲夫(財団法人日本障害者スポーツ協会会長 元社会保険庁長官)
- 理事(非常勤) 三浦 文夫(武蔵野大学名誉教授)
- 監事(非常勤) 本田 章博(社会福祉法人中央共同募金会常務理事 元国立身体障害者リハビリテーションセンター管理部長)
- 監事(非常勤) 加藤 陽三(株式会社NHK文化センター経理部長)
(2)理事および監事に支払った報酬等の額
当該事業年度における当事業団の理事および監事に対する報酬等の内容は、以下のとおりです。
注)1.上記人数には、当期中に退任した常勤理事1名および非常勤理事1名が含まれています。
2.上記のうち、非常勤の理事8名、監事2名には、報酬は支払っていません。
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平成17年度事業概要
- 障害者福祉事業
- こどもの相談会および療育キャンプ
- 定例相談会(大阪、名古屋、福岡) 13回
- 療育キャンプの実施(名古屋) 1回
- LD相談会(東京・大阪) 6回
相談件数369件 参加者19組 相談件数94件
- 肢体不自由児者の療育活動 4回 参加者347名
- NHKハートフォーラム(障害・発達障害) 14回 参加者6,570名
- NHK障害福祉賞第40回記念イベントの実施 応募424編 入選11編 参加者110名
- NHKハート展 応募4,898編 巡回展12会場 入場者7万5,324名
- NHKハートストリート 1回 絵画出品数566点
- スポーツイベント 1回
- スポーツの集い 1回 参加者3,800名
- NHKハートスポーツフェスタ 4回 参加者1,000名
- 高齢者福祉事業
- NHK福祉フォーラム「公開すこやか長寿」 10回 参加者4,244名
- NHKハートフォーラム(高齢者) 11回 参加者4,933名
- 鎌田 實 いのちの対話 4回 参加者2,341名
- どう生きる高齢社会「銀の雫文芸賞」 応募564編 入選3編
- ボランティア活動促進事業
- NHKボランティアネット(受託事業)の運用 年間アクセス 4,908,296ページビュー
- NHKハートフォーラム(ボランティア) 4回 参加者657名
- 福祉情報の提供事業
- 福祉ライブラリー活動
- テープ ライブラリー (デイジー版含む) 複製2,613本 利用17,420本
- ビデオ ライブラリー 複製165本 利用8,267本
- 聴覚障害者向け字幕ビデオ ライブラリー 複製6番組
- NHK福祉情報誌「ピ−ヴォ」の発行 4回 発行部数年間33,000部
- 福祉ビデオの制作「ホスピス」 制作 200セット800本
- ホスピスガイドブックの配布 刷成 30,000部(通算28万部刷成)
- チャリティー事業
- NHK番組公開チャリティー
- 「歌謡チャリティーコンサート 2回」 参加者3,311名
- 「おかあさんといっしょファミリーコンサート16回」 参加者51,405名
- 事業団企画チャリティー「N響 第9 演奏会」「NHK福祉大相撲」 「NHKチャリティー展」「創作人形展 ドールファンタジア」「芸能人の多才な美術展」など24回 8種類
- その他の支援事業
- NHK歳末たすけあい NHK海外たすけあい 歳末8億5,257万3,824円(8万5,349件) 海外7億6,578万8,035円(8万942件)
- 災害義援金受け付け 国内外 10種 総額 539億3,414万 円
- 災害救護事業 1回 災害救援物資 1,000本
- 地域福祉を支援する「わかば基金」 15グループ 支援金784万円(累 計250グループ)
- 福祉機器などの寄贈
- 福祉車両「福祉相撲号」 1回 福祉相撲号10団体 10台(累 計223台)
- 車いす付き介護浴槽/視覚障害者用パソコン 2回 介護浴槽3施設/パソコンの贈呈 20施設・団体
- チャリティー陶芸展による物品寄贈 洗濯機の贈呈 1回 6か所
- ベトナムでの奨学金贈呈 ベトナムの学生 420名(4か年累計)
- 「別冊NHKウィークリーステラ・大相撲中継」寄贈 6回 4,298部 2,149施設
- 催物への招待 「NHK福祉大相撲」「N響第9演奏会」など 4回 4種類 1,010名
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